ゲルマン監督の遺作「神々のたそがれ」、泥だらけの世界を町田康と中原昌也が語る

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3月28日、ロシアの巨匠アレクセイ・ゲルマン監督の遺作「神々のたそがれ」のトークショーが東京・ユーロスペースにて開催され、共に作家でミュージシャンの町田康中原昌也が登壇した。

「神々のたそがれ」の公開を記念して開催されたトークショーの様子。左から町田康、中原昌也。

「神々のたそがれ」の公開を記念して開催されたトークショーの様子。左から町田康、中原昌也。

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「神々のたそがれ」を自身の小説に触れながら語った町田康。

「神々のたそがれ」を自身の小説に触れながら語った町田康。[拡大]

「神々のたそがれ」はゲルマン監督が2013年に亡くなった後も制作が続けられ、完成までに15年を費やしたSF映画。地球より800年ほど発展が遅れている別の惑星を舞台に、地球から派遣された調査団の一員ドン・ルマータが、神のような存在として崇められながらも政治介入は許されず、権力者たちによる蛮行をただ傍観する姿が描かれる。

ミュージシャンとしても活動し「神々のたそがれ」の音源からCDを作成した中原昌也。

ミュージシャンとしても活動し「神々のたそがれ」の音源からCDを作成した中原昌也。[拡大]

2回続けて鑑賞しても、まったく退屈しなかったという町田は「何をやっても決定的にうまくいかない感じが素晴らしい。しんどいとか汚いとかいう人もいると思うが、僕はその世界が面白かった」とコメント。同じく2回鑑賞したと述べる中原は「よくわからない酔っ払った先輩に引き回されている錯覚に陥った」と独特な表現で作品を評した。

「神々のたそがれ」のワンシーン。

「神々のたそがれ」のワンシーン。[拡大]

また中原は、話の筋を説明する描写がほとんどない点について「住民たちの行動は理解できないものが多く、明確な物語がないように見える。でもその感じに心が躍った」と振り返る。すると町田も、惑星の住民が太鼓を叩くシーンに触れ「意味不明なことをやっているのがいちいち面白い。しかも曲にすらなっていない」と冗談を交えて同調し、会場の笑いを誘う一幕も。

共に小説家ということもあり、ストルガツキー兄弟の原作小説「神様はつらい」にも話が及んだ同イベント。原作小説は「町田さんの小説に似ている」と中原が述べると、町田からは「行動に首尾一貫性がない映画の世界は、中原さんの小説に近い」と返し、互いの作品についても言葉を交わした。

「神々のたそがれ」はユーロスペースにて公開中。その後、全国で順次公開される。

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読者の反応

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永吉直之 @naga_nao

5/23からです。今しばらくのお待ちを。 RT @justiceVice: 早く観たいな
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