本日1月18日、J:COMと時代劇専門チャンネル、日本映画専門チャンネルの共同記者発表会が東京のザ・ペニンシュラ東京にて行われ、第2部に「ジョーのあした-
本作は「どついたるねん」「鉄拳」などで知られる阪本が、辰吉を追ったドキュメンタリー。1995年製作の「BOXER JOE」で辰吉に魅せられた阪本が、1995年8月から2014年の11月までの約20年にわたって定期的に撮影を行い、辰吉の人間性やボクシングに対する考え、心境の変化などをフィルムに収めた。
司会者から挨拶を求められた辰吉は、照れくさそうな表情で 「どうも。辰吉です。以上!」と述べてマイクを置く。続いて阪本が「僕は監督デビューが1989年で、同じ年に辰吉くんがプロデビューしたんです。スポーツ雑誌の企画で辰吉くんを取材したことから、食事をしたり電話で話したりと付き合いが続いた。20年前に『BOXER JOE』の企画をいただいて、初めて彼に(ビデオ)カメラを向けた。インタビューはしたけど届かないモヤモヤと消化不良があって。スポンサーなしでもいいから改めて撮り始めたいなと思って、いつか作品にするという気持ちで続けていました」と制作の経緯を語る。
続いて、阪本は「劇映画の制作の合間に彼のもとへ行って言葉を引き出すということを続けて、鍛錬されました。辰吉家の皆さんともお付き合いがあって、豊かな20年でした。僕は東京では“監督”と神輿に担がれるけれど、辰吉くんの家に行くと何者でもなくなるというのがすごく気持ちよかった。だからこそ続いたし、辰吉くんでなければ、この面構えでなければ20年も撮ってきていないです。……いいですか?」と話し、辰吉の顔を覗き込む。すると辰吉は少し驚きながらも「よしとしましょう」と答えた。
さらに阪本は「(辰吉の)言葉の選び方や理論的なところがクレバーだと感じた。辰吉くんは華やかなボクサーではあるけれど、(映画から)彼の陰影、陰めいたものを感じてもらえるとうれしい。……いいですか?」と熱を込めて語ったあと、すかさず辰吉に話を振る。辰吉はまたも「よしとしましょう」と返し、取材陣を笑わせた。
20年を経て、阪本との関係性の変化について尋ねられた辰吉は「別に変わりはないですけど、一言で言うとしつこい。でも無視はできない。まあ、いい監督です」と答える。それを受けて阪本が「(辰吉は)公の場に出ると僕をいじるんですけど、2人きりだととても優しいんですよ。彼はいろんなことを教えてくれますし。さっきも元旦と元日は違うということを教わりました」と話すと、辰吉が笑いながら「なんのフォローや!」とツッコむ一幕も。
最後に、辰吉の現状や今後の方向性について質問が飛ぶと、辰吉は「いつも通り朝起きて走って、夜に練習して、腹が減ったらめしを食って。その生活を20年以上変わらず続けています。これからもボクシングは続けていきます。チャンピオンになるまで」と力強く答えた。
発表会後に行われた囲み取材には、辰吉と、第1部に出席した時代劇ドラマ「顔」の主演・松平健が参加した。初対面だという辰吉について、松平が「気迫というか圧力を感じますね。オーラがある!」とほほえむと、辰吉は「無理に言わなくても……。普通のおっさんです」と気恥ずかしそうな表情を見せる。また松平が辰吉にエールを送ろうとすると、辰吉は「ほんっとやめてください! お恥ずかしい……」と恐縮しきり。終始和やかな雰囲気の中、記者発表会は終了した。
「ジョーのあした-辰吉丈一郎との20年-」は、2月20日に大阪のシネ・リーブル梅田ほか大阪先行上映。2月27日より東京・テアトル新宿ほか全国で順次公開される。なお本作は動画配信サービスJ:COMオンデマンドにて、劇場公開と同日の2月20日より配信がスタートする。
※動画は現在非公開です。
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