ゴダールの決別
ゴダールノケツベツ
HELAS POUR MOI!
製作:1993年(仏=スイス) / 配給:洋画マイナー
解説 ゴダールが、ギリシャ神話に材を採ったJ・ジロドーの戯曲『アンフィトリオン』を自由に翻案し、G・ドパルデューを主演に据えて撮った宗教的な色彩の濃い一編。スイス、レマン湖のほとりに暮らす、ごく普通の夫婦シモンとラシェル。しかし、シモンはある日、自らが神であると言い、ラシェルの肉体を強引に奪う……。物語の話者としてアブラム・クリムトという探偵を登場させ、5つの断章によって物語を重層的にしたゴダールは、音そのものをも多層化させる。まるで映像と音の一大ポリフォニーと呼び得るかのような空間を創出し、そこに神と人間との葛藤を描き出す。「新ドイツ零年」(1991)以降のゴダールの方向性が、ここに明らかとなっているかのようだ。
スタッフ |
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キャスト |