「オーバー・フェンス」は、佐藤が小説を書くことをあきらめかけ、故郷函館の職業訓練校で過ごした日々をもとに執筆したもので、彼にとって最後の芥川賞候補作品となった。小説は短編集「黄金の服」に収載されている。なお佐藤が執筆した「
脚本は「そこのみにて光輝く」の脚本を手がけた高田亮、撮影は山下と「
函館の短い新緑の季節を舞台に、“幸せの意味を知らない男”と“鳥になりたいと願う女”が紡ぐ大人のラブストーリーを山下がどのように描くのか。クランクインは初夏の予定で、キャスティングは追って発表される。
山下敦弘監督 コメント
作家、佐藤泰志の「オーバー・フェンス」を映画化する。映画は空っぽになってしまった一人の男と求愛し続ける女の話でもあるし、函館の職業訓練校に生きる無職の男たちの話でもあるし、もしかしたら若くして死んでしまった佐藤泰志自身の話になるのかもしれない…というか“話”に固執せず、その瞬間を生きている人間たちの映画にしたいと思う。そうすれば自ずと僕自身の話になるし、観ているあなたの話になっていくのではないかと思う。「オーバー・フェンス」というタイトルが示す通り見えないけどそこにある何かを越えていく映画にしたい。
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