左から戸松遥、サメ映画ルーキー。

サメが好きだと叫びたい!“サメ映画学会員”戸松遥、会長との対談で愛を語る

戸松遥(声優・サメ映画学会会員)×サメ映画ルーキー(バイヤー・サメ映画学会会長)

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サメは臆病で繊細な生き物なんです(戸松)

──サメに怯えていた幼少期を経て、戸松さんは現在、生き物としてのサメもお好きなんですよね。

戸松 はい。今ではリスペクトしています。

ルーキー 生き物として?

戸松 そうなんですよ。サメって種類にもよるんですけど、メスのおなかの中で卵が作られたときに最初に孵化したやつがほかの卵を食べちゃうんです。共食いじゃないですけど。その瞬間からサバイバルが始まっているんだって思うとなかなか大きくなるまで難しいというか。成長しちゃえば強いんですけど、かと思えば軟体魚類だからシャチとかには圧倒的に負けるしいろいろ不思議な生き物だなって。古代から姿形が変わってないっていうのも魅力的だし、フォルムの美しさとかにも「ほぉー」ってなるし。サメのドキュメンタリーを今でもよく観るんですけど、怖いだけじゃなくてなんか臆病で繊細な生き物でもあるんです。

──水族館にも行かれるんですか?

戸松 行きます! 美ら海水族館だとジンベイザメが花形じゃないですか。でも1メートルくらいのサメもいて、だいたいの人がスルーしちゃうんですけど私はじーっと見ちゃって(笑)。

──ジンベイザメと一緒に泳げるツアーとかもありますけど、ああいうのは?

戸松 そこは「ジョーズ」のトラウマがあるんで怖いんですよ(笑)。見るなら安全を100%確保して見たいですね。

──ルーキーさんは生き物としてのサメはどうなんですか?

ルーキー ……普通です(笑)。「ジョーズ」の影響でサメは怖い生き物っていうイメージが定着してしまいましたけど、僕はフィクションとして、かわいく描かれたサメが好きで。そういうのばっかり観ていたら本来のサメには実はそんなに興味がなくなりました(笑)。サメ映画学会の会員にはサメに詳しい方が多いですけどね。大学院でサメを研究されていた方もいらっしゃいますし。

──前回の対談でも、ルーキーさんは「サメ映画がサメのネガティブなイメージにつながっているのでは」ということを懸念されていましたが、サメ好きの戸松さんとしてはいかがですか。

戸松 「ジョーズ」のイメージが強すぎて、サメ=凶暴な肉食動物みたいなイメージになるのはしょうがない……っていうとあれですけど。サメが実は臆病で繊細っていうことは、サメのことを勉強した人じゃないとわからないというか。

──なんとかそのイメージを変えたいですよね。怖くないサメ映画もあるし。

戸松 ですね。でも「サメ映画が好き」って言っても、それで「じゃあ観てみるね」って人もなかなかいないから(笑)。この絶妙な面白さをもっと知ってほしいなっていうのはありますね。

ルーキー 言葉で伝えるのが難しいものが多いので、まず観てくれって思っちゃうんですよね(笑)。

戸松 本当に怖がらせようっていうやつと、この表現が正しいのかわからないんですけど、「本気で作ってる?」ってやつとの差が激しいんですよね。

ルーキー 正しい表現だと思います(笑)。

──怖いのと、「本気で作ってる?」っていうB級っぽい作品とでは、戸松さんはどちらがお好みですか?

戸松 あー、どっちも好きですね。ゾンビ映画とかも好きなので、リアルにドキドキしたい、スリルを求めるときは本気のやつ観るんですけど。本気のやつですごいのってそんなになくて……。

ルーキー 片手で足りますね(笑)。

戸松 だいたい面白くなっちゃう(笑)。面白いのが9割5分みたいな感じなので、本気で怖がりたい気分のときはゾンビとか違うジャンルを観ちゃうことも多いですけど。

最初に「シャーク・ナイト」を推す人って聞いたことないですよ(ルーキー)

──サメ映画を広めたいときに、初心者にこれを観てほしいという作品は何かありますか? 「サメ映画好きなんだ、今度観ておくね」って言っても観ないタイプの人でも観やすいというか。

ルーキー 僕はいつも決まってて、最初に薦めるのは「シャークネード」なんですよね。これを観てダメだったらほかのも全部ダメだから(笑)。特に2作目の「シャークネード カテゴリー2」ですね。「2」を観てそれが気に入ったらほかのも大丈夫だよって、そこからどんどんお薦めする作品のクオリティを下げていく感じですね(笑)。

「シャークネード カテゴリー2」ジャケット(発売:アルバトロス)

「シャークネード カテゴリー2」ジャケット(発売:アルバトロス)

戸松 わかりやすく派手なのを薦めたいときは、サメがたくさん出てくるやつがいいですよね。私が好きなのは「シャーク・ナイト」です。血が苦手な人はちょっとダメかもしれないですけど、とにかくサメをたくさん出せばいいと思ってる作品なので。ホラー映画あるあるの、浮かれた男女グループが出てくるところから始まり、「お前はこのサメでやってやろう」みたいなクレイジーなおじさんがいるから、いろんな種類のサメが出てくるのも面白いです。

ルーキー 「シャーク・ナイト」が好きって渋いですね(笑)。作品として面白いですけど、それを最初に推す人ってあまり聞いたことがないですよ。

「シャーク・ナイト」DVDジャケット。ポニーキャニオンよりBlu-rayとDVDが販売中。デジタル配信もされている。(c)2011 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

「シャーク・ナイト」DVDジャケット。ポニーキャニオンよりBlu-rayとDVDが販売中。デジタル配信もされている。(c)2011 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

戸松 ほんとですか?(笑) ちょっとぞっとして好きなのは「海底47m」ですね。サメだけじゃなくてダイビングの怖さもあるので、呼吸が苦しくなって怖いですね。精神的にくるサメ映画として推しています。

ルーキー 「海底47m」って面白いし普通に人にも薦めるんですけどあまり回数は観てないですね。僕はもともとホラーが苦手で、怖くて観れないんですよ。

戸松 何回も観るものじゃないですよね(笑)。

──初心者には、まず「ジョーズ」を、というものでもないですか? ちょっと怖すぎますかね。

ルーキー 前提として観ておいたほうがいいんですけど、「ジョーズ」だけ薦めちゃうと「ジョーズ」で終わってしまうので。「サメ映画」の入り口として「ジョーズ」から入らないほうがいい。あれは「映画」として観てください(笑)。生きてたら人生のどこかで、「映画」の文脈として「ジョーズ」には当たるので、今「サメ映画」としてお薦めするのは「ジョーズ」じゃなくていいなって思いますね。

──戸松さんがサメ映画に求めるもの、「こういうところが面白いんだ」という部分はなんですか?

戸松 そのときの気分によりますけどスカッと感と……いい意味で捉えてほしいですけど「ちゃんと観てなくていい」っていうか、逆にちゃんと観ると負けっていうか(笑)。

ルーキー そうだと思います(笑)。

戸松 ストーリーを考え出すと矛盾しかないので(笑)。“ながら観”でもよくて、主人公がラストでサメを倒して食われて死んで……それで「スカッとする」っていうと語弊があるかもしれないですけど。観て「ちっぽけなことで悩んでたな」と思えるのがいいですよね(笑)。

──前回の対談でルーキーさんたちが言っていた「ジョーズ2」は「サメ映画」だけど「ジョーズ」は「映画」っていう理論と通じるものがありますね。

ルーキー 「ジョーズ」はテーマとして、サメ以外にもアミティの街の政治的な状況も描かれていて、社会的なメッセージもあるんですけど、「ジョーズ2」からはなーんもないので(笑)。ただでかいサメが出てきて人と戦うみたいな。

戸松 本当におっしゃる通りで、それがサメ映画ですよね。

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「パニック・マーケット」も「シャーコーン!」も好きです(戸松)

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サメ映画ルーキー @Munenori20

YouTube無料配信を機に『プリティーリズム・レインボーライブ』を観始めた方は蓮城寺べるを演じた戸松さんが大のサメ映画好きということも知っておいて下さい。レインボーライブの理解が深まったり…はしません。
https://t.co/uab4G3MMUq

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