東京暮色
トウキョウボショク
上映時間:140分 / 製作:1957年(日本) / 配給:松竹=松竹大船
解説 二人の娘を残したまま、母親が愛人と家出をしてしまった一家の物語で、戦後期の小津のフィルモグラフィーでは例外的に暗く、陰うつな雰囲気に包まれた異色の作品といえるだろう。しっかり者の姉、つまらぬボーイフレンドに妊娠させられ事故死する妹、妻に逃げられながら態度がはっきりしない父親、変転の果てに、ひっそりと麻雀荘を営む母親。小津監督は、それぞれのもの言わぬ肩や背中に生きることの悲哀をずっしりと感じさせ、寂漠の人生模様を甘い感傷に溺れることなく、見事に織り上げてみせた。とりわけ、母親と娘の再度の別れのシークエンスが激しく胸を打つ。
スタッフ |
監督:小津安二郎 |
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キャスト |