本日7月18日から東京・森アーツセンターギャラリーにて開催されている「
富野は「機動戦士ガンダム」が35年以上にわたって支持されている理由について、「『ガンダム』というお話は、実は“昔話”だったんですね。つまり、日本人の精神風土にすごくマッチした物語だった。例えば、兄妹でありながら敵と味方に分かれてしまうシャア・アズナブルとセイラ・マスの設定なんかがそうです。それから、アムロ・レイの内向的な側面も日本人が昔から持っているものです」と説明。「そうじゃなければこんな子供向けの作品が、40歳になっても50歳になっても(心に)引っかかるってことないでしょ」と、ニヤリと笑う。
そしてスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」を引き合いに出し、「あの映画は名作と言われているし僕もたまに観返すけども、クソ面白くない。(一般の観客は)誰が観るかあんなの(笑)。映画として、僕は傑作と思ってません」と“富野節”をさく裂させ笑いを誘う場面も。「『2001年宇宙の旅』のデザインワークとか物語論は極めてユニークだけど、ビジネスになるのかっていうと話が違ってくる。あの作品でこれだけの場所(「ガンダム展」会場)は埋められませんからね」と語る。
また、「映画には小さな映画と大きな映画があって、乱暴に言うと恋愛映画なんかは小さな映画。でも僕にはそういう作品は作れない。スペクタクルなら作れるけど、そういう大きな映画を表現するときに、やっぱり実写っていうのはかなりつらいなと。予算であるとか撮影する場所であるとか。それに、生身の役者に引っ張られるのも嫌なんです。実写はリアリズムというものに引っ張られてしまう。だからアニメのほうが僕の体質にはあってたんですね」とも。
「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」の押井守や、「ゴジラ」新作の総監督を務める庵野秀明など、アニメ業界のクリエイターが実写作品を手がけていることについて聞くと、「それについては一切ノーコメントです。うかつなことはしゃべれません(笑)。歳をとりましたんで勘弁してください」と笑った。
「機動戦士ガンダム展 THE ART OF GUNDAM」は9月27日まで開催。なおauの動画配信サービス・ビデオパスでは、このイベントの開催を記念して「機動戦士ガンダム」テレビシリーズを全話見放題で配信するキャンペーンを実施しているので、チェックしてみては。
機動戦士ガンダム展 THE ART OF GUNDAM
2015年7月18日(土)~9月27日(日)東京都 森アーツセンターギャラリー
開館時間 10:00~20:00 ※入館は19:00まで
前売り料金:一般・大学生 1800円 / 中高生 1300円 / 4歳~小学生 600円 / ペア券 3000円 / ファミリー券 2200円
当日料金:一般・大学生 2000円 / 中高生 1500円 / 4歳~小学生 800円 / アフターシックス 1500円
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