「パルプ・フィクション」をモチーフにしたアイシングクッキー。

〇〇の異常な愛情 Vol. 5 [バックナンバー]

クッキー作家・おなかいたいの場合:映画モチーフのアイシングクッキー作りにのめり込んだ女性は如何にして欧州ジョージアに至ったか

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マッツ・ミケルセンとエズラ・ミラーがツートップ

──アイシングクッキーの題材はダントツで映画モチーフのものが多いですが、映画好きになったきっかけも教えていただけますか。

実家では、妹と弟がいて騒がしかったので、そんなに映画をゆっくり観られなかったんです。大学のときに一人暮らしを始めてからTSUTAYAでDVDを借りるのが日課になって、そこからたくさん観るようになりました。そのときにmixiの映画好きコミュニティで今の主人と知り合って。

──ご主人との出会いも映画がご縁だったんですね。

そうなんです。ジョージアに来てからも2人で毎晩1本ずつ映画を観ています。

──お気に入りの俳優や監督は?

俳優だと、マッツ・ミケルセンエズラ・ミラーがツートップ。ハリコンに行って一緒に写真を撮ってもらったこともあります(笑)。今度「ファンタビ(ファンタスティック・ビースト)」の新作で共演するので楽しみです! 監督だとスサンネ・ビアというデンマークの女性監督。作風は少し暗いんですけど、繊細な人物描写が多くて、お気に入りです。

ジョージアでは170円で映画が観られる

──ジョージアで暮らすことになった経緯もお伺いしていいでしょうか。ご主人が公邸料理人(※大使や総領事が暮らす公邸に住み込み、会食のために食事を作る仕事)をやられているとか。

以前は日本橋の日本料理屋で板前をやっていたんですけど、コロナの影響でお店を閉じてしまって。次の仕事を迷っている時期に公邸料理人の説明会へ行って、後日紹介されたのがジョージアでの仕事でした。

──紹介が来て、初めてどこの国に行くかわかるってことですか?

そうなんです。聞いたこともない国だったから、最初はアメリカのジョージア州だと思ったくらいで(笑)。でも今となってはジョージアでよかったなって思ってます。昨年12月に引っ越したのでコロナの影響で満喫しきれていないところはありつつも、歩いているだけでも日本にはない雰囲気の街並みが楽しいし、徒歩15分の距離に湖もあるのでピクニックばかりしています。公用語はジョージア語だから言葉の面では苦労しているんですけど、私たちの住んでいる首都トビリシは観光地なので、英語を話せる方も多くて。

ジョージアの首都トビリシにて、夫婦でピクニックする様子。

ジョージアの首都トビリシにて、夫婦でピクニックする様子。

──映画館にはもう行かれましたか?

言葉の壁があるので、まだ勇気が出ず……。でもジョージアにも3DやIMAXの設備がちゃんとした映画館があって、日本と同じような大作映画が上映されているんです。よく入り口まで行って、ラインナップをチェックしています。鑑賞料金がすごく安いんですよ。一番安い時間帯だと、5ラリ。日本円で言うと、なんと170円ぐらいで観られるんです。一番高い時間帯でも、たぶん600円ぐらい。(※1ラリ=35円 / 2021年9月現在)

──それは衝撃ですね! ジョージアについて調べると、交通費や食費が安いという情報は出てきたんですけど、映画もそんなに安いなんて。

170円だったら映像を楽しむだけでもいいかなって(笑)。多少言葉がわからなくても付いて行けそうな「ジャングル・クルーズ」を近々観に行こうと思ってます。そのときはジョージア日記で報告しますね。

海外の方には日本画モチーフのクッキーが好評

──今、現地ではご主人の料理に添えるクッキーを担当されているんですよね。

頼まれたわけじゃないんですが、せっかく来たからには私も日本の文化を伝えるお手伝いができたらいいなと思ったんです。そうしたら、お客さんがクッキーのほうに興味を持っちゃって、主人が「俺も料理がんばったのに……」ってすねてます(笑)。日本のモチーフ、特に葛飾北斎や(東洲斎)写楽などの日本画のクッキーはウケがいいですね。

東洲斎写楽の日本画をモチーフにしたアイシングクッキー。

東洲斎写楽の日本画をモチーフにしたアイシングクッキー。

──そういえば、ひな人形のクッキーを投稿されていたときに「ひな人形の会社で働いていた」と書かれていました。経歴が変わっていそうだなと気になっていたんですが。

はい、ここに来る前まで働いていました。飽きっぽいので仕事はいろんなことをやってましたね。最初に働いたのがペーパークラフトを作る会社で、飛び出すカードなど担当していました。あとは無印良品、和菓子屋、パン屋……新幹線の輸送の仕事も(笑)。

──最後のは少し異色ですけど、ちょっとずつ何かが今につながっている感じはしますね。行き着いた先が、ジョージアでアイシングクッキー作りという……いやー、面白いです。ジョージアにはいつまでいる予定なんですか?

大使の任期が3年なので、それに合わせて終了という感じですね。そのあとは日本に帰国するかもしれませんし、また別の国に行くかもしれません。

──日本に帰ってきたらやりたいことはありますか?

コツコツ作品をためているので、個展を開催できたらいいなと思ってます。日本にいた頃にやっていたアイシングクッキー教室もまた開きたいですね。夫の仕事が今後どうなるかはわからないですけど、お店を持つようなことがあれば、私も自分のできることで一緒に盛り上げていけたらいいなと考えています。

──そのときはぜひ映画ナタリーでご紹介させてください。楽しみにしてます!

※ページ下部の画像ギャラリーにて、映画モチーフのアイシングクッキー50点超を掲載中!

おなかいたい

おなかいたい

おなかいたい

1987年生まれ。2014年から始めたアイシングクッキーの制作で注目を集め、ワークショップなどを行う。2020年12月より欧州ジョージアで暮らす。Instagramのアカウント(@c.y_cookie)で映画をはじめ、絵画や絵本、キャラクターなどを題材にした新作クッキーを発表しているほか、ジョージアでの日常をつづるアカウント「おなかいたいの“きままにジョージア”」(@onaka_itai.g)も更新中。

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映画ナタリー @eiga_natalie

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映画を次々とアイシングクッキー化!ジョージア在住のクッキー作家“おなかいたい“さんに話を聞いてみた

・新作「パルプ・フィクション」クッキー初公開
・50枚超フォトギャラリーも

https://t.co/JZzA2h0G4a

#アイシングクッキー #PULPFICTION #パルプ・フィクション https://t.co/2zkbTLS9KG

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