シネマ歌舞伎「歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉」の完成披露上映会が、5月17日に東京・新宿ピカデリーにて開催され、市川染五郎、
歌舞伎の舞台公演を撮影し、スクリーンで鑑賞を楽しむシネマ歌舞伎の第24弾にあたる本作。劇団☆新感線の中島かずきといのうえひでのりが脚本・演出を手がけ、敵同士ながら互いを認め合う阿弖流為と坂上田村麻呂の戦いを描く。阿弖流為を染五郎、坂上田村麻呂を勘九郎、阿弖流為の恋人・立烏帽子を七之助が演じている。
染五郎は、「何回も上演すればするほど価値が上がっていくのでは。シネマ歌舞伎用に新たに作り上げた『阿弖流為』をよろしくお願いいたします」と挨拶。勘九郎も「『阿弖流為』は染五郎さんが歌舞伎NEXTとして発信した1回目の作品。みんな気合いが入っています。それが映像として残ることをとても誇りに思います」と話す。
「ずっと新感線に出てみたかった」という七之助は、「みんなに新感線は出るものじゃなく観るものだよって言われていたんですけど、まさしくその通りでした。地獄でした(笑)。平均年齢の高い人たちが走らされて、けが人続出で。パワーを振り絞ってやっていました」と振り返る。またいのうえの演出については「初めて見たときはびっくりしました。『2歩歩いて左を向いてこのセリフを言ってください』と形が決まっていて、歌舞伎と通ずるものがある」とのこと。さらに「古田新太さんや橋本じゅんさんの演技を観て『自由にやっているなあ』と思っていたけど、あんなふうに演出を受けていたとはびっくり。それを毎回新鮮に、自由にやっているように見せている新感線は恐ろしい人たち」と続けた。
本作では“男同士の戦い”が描かれることから、司会が染五郎に「勘九郎さん、七之助さんに男として負けないぞ、というところは?」と尋ねる。染五郎は先日岩手で先行上映会を行ったときの思い出として「ホテルの部屋の椅子をずらしたら10円玉が落ちてたんです。部屋には誰もいないし、さあどうする、と。でも拾いませんでした。理性が働いて触りもしませんでした。彼らにはできないと思います」と自信満々で述べ、笑いを起こした。
ここで5月18日に誕生日を迎える七之助へ、サプライズでバースデーケーキのプレゼントが。七之助は蝦夷の里の星空をイメージしたケーキを見て喜び、今年の抱負を「33歳になります。どんどん衰えていくと思うので、次のNEXTのときにまた動けるよう、日々精進していきたい」と語る。さらに劇中の役にちなみ、染五郎が七之助の口にケーキを運ぶ一幕も。
最後に染五郎が「歌舞伎NEXT、シネマ歌舞伎はともにまだまだ歴史は浅いが、どんどん進化させていくので今後に期待してほしい」と訴えかけ、イベントは終了した。
シネマ歌舞伎「歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉」は6月25日に東京・東劇ほかにて全国公開。
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