現地時間5月14日、フランスにて開催中の第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門で「
深田は上映前に「まずは2時間楽しんでください。私から言えることは、本当に素晴らしい俳優たちの演技、日本を代表できる俳優たちの演技をこの映画で2時間堪能できるということです」と挨拶。上映が終わると、キャスト陣とともに観客からのスタンディングオベーションに応えた。
2015年の黒沢清監督作「岸辺の旅」に続き、2年連続である視点部門に主演作が選出された浅野は「これから毎年来られるようがんばります(笑)」とコメント。どんな点が評価されての選出だったと思うかを質問されると、深田は「わからないですね。逆に選んでくれた人に聞きたいです」、浅野は「監督が考えていたことを、粘り強く最後まで仕上げたことが1つの大きな要素だと思いますね。映画は強烈なものでないと届かないと思うので、監督の中にあった何かが花開いたんだと思います」と答えた。
囲み取材にて、古舘は「すごく温かい拍手をいただいて、とてもうれしいです。カンヌに来ることなんてないと思っていたので、生きているとすごいことが起こるもんだなと。深田監督の現場は毎回色々とディスカッションしてすごく深いところまで追求できる現場なので、自分の表現したいものを監督の求めているものとすり合わせながらやることができて、今回もとても楽しかったです」と述懐。筒井は「ずっと舞台をやってきて、初めて映画に出させていただいたときからいつかカンヌに行きたいなって思っていたので、マネージャーから報告をもらったときには『ああー』って遠い目になってしまって(笑)。今もちょっとふわふわしています」と話した。
また浅野は「本当に長い戦いだったので、それがやっと実ったというか。このカンヌに来るときも、飛行機が着かないとか荷物が着かないとか、ハプニング続きだったんです。本当に今とてもほっとしています」と述べ、「とてもいい役をいただいて、これをどう演じるのかということは自分にとっても大きな課題でしたが、監督は忍耐強く見守って、僕の意見も全部取り入れてくれました。自分にとっての大きな一歩になったかなと思っています」と語る。
深田は「子供のときからずっとカンヌを通過した映画や監督たちに憧れて、そういう意味では特別なのですが、ただカンヌがゴールだと思っている監督は誰1人としていないと思うので、これがスタートだと思って、これからもコツコツと地道に映画を作っていきたいと思います」と抱負を述べ、「淵に立つ」については「こういう最高の舞台を与えられましたが、やっとよちよち歩きを始めた赤ん坊のような映画です。これから皆さんに観てもらって、いろんな声をかけてもらって大きく育っていく子供だと思っています」と話した。
「淵に立つ」は、下町で金属加工業を営む夫婦のもとに突然1人の男が現れたことで、夫と妻それぞれが抱える秘密があぶり出されていくさまを描く人間ドラマ。今秋、東京・有楽町スバル座ほか全国で公開される。また、深田による小説版が秋頃に刊行される予定だ。
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