晩春
バンシュン
上映時間:108分 / 製作:1949年(日本) / 配給:松竹=松竹大船
解説 小津安二郎といえば、父と娘、あるいは母と娘など、平凡な家庭の日常を淡々と描いた作風で知られた作家だが、実はそういう家族劇は後期、脚本家の野田高梧と組んだ頃のものであり、初期にはギャング映画やコメディなど様々なジャンルを手掛けていた。そんな後期の小津スタイルが確立されたのがこの「晩春」である。北鎌倉に住む大学教授は、婚期を逃がしかけている娘を結婚させようとする。父を一人にはしたくないと、娘は結婚に乗り気ではないが、父は寂しさをこらえて娘を嫁がせるのだった……。父娘二人が、最後に水入らずで枕を並べて過ごす夜のシーンは特に有名で、壷の空ショットが挿入されることから“壷のシーン”として多くの評論家にとり上げられ、研究されてきた。余計なセリフや感情表現を用いず、その場の空気ですべてを語ってしまう小津演出の真髄がここにある。
スタッフ |
監督:小津安二郎 |
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キャスト |