コミックナタリー Power Push -「タイガーマスクW」
気分が安らぐ“腐れ縁”? 対象的な2人がW主人公に挑む
八代拓&梅原裕一郎インタビュー
プロレスは選手と観客が一体となって作り上げるエンタメ
──出演にあたって、実際にプロレスも観に行かれたんですよね。
八代 はい。もともと格闘技は好きだったので、K-1とかボクシングの番組を観ることはあったんですけど、今までプロレスに触れる機会はなくって。「タイガーマスクW」をきっかけに2人で試合を観に行ったんですけど、めちゃくちゃ面白かったよね。
梅原 うん、すごく面白かった。
八代 もちろん現実で起こってることではあるんですけど、どこか現実感がないんですよ。自分の2、3倍くらいに感じるほど大きな男の人たちが、多いときは3対3の6人とかでぶつかり合っていて。投げ飛ばして大声を上げて、すさまじい迫力なんです。
梅原 選手が入場するときに僕らのそばを通ったんですけど、それだけで「同じ人間でこうも違うか」ってビックリするくらい、オーラや雰囲気に飲まれました。
八代 選手だけじゃなく観客もすごいんだよね。本当に老若男女問わず、選手への声援だったり愛のある野次だったりを飛ばしていて。会場一体となってエンターテイメントを作り上げていて、もう一気にのめり込みましたね。
梅原 周りのお客さんの熱もすごくて。ちょうど僕らの後ろに座っていたご高齢の方が、解説かのような野次を飛ばしてくれてたんですよ。
八代 そうそう(笑)。「やっぱり受けがうまいねー!」ってその選手の特徴を言ってたり。
梅原 その方の反応を聞いていたら、なんとなく「あ、この人はこういう選手なんだ」「今はこういう展開なんだ」っていうのが、初心者の僕らにも理解できるくらいわかりやすくて(笑)。
八代 あと、「この人もよくプロレスを観に来てるんだろうけど、競技性以上にレスラーそれぞれのキャラクター性を楽しんでるんだな」って感じる方もいらっしゃって。「あー、オカダさんカッコいいわー! ……でも棚橋さんもカッコいい!!」(手で顔を覆う)みたいな(笑)。自分の中で好きな人同士が戦ってて、すごくせめぎ合ってるんだろうなって人もいました。
梅原 いたいた(笑)。
八代 だから楽しみ方がホントに人それぞれで。
──高岡春奈役の三森すずこさんもそうですが、最近はプロレス好きな女性も多いですよね。
梅原 本当に女性のお客さんが多かったよね。4割くらいはいた気がする。
八代 予想してたより遥かに多かったよね。でもやっぱりカッコいいですもん、プロレスラーの方って。
熱量に圧倒されました
──それぞれ気になる選手はいましたか?
八代 えっと、(新日本プロレスで活躍する)タイガーマスクさんです。
──あれ? 先日のイベントのときと答えが違いますね(笑)。
梅原 EVILさんじゃないの?
──先日のイベント(参照:「タイガーマスクW」主演の八代拓「確かに僕が光で、梅原くんが闇」)では、「EVILさんのファンになっちゃいました」と語られてましたよね。そのあと梅原さんに「僕はタイガーマスクに注目して見てましたよ」と言われて「もちろん僕もですよ」と焦った様子でした。
八代 (笑)。もちろんタイガーマスクもカッコいいんですけど、何も考えず観客として観ていると、つい悪役のほうにも魅力を感じてしまうんですよ。EVILさんとか内藤(哲也)さんとか。悪役ではないですけど、最近は「ワールドプロレスリング」を観ながら、柴田(勝頼)さんもすごいカッコいいなあ……と思ったりして。
──柴田選手も、EVIL選手のように反則をするわけじゃないですけど、不良っぽいカッコよさがありますね。
八代 そうなんです。でも、最終的にみんなカッコいいんですよね。それぞれの方向性は違えど。
梅原 僕は外国人選手のマット・サイダル選手が気になって。レスラーにしてはそこまで体が大きいわけじゃないんですけど、技術がすごいなって思ったんです。高いところから飛んだり、跳ねたり。そういったところにエンタメ性みたいなものを感じました。でも本当に、いろんなタイプのレスラーさんがいるんだなと思いました。
八代 これは観た人誰もが感じると思うんですけど、オカダ(・カズチカ)さんのドロップキックがすごかったです。「こんな巨体があの高さを飛ぶんだ!?」っていうその迫力が、テレビで観るのと全然違うんですよ。もう、騙されたと思って1回生で観てほしいです! ホンットに。
梅原 うん。ぜひ行ってほしいです。
──生で試合を観たことによって、演技の参考になった部分はありましたか?
八代 自分が発する声云々の前に、人が打ち付けられたときの衝撃や、ぶつかり合ったときの音はやっぱり生で聞かないとわからなかったので。この感覚はちゃんと覚えておかないとな、と思いましたね。
梅原 そうだね。レスラーさんたちのエネルギーやホール内の熱気は、生で観て肌で感じないとわからないものだと実感しました。その熱量をアニメの中でも再現できたらいいなと思います。本当に観に行ってよかったです。
八代 でも観終わったあとはちょっと圧倒されすぎて、たぶんお互い口数が少なかったよね。
梅原 うん。「タイガーマスクW」の参考として観に行ったのに、普通にただの観客になってたよね。「すごかったな……」って。
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テレビアニメ「タイガーマスクW」
放送情報
放送日:2016年10月1日(土)より毎週土曜26:45~
放送局:テレビ朝日
あらすじ
現代のタイガーマスクは2人いる──!? 主人公は「東ナオト」「藤井タクマ」、2人の若きプロレスラー。彼らは小さなプロレス団体「ジパングプロレス」の練習生だったが、「ジパングプロレス」は悪質プロレス団体「GWM(グローバルレスリングモノポリー)」に潰されてしまった。 報復のためナオトは富士の裾野で訓練を受け「新タイガーマスク」となり、一方タクマは「GWM」を裏で操る組織「虎の穴」にあえて入り「タイガー・ザ・ダーク」となる。「光のタイガー」「闇のタイガー」2人を待ち受ける戦いと友情の行方は──!? リング上では敵だが、目的は同じ。「虎の穴を潰せ!」
スタッフ
- シリーズディレクター:小村敏明
- シリーズ構成:千葉克彦
- キャラクターデザイン:香川久
- アクション作画監督:羽山淳一
- 美術デザイン:渡辺佳人
- 音楽:高梨康治(Team-MAX)、刃-yaiba-
キャスト
- タイガーマスク/東ナオト:八代拓
- タイガー・ザ・ダーク/藤井タクマ:梅原裕一郎
- 高岡春奈:三森すずこ
- オカダ・カズチカ:森田成一
- 棚橋弘至:鈴村健一
- 藤井大助:草尾毅
- 山科ルリコ:千葉千恵巳
- 高岡拳太郎:田中亮一
- 来間ヒカリ:橘田いずみ
- 若松龍:岸尾だいすけ
- 永田裕志:てらそままさき
- ミスターX:柴田秀勝
- ミスX:小林ゆう
- イエローデビル:島田敏
- ケビン・アンダーソン:福山潤
- マイク:ロドリゲス:内匠靖明
- オーディン:竹本英史
- 真壁刀義:真壁刀義
八代拓(ヤシロタク)
岩手県出身、1月6日生まれ。主な出演作は「アイカツスターズ!」(結城すばる役)、「KING OF PRISM by PrettyRhythm」(十王院カケル役)、「アイドルマスター SideM」(柏木翼役)など。
梅原裕一郎(ウメハラユウイチロウ)
静岡県出身、3月8日生まれ。主な出演作は「ヤングブラック・ジャック」(間黒男役)、「美男高校地球防衛部LOVE!」(由布院煙役)、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」(ユージン・セブンスターク役)など。