月刊おもしろ映画宣伝2024年5月号

ビニールタッキーの「月刊おもしろ映画宣伝」 2024年5月号 [バックナンバー]

この映画をみんなで盛り上げて行こうぜ!という愛とアゲ感

やはり大事なのはONE LOVE

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映画会社は、日々工夫をこらし、作品の魅力をPRしようと努力している。時には評論家や俳優が真面目に作品の魅力を語り、時には他ジャンルとコラボし客層の拡大を図り、時にはダジャレやこじつけでSNSでのバズりを狙い……。そんな施策を日々ウォッチしている“映画宣伝ウォッチャー”ビニールタッキーが、前月気になった映画の記事についてコメントする連載が、「月刊おもしろ映画宣伝」だ。

2024年5月、ビニールタッキーが気になったのは「ボブ・マーリー:ONE LOVE」「マッドマックス:フュリオサ」「バッドボーイズ RIDE OR DIE」などに関する宣伝。記事末ではMVP(モスト・ヴァリュアブル・プロモーション)も発表している。

/ ビニールタッキー

「ゴジラxコング 新たなる帝国」「劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』」

「月刊おもしろ映画宣伝」5月号をお届けします。「おもしろ映画宣伝」とは、海外の映画を日本で宣伝する際に発生する面白いPRイベントや不思議なコラボなどの案件をまとめて総称するために私が勝手に名付けた名前です。このコラムはその月にあったおもしろ映画宣伝をピックアップする連載コラムです。今月もご紹介していきましょう!

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今月も来ました「ゴジラxコング」! 今回は劇場版「ウマ娘」とのコラボということでビジュアルの迫力がすごい! 「ゴジラxコング」と言えば2匹が全力疾走するシーンが話題となりましたが、その衝撃のビジュアルが「ウマ娘」につながるとは! もしかしてこのコラボのためにゴジラとコングは走ったのでは!?と思ってしまうくらいピッタリとハマっています。コラボムービーも最高なのでぜひご覧ください。

「ゴジラxコング 新たなる帝国」×「劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』」コラボムービー

「ツイスターズ」

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人類 VS 竜巻の戦いを描く映画「ツイスターズ」の予告編が公開。そのナレーションは森川智之さん! 森川さんと言えばトム・クルーズの吹替でもおなじみです。そして「ツイスターズ」にはグレン・パウエルが出演……わかりますか? つまり「トップガン マーヴェリック」で師弟関係であったマーヴェリック(トム・クルーズ)とハングマン(グレン・パウエル)という構図になっているのです。そう踏まえるとまるでマーヴェリックがハングマンを見守っているような雰囲気に! こういう技アリなチョイス、たまりませんね。

映画「ツイスターズ」予告編

「ザ・ウォッチャーズ」

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さらに本作の監視やのぞき見といったテーマにちなみ、ナレーションブース内でこがけんが監視される特別ドッキリ映像もあわせて公開。収録を終えてからブースに閉じ込められたこがけんは、自分を監視する多くのスタッフに向けて、「ザ・ウォッチャーズ」仕様の“細かすぎて伝わらないモノマネ”を披露する。

こがけんさんの雰囲気たっぷりのナレーションも素晴らしいのですが、収録ブースに閉じ込められたこがけんさんが必死にモノマネを披露する(そして真顔で監視される)特別ドッキリ映像に笑ってしまいました。不特定多数に監視(ウォッチ)されることの嫌な感じも伝わりますし、普段裏方仕事であるスタッフの皆さんの楽しそうな雰囲気もよかったです。

映画「ザ・ウォッチャーズ」特別予告

映画「ザ・ウォッチャーズ」こがけんドッキリ映像

「ボブ・マーリー:ONE LOVE」

イベントレポート
映画「ボブ・マーリー:ONE LOVE」のジャパンプレミアが本日5月14日に東京・東京ミッドタウン日比谷で開催され、主演のキングズリー・ベン=アディル、監督のレイナルド・マーカス・グリーン、プロデューサーのジギー・マーリー、駐日ジャマイカ大使のショーナ・ケイ・リチャーズ、スペシャルアンバサダーの高岡早紀松尾駿チョコレートプラネット)が登壇した。

ありがたいことに実はこのジャパンプレミアに参加させていただいたのですが、スター来日イベントによくあるピリっとした緊張感はなく、全体的にゆるっとした優しい雰囲気だったのが印象的でした。来日したお三方の仲良しな雰囲気もよかったですし、日本側のゲストの高岡早紀さん、松尾駿さんもリラックスして楽しそうな感じでした。記事を読んでもわかる通りまさにラブ&ピースなイベントでした。

イベントレポート
「ボブ・マーリー:ONE LOVE」の映画公開記念イベント「レゲエを知ると、100倍楽しめる前夜祭 ONE LOVE REGGAE JAPAN」が5月15日に東京・MIYASHITA PARKで開催。主演のキングズリー・ベン=アディル、監督のレイナルド・マーカス・グリーン、プロデューサーのジギー・マーリーが出席した。

なんと渋谷のMIYASHITA PARKで参加無料の前夜祭が開催され、アーティスト・DJのライブがあり、しかも来日中の3人も登壇するというぜいたくっぷり。めちゃ太っ腹ですね! まさに音楽、さらに言えばレゲエがテーマのこの映画だからこそできたイベントだと思いました。

イベントレポート
現在公開中の映画「ボブ・マーリー:ONE LOVE」の発声可能上映イベント「バイブスぶち上げナイト!」が、本日5月30日に東京・TOHOシネマズ新宿で開催。ゲストとしてHAN-KUN湘南乃風)、松尾駿(チョコレートプラネット)、こがけんが登場した。

すっかり定着した発声可能上映イベント。映画公開後にもこういった楽しいイベントが開催され、ゲストも登壇するということがシンプルにうれしいですね。プレミアイベントに参加した松尾さん、前夜祭に参加したHAN-KUNがその時の思い出を振り返るというイベント内容も面白いと感じました。そしてここにもこがけんさんがいる!

「猿の惑星/キングダム」

イベントレポート

猿の惑星/キングダム」の来日イベントでは監督・プロデューサーの目の前でセリフを生披露するという一幕があったのですが、プロキシマス・シーザー役の竹内力さんが身振り手振りを交えて完璧な声演技を披露し「パーフェクトキャスティング!」と感謝されたという話が最高でした。

さらに来日ゲストへのプレゼントとして、「災いが去る(サル)」として知られる福岡の工芸品・今宿人形が贈呈されることに。そして、劇中キャラをかたどった今宿人形を手渡されると、ボールは「ビューティフル! 書斎の壁に飾ります」とにっこり。

こういう映画にちなんだ日本伝統の工芸品をプレゼントするのも大好きです。

イベントレポート

鏡開きいただきましたー! 竹内力さんがいると場が締まりますね。公開後の舞台挨拶ということで吹替を担当した皆さんがもらった感想エピソードを披露してくれて楽しいです。完全に棚ぼたで参加できたサルゴリラの2人も楽しそうで何よりです。

「マッドマックス:フュリオサ」

イベントレポート

ついに来ました「マッドマックス:フュリオサ」の宣伝! Mattさんが期間限定でMatt Maxと改名してまで臨んだ宣伝はバイきんぐ小峠さん、錦鯉長谷川さんのウォーボーイズメイクを監修するというもの。正直名前がちなんでるだけでオファーしたと思っていたので、そう来たか!とひざを打ちました。

イベントレポート

宣伝アンバサダーのなかやまきんに君がオーストラリアプレミアに参加して監督・俳優陣に直撃インタビューするというすごい企画! しかし海外経験のあるきんに君なら大丈夫という異様な安心感があります。得意分野である筋肉話メインでインタビューしてるのもいいですし、普段通りのタンクトップスタイルに悪役のディメンタス将軍をイメージしてクマのぬいぐるみを腰に着けていたシンプルだけど伝わりやすいリスペクトは大事ですね。

イベントレポート
映画「マッドマックス:フュリオサ」の公開を記念した特別展示「マッドワールドV8展」のオープニングイベントが本日5月29日に東京・SHIBUYA TSUTAYAで実施。お笑い芸人のなかやまきんに君、ヒコロヒーが参加した。

渋谷の展示会のオープニングイベントにきんに君とヒコロヒーさんが参加。インターセプターで会場に乗り付けるという派手な演出がすごい! ここでもきんに君がオーストラリアプレミアの思い出を振り返っていて興味深いです。あとヒコロヒーさんの革ジャンが似合いすぎていて最高です。

イベントレポート

フュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)の日本語吹替を担当したファイルーズあいさんが試写イベントに登壇。フュリオサのセリフが少ないためアプローチを変えたりして1つひとつに魂を込めたという話や本気の公開アフレコなど見どころたっぷりのイベントです。「マッドマックス:フュリオサ」は女性主人公の復讐の物語であるため、女性のコメントをもっと聞きたいと思っていたのでこのイベントは個人的にうれしかったです。

そして最後は私が勝手に決める今月のMVP(モスト・ヴァリュアブル・プロモーション)。今回はこちらです!

「バッドボーイズ RIDE OR DIE」「帰ってきた あぶない刑事」

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マイアミ市警のベテラン刑事コンビのマイク&マーカスが大暴れする「バッドボーイズ」シリーズと、神奈川・横浜を舞台にタカ&ユージのコンビが活躍する「あぶない刑事」シリーズ。それぞれの最新作の公開を記念し、“日米あぶない刑事祭り”と題したコラボが実現した。
ウィル・スミスとマーティン・ローレンス、そして舘ひろしと柴田恭兵が登場する映像には、「あのBADであぶないコンビが帰ってくる」というナレーションも。コラボ映像のフル尺版は5月24日から6月20日にかけて一部の映画館で上映される。

いやー素晴らしい。まさに発想の勝利という感じのPRです。このコラボを発案し、それが実現できたことに拍手を送りたいです。お互い「ベテラン」で「刑事(タカとユージの2人は退職して探偵)」で「あぶない」コンビであり、タイトルの「バッド」と「あぶない」のニュアンスも似ていて今までコラボがなかったことが不思議に感じるほどのシンクロっぷりです。さらに言うとお互い息の長いシリーズであり、俳優さんの加齢がそのまま映画の味わいに反映されているという共通点もあり、素直にこの2作品が作られたことを祝福したくなる宣伝でした。コラボ映像が本当に最高なのでぜひご覧ください。

日米あぶない刑事祭り「バッドボーイズ RIDE OR DIE」「帰ってきた あぶない刑事」コラボ映像

今月は喜びに満ちた宣伝が多かった印象です。「ボブ・マーリー:ONE LOVE」の来日イベントや前夜祭、「猿の惑星/キングダム」の来日イベントと鏡開き、「マッドマックス:フュリオサ」のきんに君の直撃インタビューや各種イベント、そして「日米あぶない刑事祭り」! 楽しみにしていた映画がついに公開される喜びと、この映画をみんなで盛り上げて行こうぜ!というアゲ感を感じてとても幸せを感じる月でした。やはり愛が大事、大事なのはONE LOVEだと感じました。

以上、月刊おもしろ映画宣伝2024年5月号でした。次回もお楽しみに!

ビニールタッキー

ビニールタッキー

ビニールタッキー

映画宣伝ウォッチャー。ブログ「第9惑星ビニル」の管理人。海外の映画が日本で公開される際に発生する“おもしろ宣伝”を観察・収集する。トークイベント「この映画宣伝がすごい!」を毎年開催。

ビニールタッキー (@vinyl_tackey) | X
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ビニールタッキー @vinyl_tackey

映画ナタリーさんでの月一連載コラムが更新されました。ぜひご覧下さい!5月もすごかったよ!

この映画をみんなで盛り上げて行こうぜ!という愛とアゲ感 | ビニールタッキーの「月刊おもしろ映画宣伝」 2024年5月号 https://t.co/tlEObwjwxc

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