1月より放送中のオリジナルアニメ「宇宙（そら）よりも遠い場所」。同作は女子高生4人が、それぞれの理由を胸に南極を目指すという青春グラフィティだ。監督は「ノーゲーム・ノーライフ」のいしづかあつこ。シリーズ構成・脚本は「ラブライブ！」シリーズの花田十輝が務め、アニメーション制作をMADHOUSEが担当している。

コミックナタリーでは最終回の放送を目前に、キマリこと玉木マリ役の水瀬いのりと、元南極観測隊員の母を持ち、キマリが南極を目指すきっかけになる少女・小淵沢報瀬役の花澤香菜にインタビューを実施。作品やキャラクターの魅力、アフレコ現場のエピソード、終盤の見どころなどを語ってもらった。

取材・文 / 鈴木俊介

「宇宙よりも遠い場所」は旅に出たくなるアニメ（水瀬）

──この記事が公開されるのは、第11話の放送日となります。「宇宙よりも遠い場所」は全13話構成ということですので、最終話まであと少しですね。

水瀬いのり　ちょうど先日最終回のアフレコがあって、全部録り終わったところなんです。

花澤香菜　終わっちゃうの、寂しいよね。

──あっ、そうでしたか。ではアフレコを終えてのご心境などもお聞きしていきたいのですが、まずはまだ本作を観たことがないという人に、どんなお話かをご紹介いただけますか。

花澤　“女子高生が南極へ行く物語”と聞いただけじゃ、正直、あまりイメージが掴めないと思うんですけど、すごくエンタメな作品です。南極に行くことの大変さとかを泥臭く、ドラマチックに描くこともできたと思いますけど、そうではなく、かといって女子高生たちがふんわり楽しくお話をしているだけでもない。会話のテンポがよくって、面白おかしく観られるのに、最後はなぜか号泣してしまう。こんなエンタメな作品はなかなかないぞ、って思います。

水瀬　私にとっては、そうだな、旅に出たくなるアニメ。“旅”といっても、どこかへ旅行に出かけるって意味だけじゃなくて、何か新しいことを始めてみたくなるというか。こんなにがんばっている女子高生がいる、特に報瀬は女子高生なのにアルバイトで100万円貯めて、自分の夢にがむしゃらに向かっている。そんな姿を見て、自分にもまだ何かできるんじゃないかって気持ちになれるアニメかなって。

花澤　うん、エネルギーをもらえる作品だよね。

水瀬　年齢とか職業とかたぶん関係なく、昨日できなかったことが今日はできるんじゃないか、っていう気持ちになれる。観ていただいた方が勇気をもらえる作品なんじゃないかなって思います。

──3月28日にはBlu-rayとDVDの第1巻が発売となりますし、今だと配信系のサービスも充実しているので、オンエアが終盤に差し掛かったこのタイミングで「よりもい」のことが気になった方でも、第1話から追いかけて視聴できますね。

花澤　私も最近、配信で観始めたタイトルが多くて（笑）。どの話数からでも気軽に見始められるっていうのは、本当にいいですよね。だから一度、“南極に行く”というのを……忘れて？

水瀬　それ、忘れていいのかな？（笑）

花澤　だめかな？（笑） とにかくあまり構えないでほしい。心がデトックスされる感じのアニメだと思うので、まずは気軽に観ていただけたらと思います。