カンヌ国際映画祭プレイバック、陰の主役はジョン・C・ライリー

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南仏のリゾート地カンヌで5月13日から24日まで12日間にわたって開かれていたカンヌ国際映画祭が閉幕した。

カンヌ国際映画祭閉会式でのジョン・C・ライリー。(写真提供:DOMINIQUE JACOVIDES / BESTIMAGE / ゼータ イメージ)

カンヌ国際映画祭閉会式でのジョン・C・ライリー。(写真提供:DOMINIQUE JACOVIDES / BESTIMAGE / ゼータ イメージ)

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「The Lobster(原題)」場面写真。左からジョン・C・ライリー、ベン・ウィショー、コリン・ファレル。

「The Lobster(原題)」場面写真。左からジョン・C・ライリー、ベン・ウィショー、コリン・ファレル。[拡大]

映画祭のハイライトである授賞式では15分間の「Best of 2015 Festival de Cannes」が上映され、各賞のプレゼンターが歌を披露するなど、アカデミー賞のようなショーアップが行われた。受賞結果からは、一見国際色豊かに見えながらもフランス勢が圧倒的強さを発揮したことがわかる。審査員を囲んだ記者会見では、「評判のよかった3本のイタリア映画が無冠なのはなぜ?」という質問が出た。それに対し、ロキア・トラオレは「世界各国の映画が出品されているけれど、全作品に均等に賞を授けるわけにはいかない。選ばなくてはいけなかったの」と説明した。

ホウ・シャオシェンが監督賞に輝いた「黒衣の刺客」場面写真。(c)光點影業股份有限公司 銀都機構有限公司 中影國際股份有限公司

ホウ・シャオシェンが監督賞に輝いた「黒衣の刺客」場面写真。(c)光點影業股份有限公司 銀都機構有限公司 中影國際股份有限公司[拡大]

また、中国のメディアからは「『黒衣の刺客』がパルムドールを取れなかったのはストーリーがわかりづらかったからか、それとも文化の壁か」という質問が寄せられ、審査員長のジョエル・コーエンは「どちらも違う。審査員はこの作品をとても気に入っており、特に演出が素晴らしいと感じたからホウ・シャオシェンに監督賞を贈ったんだ」と答えた。その横からジェイク・ギレンホールは「監督賞はいい賞だよ!」と慰めていた。

グランプリに輝いたネメシュ・ラースロー監督作「Son of Saul(英題)」場面写真。

グランプリに輝いたネメシュ・ラースロー監督作「Son of Saul(英題)」場面写真。[拡大]

カンヌ史上最年少の審査員であるグザヴィエ・ドランは「映画祭の序盤に上映された『Son of Saul(英題)』を観たあと、僕らは長い間沈黙した。映画祭の間中この映画が頭のどこかにあり、何かに反応するたびに『Son of Saul』について話しあった。映画がだんだんと自分の中で育っていくのを感じていた」と告白する。

だが、12日間の映画祭を通して人々の脳裏に残り続けたのは、ジョン・C・ライリーの顔かもしれない。コンペ部門の「The Lobster(原題)」、イタリアのマッテオ・ガローネの「Tale of Tales(英題)」、そして監督週間にはトーマス・ビドゲインの「Les Cowboys(原題)」と出演作が多数出品されており、そこら中にライリーの顔があふれた。極め付きは閉会式で、カメラドールのプレゼンターとして登壇し、バンドを伴い自作の歌詞で「Just a Gigolo」を熱唱。「誰も俺を見てくれない 誰も俺のことを話題にしない カンヌは俺抜きで進んで行く……」と歌い、会場を埋めた関係者を微妙な面持ちにした。ちなみに閉会式が行われた5月24日はライリーの50歳の誕生日で、司会者からとってつけたように「ハッピーバースデー」と言われてライリーの熱い12日間は幕を閉じた。

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