本日4月22日、「
本作は黒木演じる主人公・皆川七海が、さまざまな人々との出会いや奇妙な体験を通して成長していくさまを描いた物語。窮地に陥った七海を救うなんでも屋・安室行舛を綾野剛、七海のアルバイト仲間となるミステリアスな女性・里中真白をCoccoが演じた。
岩井は本作について「上映時間が3時間ぐらいあるので、公開が難航しまして。劇場も『勘弁してください』という雰囲気だった」と述懐。「上映時間が長いと1日の上映回数が減るので、そのぶんお客さんも減るんですよね。そう考えると映画って5分ぐらいの長さでいいんじゃないか、1時間でも1日10回ぐらい上映できるんじゃないかって思うんですけど。そんな中で、奇特にも『やろう』と言ってくださるところがあって。最初は上映館数が28館だったんですが、これから50館ぐらいまで増えるそうです。これも皆さんのおかげです」と客席に感謝を述べる。
岩井が「でも『ただ長いだけでつまんなかった』と思われてしまったら、瞬く間に上映回数は減っていきますからね。そういう恐ろしい業界なんですよ。CMみたいに納品しておさらばできるほうが気が楽でいいですね。映画は何しろ、自分の作品を差し出して観てもらうわけですから」と述べると、黒木が「映画の何が一番幸せで、何が一番嫌ですか?」と質問。岩井は「ほとんど大変なんですけど、脚本を書いているときや現場にいるとき、編集してるときにゾワゾワゾワゾワと鳥肌が立って、『来た!』と思うことはあって」と答え、「ずっと探していたピースが見つかったっていう瞬間がある。必ずしもそれで映画がよくなるわけじゃないんですけどね」と語った。
黒木が「ご自分で『なんでこのシーンを書いたのかわからない』とおっしゃってましたよね?」と聞くと、岩井は「見えない流れに身を任せてやってる感じなんですよ。現場では『こんな感じかね?』と僕自身も探りながら演出していた。その人が何者かというのは、本人ですらわからないことですよね。わかるのはせいぜい職業ぐらいのものでしょ。人ってわからないから、脚本を書いていても演出していても、ますますわからなくなる。まだまだ演出家として未熟です」と謙遜。「伸びしろはあるんだろうなと思ってる」と岩井が付け足すと、黒木が「伸びしろだらけの監督ということで」とまとめた。
イベントでは観客との質疑応答も実施。「今、純日本的な役柄を演じさせたらナンバーワンの女優さんだと思うのですが」と聞かれた黒木は、「そんなに昭和顔かな?って自分では思うんですけど。昭和の女優さんって実ははっきりとした顔立ちの方が多いですよね」と述べる。岩井が「原節子さんと華ちゃんは似てないよね」と言うと、黒木は「昭和の女優さんと比べると薄い顔なので、すみませんって思います。がんばっていきたいなと思います」と笑った。
最後に黒木は、「映画って自分の中に残っていくものだと思うんです。私もこれまでに観た映画やドラマ、写真なんかでできあがっています。だから『リップヴァンウィンクルの花嫁』も、皆さんを形成するものの1つになればいいなって」とコメント。岩井は「いい言葉ですね!」と感心した表情を浮かべて「皆さんを形成するものの1つになればいいです」と続け、黒木から「私のコメントを!(笑)」とツッコまれていた。
なお全6話のドラマシリーズ「リップヴァンウィンクルの花嫁 serial edition」が、BSスカパー!とスカパー!4K総合で毎週金曜21時より放送中。また120分の配信限定版が、GYAO!などで配信中。ひかりTVでは4K版が独占配信されている。
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椿原 敦一郎 @teamokuyama
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