天守物語
テンシュモノガタリ
上映時間:105分 / 製作:1995年(日本) / 配給:松竹=エイチ・アイ・ティー
解説 これまで何度も舞台で演じてきた得意の演目を取り上げた、坂東玉三郎の監督第3作。1994年の舞台版とほぼ同様のキャストと構成で、泉鏡花の幻想的な世界に迫っている。“白鷺城”と呼ばれる城の天守に魔物たちと暮らしている主人・富姫。下界を見下ろしながら優雅な毎日を送る彼女の許に、逃げた鷹を追って若侍、図書之介が迷い込んできた。彼の真摯な態度に好感を持った富姫は、二度三度と来訪を受けるうちに人間界に帰したくなくなり……。映画ならではのシークエンスを随所に織り込みながら、この世のものとは思えぬ恋模様を端整に映像化。グロテスクな描写にすら高貴さが漂い、まるでダニエル・シュミットの映画のような特異な時間感覚で全編をコーディネートしていく。玉三郎が「外科室」「夢の女」で試みてきた手法の数々が見事に結実した1本である。
スタッフ |
監督:坂東玉三郎 |
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キャスト |