沓掛時次郎・遊侠一匹
クツカケトキジロウユウキョウイッピキ
上映時間:91分 / 製作:1966年(日本) / 配給:東映=東映京都
解説 戦後の股旅映画の最高傑作といえる作品。一宿一飯の恩義のために斬った男の女房と子供を連れて故郷の沓掛村に向かった時次郎が、ヤクザ渡世の掟の愚かさを知りつつ、瀕死の重病にかかった男の女房のために再びドスを握り、戦いの中に自ら飛び込んでいく。ヤクザの世界の非情さが時次郎の目を通して描かれていて、朝吉という一本気なヤクザが手柄を立てようとして逆に惨殺されてしまう場面は強烈な印象を残す。怒った時次郎が相手を次々に切り殺すところにも、加藤監督の怒りに満ちたまなざしを感じずにはいられない。時次郎役の中村錦之助は絶妙の名演で、殺した男の女房に惚れながらも自分の気持ちを押さえつけるところは、宿屋の女将に心中を語る名場面に見事に結実されている。また池内淳子も好演し、時次郎の想いを受け止めながらも、惚れていけない人と自ら言い聞かせて姿を隠すところなど涙を流さずにはいられない。男と女の大恋愛映画としても心を打つ。
スタッフ |
監督:加藤泰 |
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キャスト |