何かに並外れた愛情を注ぐ人や、著名人の意外な趣味にスポットを当てる連載「〇〇の異常な愛情」。第6回は俳優・
2人は今年の夏に初対面を果たしたばかり。伊藤の主演映画「サマーフィルムにのって」が公開される際、映画ナタリーでは大童に感想を語ってもらう座談会を企画した。自身の趣味や好きなことを生き生きと語り合う2人だったが、座談会は盛り上がってきたところで時間切れに。そこで今回再び2人を招き、共通の趣味である“鉱物”の魅力を、自慢のコレクションを持ち寄ってしゃべり尽くしてもらった。
取材・
今日は石の話だけ
──お二人が対面するのは本日が2回目ですよね。先日の座談会からしばらく経ったあと、大童さんが「伊藤万理華さんとは趣味が合うとわかった。鉱物即売会の話をしそびれた。日本産オパール持ってる自慢とかしたかった」とツイートされているのを拝見しまして。それならばとお声がけして、このような場を設けさせていただきました。
大童澄瞳 前回は映画の取材でしたけど、今日は石の話だけという(笑)。
伊藤万理華 石の話だけ(笑)。うれしいです!
──大切なコレクションもたくさんご持参いただきありがとうございます。まずは鉱物にハマった理由からお話しいただければ。伊藤さんは苔もお好きですが、そこから派生した趣味なんですか?
伊藤 グループに所属していた頃、テレビで「苔が好きです」と言ったらファンの皆さんの間にわーっと広がって。でも私、鉱物も好きなんだけどな……みたいなところがあったんです。苔にしろ鉱物にしろ、昔から“小さなところに広がる世界”にワクワクするんです。苔も見方によれば、小さい芝生のように見えてくるじゃないですか?
大童 わかります。
伊藤 苔の“芝生”に小さな恐竜(の置物)を置いて、ジオラマみたいに小さな世界を作ったりするのが楽しいんです。
大童 わかるなあ。子供の頃、祖母の家によく遊びに行ったんですけど、庭の踏み固められた土の上に小さな庭を作って、そこに石を置いて眺めたりしていました。短く切った木の枝で柵を作って、苔を持ってきて……。
伊藤 一緒だ(笑)。
──お二人とも「小さな世界にワクワクする」という気持ちが原点なんですね。
大童 なんと言うか、フラクタル(図形の一部分と全体が同じ形になる構造)な感じがあって。遠くから眺めたときの石もきれいだけど、近くで見たときもまた別の美しさを持っている。
伊藤 石1つ取ってもその中にいくつも色があったり、外見はただの岩でも中は星みたいにキラキラしていたり、ただの石だと思ってひっくり返してみたら別の石がくっ付いていたり。いろいろな姿があるんですよね。ただの石にもこんな世界があるのかと魅了されました。
大童 ビスマスわかります? 階段状になっている結晶の。
伊藤 溶けて固まると、自然とあの形になる金属ですよね。
大童 そうそう。あの形とかも、やっぱり1つの世界だなと思います。
ミネラルフェスタでも、100均でも
──素敵な鉱物をたくさんお持ちですが、どこで入手されるんですか?
伊藤 1人でミネラルフェスタ(天然石、鉱石、宝石、化石、ビーズなどの展示即売会)に行って……。
大童 ミネラルフェスタ行くんですね! コミケの石バージョンみたいなものですよね。
伊藤 はい。コレクションや買い付けたものがたくさん売られていて。丁寧に並べられているのを眺めるのも好きですし、そういう人たちの元で自分が欲しいと思うものに出会いたいなという気持ちもあって。
大童 僕もだいたい同じですね。あと最近は100均にも売っているんですよ。そういうのも、いいなと思ったら買っちゃいます。
──100均でしたら初心者でも手を出しやすいですね。ミネラルフェスタでは膨大な数の鉱物が売られ、値段も種類も幅広いと思いますが、購入する際の決め手はありますか?
大童 なんだろう……安くても、自分がいいと思ったものが一番という基準で決めています。例えばオパールって赤色の入ったものが希少価値が高いとされているんですけど、僕は青と緑が好きで。キラッと青く光るオパールを見つけたとき、うわっこの光が欲しい!と強く思って買いました。あとは変なものですかね。これとか。
伊藤 硫黄、かわいいです。
大童 そうそう。安くても小さくても、自分がその中で一番好きだと思えるものを選んでいます。
──ミネラルフェスタでも、100均でも、選ぶ気持ちは変わらず?
大童 出会ってしまったら、“これ”しかないとなるので(笑)。替えは利かないんです。
──形も色もすべて違うわけですもんね。伊藤さんはいかがですか?
伊藤 私もときめいたものを買っています。価値とかじゃなく、この“1個”だ!というものを。最近だと、石を割ってむき出しになった状態や、いびつなものにときめきます。ちょっとグロテスクさを感じるようなのも。1つの石の中にどうしてこんな色や形が生まれるの!?というところから惹かれていくんです。
──ちなみにこの中で一番高いものっていくらぐらいですか?
伊藤 全然覚えてないんです。こんなちっちゃいものにお金出しちゃったなあという記憶はあるから、それなりなんだと思います(笑)。3000円ぐらいのもあります。値段は本当にピンキリですけど、誰が価値を決めるかっていうのは……。
大童 俺だ!って(笑)。
伊藤 そう(笑)。“俺”が決めるってことなんです、この価値を!
自慢の一品はこれ!
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