本作は、妻の事故死を他人事のようにしか受け取れない人気作家・津村啓こと衣笠幸夫が、同じ事故で母を失った遺族との交流によって変化していく姿を描いたヒューマンドラマ。
この予告編には、幸夫がマネージャーの岸本に「先生、奥さん亡くなってからちゃんと泣きましたか? 一度でも」と問われて答えに窮するシーンや、「もう愛してない。ひとかけらも。」いうメッセージを発見して驚くさまを収録。そして終盤には手嶌が歌う「オンブラ・マイ・フ」に乗せて、幸夫の妻・夏子が海辺でほほえむ姿が映し出される。
手嶌は「ご依頼を頂いた時は、まさかオペラの曲だなんて!と正直驚きましたが、私なりに大切に歌わせて頂きました」とコメント。また西川は「この映画はこの声に救ってもらえる、と確信しました。冬の夜の澄み切った空気のような手嶌版『オンブラ・マイ・フ』は、すべてを洗い流し、主人公を再出発に導いてくれる見事な『最終兵器』となってくれたと感じています」と語った。
「永い言い訳」は、10月14日より全国ロードショー。
手嶌葵 コメント
西川監督の素敵な映画の挿入歌を歌わせて頂き、とても光栄に思っております。
ご依頼を頂いた時は、まさかオペラの曲だなんて!と正直驚きましたが、私なりに大切に歌わせて頂きました。
たくさんの方にご覧になって頂きたいなと思います。
西川美和 コメント
原作を書いていた頃から、この作品はヘンデルの「調子の良い鍛冶屋」に始まり、「調子の良い鍛冶屋」で終わる、と決めていました。それを軸にして、全ての音楽を考えて行こうと思ったとき、音楽の伊藤秀紀さんから「クライマックスを飾る曲に」と同じヘンデル作曲の歌曲「オンブラ・マイ・フ」を提案されました。初めに聴いたのはダイナミックで圧倒的なキャスリーン・バトル版でしたが、本作のために欲しかったのは、声楽家による王道的なアプローチではなく、「こんな風にオンブラ・マイ・フを歌う人は世界中に一人もみつからないだろう」と思えるタイプの声でした。東洋人の声質にしかないきめの細かさ、純粋さ、やさしさを持つ、唯一無二の歌い手を、とお願いすると、吉田拓郎さんの名曲「流星」の手嶌葵さんによるカバーを聴かされました。初めの数秒を聴いて、この映画はこの声に救ってもらえる、と確信しました。冬の夜の澄み切った空気のような手嶌版「オンブラ・マイ・フ」は、すべてを洗い流し、主人公を再出発に導いてくれる見事な「最終兵器」となってくれたと感じています。自分の作った映画なのに、手嶌さんの声が聴こえ始めるとあやうく涙腺が緩みそうになるので、たいへん危険です。
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