コミックナタリー Power Push - 廣瀬ゆい「ワンダーラビットガール」

特殊な性癖持つ美少女との官能学園サスペンス “キレイなエロ”イラストの着色術を作者が徹底解説

ヒロイン・彩花のカラーイラスト着色過程を廣瀬ゆいが解説

廣瀬ゆい

今回描いたのは、4月7日発売の週刊ヤングジャンプ19号に出張掲載される「ワンダーラビットガール」のカラー扉用イラストです。第1話から登場しているヒロインの彩花を描いたんですが、青年誌ということでいつもより少し攻めつつも、表情がいき過ぎてしまわないようにキレイなエロを目指しました。

  • Part1.髪

    「ワンダーラビットガール」の着彩動画より。

    まずは髪全体にベースとなる色を置いていく。続いて薄い影、そして強調したい部分に濃い影を。1本1本髪の流れに沿って影をつける。

    廣瀬ゆい

    頭の中にある理想の線がまだ一発で引けなくて。担当さんにも「癖か!」といわれるほど「Ctrl+Z」を多用して、影を入れては消し、入れては消しを繰り返しながら仕上げています。

  • Part2.顔

    「ワンダーラビットガール」の着彩動画より。

    肌にグラデーションを入れてから影を塗ることで、現在流行りの水彩風の仕上がりに。

    廣瀬ゆい

    私の今の塗り方は、過去に好きな絵をいろいろと見て「ここの塗り方はこうやってるんじゃないか」と自分なりに考えながら、試行錯誤した技術の集合体です。でも塗りの流行りはいろいろ変わっていってると思うので、今はどんな感じのハイライトの入れ方が流行ってるのかな……とか、そういうのはいつもpixivを見たりして勉強してます。

  • Part3.胸

    「ワンダーラビットガール」の着彩動画より。

    胸を塗る上でのポイントは立体感。肌色に近い黄色を胸部分に重ねて入れることで、球体のような立体感を表現している。

    廣瀬ゆい

    胸はやっぱり目に止まりやすい気がします……。なので、ひと目見たとき印象に残るように、テカッとした肉感をうまく出せるよう気を付けています。

  • Part4.ニーソックス

    「ワンダーラビットガール」の着彩動画より。

    厚さのイメージは20デニール。肌色に塗った足の上に黒を重ね、消しゴムで削りながらソックスの質感を再現する。

    廣瀬ゆい

    ただ黒く塗るだけだと、ペタッとしてアニメっぽい塗りになってしまうと思うので、薄消しゴムで少しずつニーソ部分を削って、肌色を浮き出させました。

  • Part5.服

    「ワンダーラビットガール」の着彩動画より。

    今回描かれた彩花の服装はYシャツにスカート。Yシャツはソックスと同様、事前に体を塗った上で着彩していく。

    廣瀬ゆい

    Yシャツも最終的に透かせようと思っていたので、着彩した裸の上からYシャツを塗って消しゴムで削っていきました。このイラストでは「透かし」が重要なポイントになっていると思います。服に透かしを入れると何だかパッと見、ちょっと手の込んだ絵に見えると私は思ってます!

廣瀬ゆい「ワンダーラビットガール(3)」 / 2016年4月4日発売 / 473円 / 集英社
「ワンダーラビットガール(3)」

クイーンビーと呼ばれる学園で最上位の女性・百合ヶ丘ねねの指示で澪にハニートラップを仕掛ける柊。彼女は澪に抱いてほしいと迫るのだが、それは彼女が蓮を好きだからという演技抜きの行動だった。そんな彼女の本心を知ったねねは澪にある要求を突き付けてくる──!!

廣瀬ゆい(ヒロセユイ)
廣瀬ゆい

ジャンプSQ.19(集英社)にて2013年に「最弱なボクと最強な彼女」、2014年に「不・純情異性援助交際」をそれぞれ読み切りとして発表。2015年にジャンプスクエア(集英社)にて「ワンダーラビットガール」で連載デビューを果たす。