本日2月18日、「
米国の作家アンソニー・ドーアの短編小説をもとにした本作は、盲目の貝類学者を主人公としたファンタジー。主演のリリーは、「前衛的な作品ですので、大ヒットは考えられない。でも監督は潔い人で、この作品の試写の前日にハローワークで職探ししていたんですよ! 編集でニューヨークに行く際も奥さんに金を借りたらしい。それぐらいの気持ちでやっていたんですね」と感心しながら、坪田の行動を次々とバラす。「リリーさん、さっき『余計なこと言わない』って言ってましたよね……」と驚愕する坪田に対し、リリーは「まだ事実しかしゃべってないから」と重ね、本作について「『若い頃、こういう映画いっぱい観ていたなあ』っていう作品です。笑いも感動もないでしょう。皆さんがご自身で楽しんでいただければ。監督の素晴らしい妄想を皆さんに観ていただきたい」と独特の言葉で伝える。
沖縄の離島で撮影された本作。奇病に侵された島の娘を演じた橋本は、「島自体が目に見えないものに動かされているような感覚。この島には何か宿っていて、それが作品を助けてくれると信じていました」と振り返る。貝類学者の息子に扮した池松は、出演の決め手を尋ねられると「リリーさんがいる作品に出ておけば問題ない、と思って」と正直に明かすが、リリーは「そのジンクス、今回で壊れました」と一蹴。数日間のみの参加だったという池松だが、映画談義を楽しむ人たちが集った現場で、「ずーっと映画の話をしていて、合宿みたいで楽しかったです」と懐かしむ。
また撮影は1月に行われ、沖縄と言えど寒くてハードだったと明かすリリー。坪田が恐縮しながら「“サブカル界のスーパースター、リリー・フランキー”におもりを付けて海に沈ませるなんて、すごい緊張して」と撮影を振り返ると、リリーから「僕は息できない状態なのに、監督が『ヨーイ、スタート』ってすごい間を取って言うんだよね」と苦情が寄せられる。それに対し、船上でモニターを見ていたという坪田は「落ち着いて演出しているという雰囲気を海底まで届けたくて」と弁解。海底から上がったときは凄まじい気迫だったと指摘されると、リリーは「普段言わないような真剣なことを言っていました。本当に酸欠だったんでしょうね」と冷静に述懐した。
一言で形容しがたい内容の作品だけに、橋本が懸命に言葉を探しながら「こういう埋もれがちな、実験的な、大衆化してない、マニアックな、アンダーグラウンドというか……」と説明していると、空気を察したリリーから「言えば言うほど!」と遮られる一幕も。橋本は「自己満足な作品になるんじゃないかという恐れがあったけど、映画を観て、よかったと言ってくれる人がいて。作ってよかったんだなという希望を持ちました」と前向きな感想を残し、坪田は「観た人それぞれの感性を刺激するような作品です」と胸を張って伝える。そんな坪田の言葉を受け、リリーは「ということを紙に書いて、ビンに入れて海に流してください。それがこの作品らしい感じなので!」とアナログな宣伝方法を観客に勧め、舞台挨拶の幕を下ろした。
「シェル・コレクター」は2月27日より、東京・テアトル新宿ほかで全国順次ロードショー。
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- 「シェル・コレクター」予告編
- ロッテルダム国際映画祭
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