北野武監督、演出放棄？「ベテランの皆さんに私が演技をつける必要ないんで」

本日4月25日、東京・新宿ピカデリーにて「龍三と七人の子分たち」の舞台挨拶が行われ、藤竜也、近藤正臣、中尾彬、安田顕、北野武監督が登壇した。

「龍三と七人の子分たち」は、北野監督が平均年齢73歳のベテラン俳優を迎えて贈るエンタテインメント。オレオレ詐欺に引っかかった元ヤクザの組長、龍三が昔の仲間を呼び寄せ“ジジイ”8人で世直しに立ち上がる姿をコミカルに描いている。

龍三を演じた藤は挨拶に立つと「こうして満席のお客様の前でご挨拶をするというのは大変幸せでございます。このまま全国的にお客様が入れば俳優たちにボーナスが出るかもしれませんので、お仲間にこの映画を推薦していただけたらと思います」と話した。

撮影中に交わした会話について「年金、病気とかそんな話ばかり。芝居の話なんかしたことない」と中尾が語れば、近藤が「だってないんだもん、芝居なんて」と応じる。北野監督はこのやりとりに「皆さんベテランですから、私が演技をつける必要はないんで」と事情を説明していた。登壇者の中で最年少であり、龍三たちと敵対する京浜連合のボスを演じた安田は、「自分が先輩方と同じぐらいの年齢になったら、“健康のためなら死んでもいい”みたいなジジイになりたいと思います」と答えて笑いを誘った。

最後は、“ジジイ”たちをまとめて本作を作り上げた北野監督がキャスト陣の出演快諾に感謝の念を述べ、「日本の役者はやっぱりうまいです。普段お笑いをやってない人がこれだけ笑いを取れるんだから大したもんです」と話してイベントは終了した。