全国で上映されている「
本作は吉田秋生の同名コミックを原作とするヒューマンドラマ。3姉妹と異母妹がひとつ屋根の下で暮らすうちに絆を深めていくさまを、鎌倉の四季と共に丁寧に切り取っている。長女を
作品を観て、思わずなんでもないシーンで涙してしまったと明かすリリーは「何が起こるわけでもないのに、穏やかな空気が途切れずに最後まで続くのはすごい」と作品を讃える。そして鑑賞したばかりの観客に向かって「『いい映画観たなあ』っていうのと同時に、『エッチな映画観たなあ』って気分にもならない?」と質問。「四季の移り変わりを、長澤が肉体で表現している!」と力説するリリーに、是枝は意図的にそのように見せたことを説明する。「この作品には法事が3回出てくる。でも作品全体が死をめぐるエピソードに包まれてしまうと暗くなるので、対極となるモチーフを与えた」と述べ、「長女は女性性を封印してあの家を支えている。だから次女にエロスを担当してもらい、三女には食の部分を担ってもらった」と明かしてリリー含めて会場中を納得させた。
さらに是枝は衣装へのこだわりにも言及。衣装合わせの際、衣装デザインの伊藤佐智子に「4人が付けている下着を教えてください」と聞かれたというエピソードに、リリーも思わず身を乗り出す。「長女はベージュ系かなとか、三女はスポーツ系の下着かなとか。そこから季節ごとの衣装を組み合わせていった」と話す是枝に、リリーは「すずにはお腹が冷えないパンツを履いていてほしいなあ」と目を細めた。
また、撮影にあたって広瀬には台本を与えなかったことも是枝の口から明らかに。オーディションで「台本あり」「口頭による演出」「即興」の3パターンが課された中、広瀬はどれもこなしてみせ、さらに広瀬自ら「他の現場で経験できないから、台本なしでやりたい」と是枝に伝えたという。「仕向けといて言うのもなんですが、物怖じせずにやりきってくれました」と是枝が広瀬を評価すると、対するリリーは「3人の姉たちも、すずをあぶり出すような芝居でしたね」と作品を振り返る。最後に続編を切望するリリーがスタッフを問い詰めて困惑させるくだりもありつつ、作品の余韻と共にイベントは幕を閉じた。
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