コミックナタリー Power Push -「タイガーマスクW」
気分が安らぐ“腐れ縁”? 対象的な2人がW主人公に挑む
八代拓&梅原裕一郎インタビュー
対象的なナオトとタクマ
──八代さん、梅原さんが演じるナオトとタクマについても教えていただけますか。
八代 僕が演じる東ナオトというキャラクターは、周りに対してすごく明るく振る舞う好青年です。タクマとの対比で考えると、虎の穴に立ち向かうという目的は一緒だけど、どちらかというとそのパワーを素直に自分の熱量に変えることのできる人間だなと思います。ナオトの明るさは、強いからこそのものなのかなと自分の中では解釈していて。飄々としているのも、ある種自分の中に余裕があるからこそなのかなと感じています。
梅原 藤井タクマは、3年前まではナオトと一緒にがんばっていて、好青年だったんだなっていうのもわかるんです。だけどある事件があってからは自らジパングプロレスを潰した組織・虎の穴に入り、タイガー・ザ・ダークになるんですが、そのときにはもうかなりの闇を背負っている状態で。ただいわゆる悪役のような感じではなく、胸のうちにいろいろな考えがあるキャラクターなんだなと。タクマも努力の人だというのは感じています。そこは本来タクマが持っていた変わらない部分なんだと思います。
──演じるうえで意識されていることはありますか?
八代 ナオトに関しては、すごく素直な反応をする人でありたいなと思っていて。目の前の相手を「倒せる」と思ったら「倒せる」とだけ信じるし、信じているから努力するという、その素直な気持ちが原動力になっている人間なので。言葉や行動が裏表のないものになっていればいいな、というところは考えていますね。
梅原 僕は八代くんとはまったく逆で。何気ない会話でも何かあるんじゃないかと思わせる、そういう雰囲気を出せればと考えていますね。敵討ちを目的に戦っているので、そう安々とは他人に自分の感情を教えない。「何か考えているんじゃないか」「隠してるんじゃないか」と思わせるようなしゃべり方や声のトーンを意識しながら演じています。
梅原裕一郎に一体何が……
──「光のタイガーマスク」「闇のタイガーザ・ダーク」と称されるように、正反対な性格の2人ですが、お互い自分の演じるキャラと似ている部分はあると思いますか?
梅原 僕、小学校3年生ぐらいまではめちゃくちゃ明るい人だったんですよ。
八代 梅原裕一郎が? 絶対、嘘!
梅原 いや、本当に。ちょっと体を張ったギャグもやっちゃうような、クラスに1人はいるポジションの子だったんですよ。
八代 マジで? お調子者だったんですか?
梅原 そう。
八代 俺じゃん。
梅原 そうそう。
八代 そうそう、って(笑)。変わったきっかけとかないの?
梅原 小学5~6年生くらいに、早めの中二病みたいなものが発症しちゃって。そこからかもしれない。なので、そういう“闇堕ち”じゃないですけど(笑)、タクマのように昔明るかった人が変わってしまうっていうのは実体験としてあるので、そこが似てるなと。だから過去の明るいタクマを演じるときは、「昔の自分もこうだったなあ……」と思い出しながら演じています(笑)。
八代 ……(梅原の顔を見つめる)。
──そんな信じられないような目で(笑)。
八代 ちょっとにわかには信じがたい。
梅原 本当にそうなの。ビックリだよね。
──八代さんはナオトと共通している部分などあると感じますか?
八代 なんでしょう……。僕は、本当のところではたぶんナオトに似てないと思うんですよ。ナオトは僕が“こうありたい”と思う人物像にすごく似ているという感じですね。ナオトのように素直で自分を信じて疑わない、人を信じて疑わない。そういう人間になりたい、そうありたいという願いみたいなものはあるんですけど……あの底抜けな明るさというのは、なかなか自分にないところかなと思っているので、似ているというよりは、理想像に近いですね。
──そうなんですね。梅原さんから見て、八代さんとナオトは「ここが似てる」と感じる部分などありませんか?
梅原 そうですね……。確かに、八代くんは明るいけど、フタを開けてみると結構暗いところもあるもんね。
八代 やめなさい、やめなさいよ。
梅原 ははは(笑)。でも明るく振る舞いながらもいろいろ考えて行動しているんだろうなっていうのはナオトにも感じますし、八代くんにも感じます。ただ明るいだけじゃなく、ちゃんと努力をしたり考えたりしているんだろうなって。……まあたまに、八代くんはおバカな発言もしますけど。
八代 (笑)。
梅原 それも考えてやってることだと思うので。……ね?
八代 も……もちろん全部計算通りだよ。
梅原 (笑)。だからそういうところは似てるかなって思いますよ。
八代 あはは(笑)。
次のページ » 「タイガーマスク」を通じてみんなが同じ方向を向いている
テレビアニメ「タイガーマスクW」
放送情報
放送日:2016年10月1日(土)より毎週土曜26:45~
放送局:テレビ朝日
あらすじ
現代のタイガーマスクは2人いる──!? 主人公は「東ナオト」「藤井タクマ」、2人の若きプロレスラー。彼らは小さなプロレス団体「ジパングプロレス」の練習生だったが、「ジパングプロレス」は悪質プロレス団体「GWM(グローバルレスリングモノポリー)」に潰されてしまった。 報復のためナオトは富士の裾野で訓練を受け「新タイガーマスク」となり、一方タクマは「GWM」を裏で操る組織「虎の穴」にあえて入り「タイガー・ザ・ダーク」となる。「光のタイガー」「闇のタイガー」2人を待ち受ける戦いと友情の行方は──!? リング上では敵だが、目的は同じ。「虎の穴を潰せ!」
スタッフ
- シリーズディレクター:小村敏明
- シリーズ構成:千葉克彦
- キャラクターデザイン:香川久
- アクション作画監督:羽山淳一
- 美術デザイン:渡辺佳人
- 音楽:高梨康治(Team-MAX)、刃-yaiba-
キャスト
- タイガーマスク/東ナオト:八代拓
- タイガー・ザ・ダーク/藤井タクマ:梅原裕一郎
- 高岡春奈:三森すずこ
- オカダ・カズチカ:森田成一
- 棚橋弘至:鈴村健一
- 藤井大助:草尾毅
- 山科ルリコ:千葉千恵巳
- 高岡拳太郎:田中亮一
- 来間ヒカリ:橘田いずみ
- 若松龍:岸尾だいすけ
- 永田裕志:てらそままさき
- ミスターX:柴田秀勝
- ミスX:小林ゆう
- イエローデビル:島田敏
- ケビン・アンダーソン:福山潤
- マイク:ロドリゲス:内匠靖明
- オーディン:竹本英史
- 真壁刀義:真壁刀義
八代拓(ヤシロタク)
岩手県出身、1月6日生まれ。主な出演作は「アイカツスターズ!」(結城すばる役)、「KING OF PRISM by PrettyRhythm」(十王院カケル役)、「アイドルマスター SideM」(柏木翼役)など。
梅原裕一郎(ウメハラユウイチロウ)
静岡県出身、3月8日生まれ。主な出演作は「ヤングブラック・ジャック」(間黒男役)、「美男高校地球防衛部LOVE!」(由布院煙役)、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」(ユージン・セブンスターク役)など。