人間(1962年)
ニンゲン
製作:1962年(日本) / 配給:近代映画協会
解説 真夏。船長の亀五郎、船頭の八蔵、海女の五郎助ら4人を乗せて小さな荷役船・海神丸は船出した。たった2日の旅には十分の食料を積んで。しかし海神丸は、嵐に巻き込まれ、難破。太陽が照りつけるなか、あてもない漂流生活が始まる。やがて水は底をつき、乗組員たちは、自分の命を守るため互いに敵意を抱き、果ては精神に異常をきたしはじめるのだった……。野上弥生子の『海神丸』を新藤兼人が脚色、監督した人間ドラマの秀作。食料はおろか水までも失ってしまった難破船という極限状態のなかで、次第に狂い始めていく人間たちの姿を新藤兼人は冷徹な視点で淡々と描写、息づまる作品に仕上げている。
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