本日6月1日、「
本作の音楽と主題歌「深呼吸」を手がけた永積は「またこうやって監督とお話をする機会がもらえてうれしいです」と挨拶。是枝が「音楽を担当していただいた方とゆっくり話すことって、実際に作業をしているときはともかく、あまりないですよね。いろいろ話したいことがあるんですけど、せっかくたくさんお客さんに来ていただいてるので、質疑応答ができれば」と述べると、すぐに客席から手が上がった。
「監督はどんな子供だったんですか?」と聞かれた是枝は「子供らしくない子供だったんですよ。だからやんちゃなことができる子供がうらやましかった。スカートめくりとかね(笑)。通信簿には『子供らしい伸びやかさに欠ける』と書かれちゃって、樹木希林さんにそのことを話したらすごく笑われました」と回想。映画に登場する、吉澤太陽演じる真悟について「周りの大人をよく見ている子で、子供らしい伸びやかさに欠けてたでしょ。彼が自分に近いかも」と話す。
「親と似てしまった自分の嫌な部分は?」という質問に、永積は「僕は父親に似てるって言われるんですけど、実家に帰ったときとかにおふくろから『ソファとかでダラっとしているときの汚い感じが似てる』と言われて。父親を見るとTシャツとかがよれよれで、『これに似てるのか』と思うと胸が苦しくなりますね」と苦笑。是枝は「最近、歳のせいか朝起きたときの枕の臭いとかがね……。あれ、どっかで嗅いだことあるぞこれって。父親の臭いなんですよね」と述べる。
永積は、音楽を付ける際に「説明をしてはいけないんじゃないかと思ってました」と語り、「映像を観たあとにいろんなフレーズの断片を作って、それを『このシーンに合うかな、あのシーンに合うかな』というふうにはめ込んでいったんです。その結果、説明ではなくて映像に寄り添うような音楽にできたんじゃないかと思います」と述懐。是枝はあるクライマックスのシーンを例に挙げ、「僕は『悲しい感じの音楽で』とお願いしたんだけど、永積さんは楽しげな曲を書いてきた。実際に音楽が付いたそのシーンを観てみたら、自分の映画なのに感動しちゃって。あの音楽が、登場人物の思い出を悲しいものから楽しいものにしてくれたんです」と話した。
最後にメッセージを求められた是枝は「メッセージって難しいよね」と笑い、「あまり明快なメッセージのない映画を作りたいといつも思ってるんですけど、今回の作品はいつかなくなってしまうものへの愛情というものが中心にあります」とコメント。「こんなに広いところでティーチインをすることってなかなかないんです。またこんな機会が作れたらいいなと思います」と述べてイベントを締めくくった。
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そうそう、良多の息子・真悟が是枝少年なんだろうな、と観た時に思った。/是枝裕和、ハナレグミの曲が流れるシーンに「自分の映画なのに感動しちゃった」 - 映画ナタリー https://t.co/zobWOKxAdh