本日6月6日、東京・新宿ピカデリーにて「
舞台挨拶に登壇したのは、主人公の園田宏を演じた
野田は集まった観客に向かって「来てくれてありがとうございます。この日が来たことを心からうれしく思います。自分の人生にとって、かけがえのない体験をさせてもらった共演者、スタッフに感謝しています。今日は本当に幸せいっぱいです」と感慨深そうに口にし、杉咲は「みんなの顔を見てると泣きそうです」とこみ上げる思いを抑えながら「松永さんは本当に素晴らしい監督でした。松永さんと出会えただけでも大きな財産です」と涙ぐみながら語る。また野田について、「ちょっと生意気で申し訳ないんですけど、ホントにホントにがんばってたんです。だからスタッフみんな洋次郎さんのことが大好きだったし、ピエタのチームは素晴らしかったので、こうして皆さんのもとに作品が届いたんだと思います」と語る。松永監督は「さんざん杉咲に怖い怖いって言われてたら、最後にこんな言葉をもらって涙ぐんでしまいました。ホントにここに立っている3人含め、キャスト、スタッフが一生懸命作りました」と映画に対する思いを明かした。
司会者に撮影中のエピソードについてたずねられた野田は、「監督の指導が厳しいんですよ。撮影までの半年にわたって、家のありとあらゆる窓を拭いてましたね。僕も凝り性なのでやっていく中で宏に近付けた気がして。そういう狙いだったのかな」と、宏が窓拭きのバイトをしていることからその練習を監督に求められたことを語る。その言葉に松永監督は「窓拭きができれば、洋次郎は完璧だと思ってた。撮影のときには仕草が体になじんでいましたね。万が一職を失っても窓拭きになれるよ!」と野田に声をかけ、野田に「ありがとうございます!」と返されていた。
また、杉咲が金魚を放ったプールで泳ぐシーンを司会者が褒めると、杉咲は「現場に入る1カ月前からプールには通っていたんですけど、泳ぐ練習はしてなくて。でも小さいとき人魚になりたかったんですよ。だからですかね?」と答えた。さらに彼女はプールでの撮影中に、野田が落ち葉拾いの裏方仕事を黙々とこなしていたことを明かす。落ち葉で水面が汚れないようにという野田の配慮だったが、彼女は「でも『金魚だ』と思ってそちらに向かって泳いで行ったら、落ち葉だったんです。だからちょっと拾い忘れてましたよ」と指摘。すると野田は、「この期におよんでそれ言わなくてもいいでしょ! ぶっ込んでくるなあ。撮影から1年後に落ち葉の苦情をもらいました(笑)。すいませんね、がんばって泳いでいた中で」と謝罪した。
そして司会者から作品のストーリーに絡めて「主人公の2人のような、“魂が震えるような出会い”を経験したことはありますか?」という質問が寄せられると、野田は「1番はバンドのメンバーとの出会いですね。3人と出会えたのは奇跡だと思う」と述べ、杉咲は「母ですかね。母がいなかったらここに私はいないので」と回答。松永監督は「この映画自体、存在自体がそうだと思っていて。この映画をやりたいと思ったときに、野田洋次郎という人と出会って……」と答えた。
最後は野田が観客に向かって、「今日は観ていただいた方の顔を見られて幸せです。この作品で、あなたの明日からがちょっとでも変わればいいなと思います」と語りかける。そして「監督はあなたの力になるような作品をこれからも作り続けていくと思うし、杉咲花は日本を背負って立つような女優になっていくと思う。僕も負けないように、音楽で伝え続けたいなと思います」と宣言し、杉咲と松永監督とともに拍手を浴びながら舞台を降りた。
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野田洋次郎の映画作品
リンク
- 映画『トイレのピエタ』公式サイト|2015.6.6 ROADSHOW
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