カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されている
記者会見には、
口火を切るように質問された小津安二郎の影響について、是枝は「ヨーロッパに映画を持ってくると褒め言葉として小津の孫のようだと言ってもらうことが多いが、いつもこそばゆい気持ちでいた。原作にたたえられている世界観は人間ドラマというよりは、もっと広い視野で人間を取り巻く時間が積み重なっている感じで、そこが小津映画らしいと思った。小津の作品は参考として観たが、この映画を撮り終えた後に小津映画を少し身近なものに感じられるようになった」と述べた。
台湾の記者からは、コンペティション部門に「黒衣の刺客」を出品しているホウ・シャオシェンについて「かつて是枝監督はホウ・シャオシェンのことを父のような存在だと言っていたが、今年はコンペティションで戦う者同士。そのことについてどう思うか?」という質問が寄せられた。是枝は「映画監督になる前にホウ・シャオシェンについてのドキュメンタリーを作り、今でも一番尊敬している監督の1人。僕は誰かの助監督を長く務めたことがないので、彼を父親のように慕っている。そんな彼と同じコンペティションの場所にいられるのは、20年間映画を作ってきてとても感慨深い」と答えた。
フランスのジャーナリストからは、「過去の作品に比べて音楽が多く使われている。商業的な映画にしようという試みがあったのか?」との質問が。それに対して是枝は「特に商業的な映画にしようという意識があったわけではないが、4姉妹、そして四季を描くときにまず弦楽四重奏を思い浮かべた。4人を淡い光で撮ることを心掛けたが、4人が幸せそうにシラス丼を食べていても、すずだけ暗い顔をしていたり、どこか影がさしている。映画の中で起きる出来事が過去になり、印象が書き換えられていくような時間の流れを意識した。時間が直線で進むのではなく、反復しながら出来事の見え方が変わっていくところを描きたかった」と答えた。
なお、カンヌ映画祭の公式Twitterでは「海街diary」を「UNIMACHI DIARY(OUR LITTLE SISTER)」と発信し続けている。先日更新された是枝のオフィシャルサイトでも、是枝自身が「UNIMACHI DIARY」になっていることを指摘し、「ウニ街。おいしそうな名前」と書いている。
是枝裕和監督 コメント
カンヌに来るたびに、映画という100年以上続いてきた文化の中に身を置き、自分が次何に向かうかを考える素敵な場所だと思っている。4人と一緒にここに来られたことを誇りに思い、世界の方々がどんな思いを持ち帰ってくれるのかを楽しみにしています。
綾瀬はるか コメント
古き良き日本の暮らし、そこに生きる人たちの強さ、美しさ、移り変わる日本の四季の美しさを観てほしいです。
長澤まさみ コメント
女性の美しさが描かれている作品です。監督が女性に対して愛情と尊敬を持っていてくれるところを感じ、女性のすごさを感じた。そんなところを観てほしいです。
夏帆 コメント
鎌倉の移り変わる四季の美しさと四姉妹を中心とした物語を監督が丁寧に描いているので、世界の観客にどう伝わるのか楽しみです。
広瀬すず コメント
日本の四季や、その中で4姉妹が強く生きていくように感じるものがありました。それを皆さんにも観てもらえるのを、ドキドキしながら楽しみにしています。
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