本作は、長崎で助産師として暮らす伸子と、彼女の前にひょっこり現れた死んだはずの息子が過ごす日々を描いたファンタジー。伸子役を
山田は、2014年4月に東京芸術劇場で行われた坂本のコンサートに吉永とともに来場。坂本と親交のあった吉永が2人を引きあわせたことが今回のオファーにつながった。「母と暮せば」は、昨年より中咽頭がんのため療養中だった坂本にとっての復帰第1作となる。
レコーディング冒頭、「今の日本で、山田洋次さんと吉永小百合さんに何かを頼まれて断る勇気のある人はいないと思います(笑)」と挨拶し、東京フィルハーモニー交響楽団の笑いを誘う坂本。会場には山田も訪れ、楽団に向けて「この映画の音楽はどうしても坂本龍一さんにお願いしたかった」「長崎、広島の原爆の犠牲者を含めた戦争の犠牲者への鎮魂の思いを込めて、そんな気持ちでどうぞ皆さん演奏なさってください」と思いを語った。
「母と暮せば」は、12月12日より全国ロードショー。
レコーディング冒頭、オーケストラへ向けての挨拶
山田洋次
この映画は「母と暮せば」というタイトルです。
井上ひさしさんの「父と暮せば」という大変有名な戯曲を皆さんご存知だと思いますが、あれは広島の原爆でお父さんが死んで残された娘と亡霊になったお父さんとの会話という、面白くて不思議な、そして非常に深いドラマでしたけれども、その井上さんの原案をいただいて、「母と暮せば」を撮影したわけです。今度は、お母さんが長崎の原爆で生き残って、息子は原爆で死んでしまい、亡霊になってお母さんのところに現れるという物語です。もう撮影は終わりましたが、この映画の音楽はどうしても坂本龍一さんにお願いしたかった。吉永小百合さんと相談して、坂本さんにお願いして、こうして今日この日を迎えられたわけです。長崎、広島の原爆の犠牲者を含めた戦争の犠牲者への鎮魂の思いを込めて、そんな気持ちでどうぞ皆さん演奏なさってください。
坂本龍一
よろしくお願いします。長い1日になると思います。みなさんと一緒にやるのは1年と4カ月ぶりです。
さっきお話された山田監督と吉永小百合さんがお見えになって、この音楽を頼まれたのがちょうどツアー中でした。今の日本で、山田洋次さんと吉永小百合さんに何かを頼まれて断る勇気のある人はいないと思います(笑)。もちろん断るつもりはなかったですけど。ご一緒できて光栄です。
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「母と暮せば」音楽レコーディングにて、初タッグの山田洋次と坂本龍一が挨拶 http://t.co/bDtrbR4rvn #坂本龍一 http://t.co/MZOAFhkCw1