流れる
ナガレル
上映時間:117分 / 製作:1956年(日本) / 配給:東宝
解説 幸田文の同名小説を映画化した成瀬巳喜男監督の名作。「めし」「晩菊」の名コンビ、田中澄江と井手俊郎が脚色を担当、東京の下町にある芸者置屋を舞台に、住み込みの女中の目を通して花柳界に生きる女たちの姿を描いている。出演は、18年振りに復帰した日本映画草創期の大スター・栗島すみ子をはじめ、女中役の田中絹代、女将の山田五十鈴とその娘・高峰秀子、そして芸者を演じる杉村春子、岡田茉莉子、中北千枝子とまさにそうそうたる顔ぶれ。こうした大女優の競演に際し、成瀬の演出は、派手で大仰な芝居よりはむしろ抑えた演技を要求しており、それにより各人の持ち味が十二分に引き出されて緊張感を高めている。衣装や小道具にも細かい配慮がなされ、女優たちの魅力と相まって実に印象深い。女優の芸と個性がぶつかり合い絡み合った、白粉の匂いにむせかえるような、まさしく女の世界である。
スタッフ |
監督:成瀬巳喜男 |
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キャスト |