本作は、少女の成長と家族の絆を描いたヒューマンドラマ。主人公の紀子が、亡き母より毎年届くバースデーカードから人生を輝かせるヒントを得て、少女から大人の女性へと変化していく様子を追う。橋本は友人関係や恋愛、結婚の問題で揺れ動く17歳から25歳までの紀子を演じた。そして宮崎が扮するのは紀子の母・芳恵。紀子が10歳のときに自身の命の限界を悟り、愛する子供たちへバースデーカードを書き残すという役どころだ。そのほか家族を見守る父・宗一郎役を
橋本は「止まったままの母と成長し続ける娘のとても前向きなバディムービーに仕上がった」と本作の魅力を語り、宮崎との共演シーンを「記憶の中の母と対面できた奇跡に心が震えたことを覚えています」と振り返る。また宮崎は「自分がいなくなった後の子供達に、何が残せるのかを想って生きた、優しいお母さんを演じさせていただきました」とコメントを寄せた。
「バースデーカード」は10月より全国でロードショー。
橋本愛 コメント
王道中の王道を、オリジナル作品として成立させることに大きな意義を持って臨んだ作品でした。
昨今では珍しい全編オールロケという恵まれた環境の下、雄大で美しい自然と共に、普通の人々の普通の人生を、大変愛おしく輝かしく切り取ることができたことを嬉しく思います。
止まったままの母と成長し続ける娘のとても前向きなバディムービーに仕上がったので、是非是非多くの方に観ていただきたいと思います。
宮崎の印象
現場で幼少時代のシーンを何度か見学させていただいた時、宮崎さんの表情、すなわち母の表情を焼き付けようとしていたのですが、そこには絶対的な無条件の愛を感じていました。宮崎さんとの共演シーンは実質たったの1シーンで、宮崎さん演じる母と、私自身が初めて対面するとても重要な場面でした。
そのとき一番印象に残ったのは、宮崎さんの手です。この手で頭を撫でられたり、繋いだり、抱きしめられたりしてきたのだと、深い愛情を感じるすごく繊細な手でした。記憶の中の母と対面できた奇跡に心が震えたことを覚えています。
宮崎あおい コメント
自分がいなくなった後の子供達に、何が残せるのかを想って生きた、優しいお母さんを演じさせていただきました。
人の死を扱う作品というのはとても難しいものだと思います。それでも、この作品を見てくださった方が前向きな気持ちになってくれたら嬉しいです。
橋本の印象
橋本さんと直接お芝居をすることはほとんどなかったのですが、出番のない日も、幼い自分が経験したことを記憶に残すために何度も現場に足を運びモニターを見ていました。私は出来上がった映画を通して娘の成長を知りましたが、悩みながらも素敵な女の子になってくれて安心しました。
吉田康弘 コメント
執筆中に自分自身の子どもが生まれたということもあり、母親が死んでいく悲しみを描くよりも、まだ幼い子どもを残して死んでいったときに何を残せるのか、どうやったら亡くなった後も関わり続けることができるのかということを提案する気持ちで脚本を書きました。亡くなった母と遺された娘の対話の中で、娘が成長していく物語を、観ていただく方にも追体験してもらいたい。暗い話にはせず、明るい希望が持てる話にしたかった。王道でストレートな物語であるからこそ、丁寧に繊細に創ることを意識しました。この作品は、キャスト、スタッフ、ロケーション、天候、本当にいろいろなことに恵まれ、誰に観ていただいても楽しんでもらえる作品になった自信があります。そして、観ていただいた後に幸せになってもらえる作品、今の幸せを噛みしめて人生を大切に生きていきたいと思ってもらえるような作品になったと思います。
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