富野由悠季、「ガンダム」トークイベントで「遺産となるような作品を作りたかった」

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機動戦士ガンダム35周年プロジェクト」として制作されたテレビアニメ「ガンダム Gのレコンギスタ」の上映が10月23日、東京・新宿ピカデリーにて実施された。あわせてトークショーが行われ、同作で総監督を務めた富野由悠季、メディアアーティストの落合陽一が登壇した。

富野由悠季

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作品に込めた思いを語る富野由悠季。

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第28回東京国際映画祭内の特集上映「ガンダムとその世界」の一環として開催された同トークショー。「ガンダム Gのレコンギスタ」を、CG技術が発達した中で手描きにこだわったアニメだと説明する富野は「20世紀が作り上げた1つの文化から、遺産となるような作品を作りたいと考えた」と思いを明かす。その言葉にガンダムファンを公言する落合は「僕、手描きアニメーションって大好きなんです。だってCGが全盛の時代で手描きアニメを作るってすごいパンクじゃないですか」と返し、富野の選択に賞賛を贈る。

笑顔で対談を行う富野由悠季(左)、落合陽一(右)。

笑顔で対談を行う富野由悠季(左)、落合陽一(右)。[拡大]

自身が総監督を務めたシリーズ第1作「機動戦士ガンダム」から登場し、「ガンダム Gのレコンギスタ」でも重要な役割を果たす架空の技術“ミノフスキー粒子”に話が及ぶと「この技術は通信網を遮断するというものですが、これはリアリティから考えたものではありません」と発言。「映画を作ると考えたときに、科学技術を使って地球の裏側にいる敵を倒してもドラマにならないので、取っ組み合いをしなくてはいけない。宇宙で取っ組み合いをするためには、通信を遮断する必要があった」と言葉を重ね「この技術のおかげでコンピュータが発達した現在においても、自然に取っ組み合いが描ける。愛し合うためには手が届くところで抱き合わなくてはいけない、という愛憎劇ができる」と自画自賛する。

「ガンダムとその世界」トークイベントの様子。左から富野由悠季、落合陽一。

「ガンダムとその世界」トークイベントの様子。左から富野由悠季、落合陽一。[拡大]

イベントでは「ガンダムが人型である理由」「人間の求心性」など多岐にわたる話題が展開。さらに「宇宙開発も含めて、地球上の資源が消失していく問題はどうなるかというのを、次の世代の人たちに本気で考えてほしいと思ったから、『Gレコ』を作った。10~15歳の子供たちに種まきをしたかった」と述べ、劇場の10代の観客に「頑張ってね!」と笑顔でエールを送った。

「ガンダムとその世界」では、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」「劇場版 機動戦士ガンダム00-A wakening of the Trailblazer-」「機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル」などを上映。なお第28回東京国際映画祭は、東京・六本木ヒルズほか周辺会場にて10月31日まで開催される。

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