1994年に小説第1巻が刊行された秋田禎信のライトノベル「魔術士オーフェン」シリーズを原作とした新作TVアニメが、1月7日に放送開始する。ダークファンタジーライトノベルのマスターピースたる本作が、多くのオタクを生み出してきたことは想像に難くない。
TVアニメ化を記念し、コミックナタリーと音楽ナタリーでは、ジャンルをまたいだ連載特集を全3回で展開。第2回では、原作小説はもちろん、1998年から放送されたTVアニメに思い入れを持つ、5人の著名人によるコメントを紹介する。彼らは「オーフェン」とどう出会い、何に魅力を感じたのか?
榎宮祐
- 「魔術士オーフェン」との出会い
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「“黄昏よりも昏きもの血の流れより紅きもの”」
「“我は放つ光の白刃”‼はい詠唱速いオーフェンのが確定で有利~~‼」
「あぁ⁉ トトカンタ重破斬で消し飛ばされとけや‼」
みたいな「オーフェン」と「スレイヤーズ」どっちが強い論争でリアルファイトが繰り広げられる殺伐とした中学だったので必修作品でした。どっちも読んでないなどと口にしたが最後、じゃがいもで蒸かし殺される勢いだったので隅々まで熟読させて頂きました。
- 「魔術士オーフェン」の魅力
普通、魔術ありのファンタジー世界っていうと中世をイメージするけど、産業革命前後の文明水準でこれほど綿密に作り込まれたファンタジー作品って他に思いつきません。魔法世界っていうと都合よくファジーなものが多いですが、魔術や魔術士の設定・なりたちが一々論理的で、ファンタジーというよりSFのようにリアルで説得力ある形で練られているのが魅力的ですよね。そんな世界でキャラ達はノリと勢いで動くギャップも。
- 新アニメへの期待
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アニメが売れて4部までやらないですかね。
もしくはワンチャン3部が執筆されたりしませんかね。
- 榎宮祐(カミヤユウ)
- 高校時代に始めた同人活動をきっかけに、2005年から「エアリセ」を連載しマンガ家としてデビュー。TVアニメ、劇場アニメ化もされた「ノーゲーム・ノーライフ」シリーズでは、執筆だけでなく、イラストも自身で手がけ、コミカライズでも柊ましろとともに作画を担当している。2017年には暇奈椿との共著であるライトノベル「クロックワーク・プラネット」のアニメ化も果たした。
鈴木咲
- 「魔術士オーフェン」との出会い
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魔術士オーフェンは小学生の頃夕方にアニメが放送していて、たまたまTVをつけたらめっちゃカッコいいアニメがやってる何これー!!
が出会いでした。指抜きグローブに剣に巻き付いたドラゴン、そして魔法バトルと小学生が憧れる要素が全部つまっていて、それ以降運動会などでオーフェンと同じ赤い鉢巻きをしてワクワクしたもんです。
私はヒロインじゃ無くカッコいいヒーローに憧れるお子さんだったので、赤い鉢巻熱は高校まで引きずりました。
- 「魔術士オーフェン」の魅力
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オーフェンの魅力は色々ありますが、オーフェンは作中でサクセサー・オブ・レザーエッジ(凄い強い人の後継)と呼ばれとても強力な魔術士なのに、結構負けるというか勝てない事が多いんです。
時に弱音を吐き苦戦しながらも努力と根性と仲間の助けによりなんとかしていく姿がとても人間的で、ただカッコイイだけじゃなく体温を感じれるキャラクターなところが最大の魅力だと私は思います。そして何と言っても呪文がカッコイイ!!!
初めて見る方も絶対「我は放つ光の白刃!」
って言いたくなると思うので、是非声に出して真似しましょう!音声魔術や沈黙魔術など魔法の設定がとても面白く凝っているので、その辺にも注目してほしい!
- 新アニメへの期待
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また動くオーフェン達に会えると思っていなかったので、世知辛い世の中を生きる活力が湧きました。
ありがとうございますありがとうございます!
2020年も頑張れます!!ガラスの剣を持った私の推しもちゃんと出てきて感謝しかありません。
テレビから、「我は放つ光の白刃!」と森久保さんの声が聞こえてくるのを心待ちにしています!
- 鈴木咲(スズキサキ)
- 1987年11月3日生まれ。愛知県出身。趣味はアニメ、マンガ、ゲーム、サバイバルゲーム、着物など。Aカップのスレンダーボディと、ショートカットのボーイッシュなビジュアルを武器に、グラビアやタレントの仕事を中心に活躍。週刊プレイボーイ(集英社)などのほか、趣味を活かし月刊アームズマガジン(ホビージャパン)でもグラビアを披露している。
向清太朗(天津)
- 「魔術士オーフェン」との出会い
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当時大阪にいたというのもあり、深夜にハイクオリティなアニメをやっているということに驚きを覚えました。
- 「魔術士オーフェン」の魅力
世界観の深さと魔術を使ったバトルの格好良さ。そして森久保さんの声がそれを深く彩ってくれるところだと思います。
- 新アニメへの期待
時を取り戻す。この言葉の持つ重みがすごいなと。25年経て描かれる作品だからこそ、オーフェンを知らない世代に当時の興奮を届けてもらえたらと思います!
- 向清太朗(ムカイセイタロウ)
- 1980年2月27日生まれ、広島県出身。1999年2月に木村卓寛とお笑いコンビ・天津を結成。テレビやラジオのほか、イベントのMC、マンガ原作など活動は多岐にわたる。自身の執筆するライトノベル「クズと天使と二周目生活(セカンドライフ)」は、ガガガ文庫から、現在5巻まで刊行中。
成瀬瑛美(でんぱ組.inc)
- 「魔術士オーフェン」との出会い
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私は普段は年齢非公開にして活動しているアイドルなのですが実を言うとオーフェンドストライク世代...かもしれないです(笑)!
幼き頃にスレイヤーズをきっかけに富士見ファンタジア文庫を集めるようになり、バビュッとオーフェンに出会いました。そこで感じたのはそれまで図書館で読んでいた絵本等とはまた違ったドキドキ……!☆その当時はまだ理解出来ない内容も多少ありましたが、ビシバシ刺激を受けときめいていた事を覚えています。
- 「魔術士オーフェン」の魅力
日本の90年代のライトノベルならでは濃厚なファンタジー感!☆個人的に大好きなノリです大好物です。
そしてコメディとシリアスのバランス!
ドタバタ~な時もあれば濃ゆいストーリーの時もあり何口もおいしいです。
歴史に残る名作として抑えておいて損は無き☆長年愛され続ける理由がわかります、25周年本当におめでとうございます!
- 新アニメへの期待
時を経て今またオーフェンのアニメが楽しめる事にテンション上がってます!月並みですがまるで夢のよう☆
新PVを見させていただいたのですが映像が更にハイクオリティになっており、子供の頃夢中になっていた気持ちをギュンッと思い出しました。オトナになった今でも気分高揚してHAPPY!☆再熱の予感です☆。
- 成瀬瑛美(ナルセエイミ)
- 2月16日生まれ。福島県出身。えいたその愛称で知られ、女性アイドルユニットでんぱ組.incのメンバーとして活動。アニメ「スター☆トゥインクルプリキュア」で主人公のキュアスター / 星奈ひかるを演じるなど、活躍の場を広げている。でんぱ組.incとしては、ワンマンライブ「UHHA! YAAA!! TOUR!!! 2019 SPECIAL」の模様を収めたBlu-ray / DVDを2019年12月4日にリリース。
暁なつめ
あれは自分がファンタジー系ライトノベルにハマリはじめた頃、書店で何気なく手に取ったのが魔術士オーフェン一巻でした。
我が呼び声に応えよ獣というタイトルに惹かれて手に取った一巻を軽く立ち読みし、掛け合いを読んで購入を決意。
家に帰って読み耽り、次の日発売されていた残りの巻を買い、そして無謀編で完全にドハマリした事を覚えています。
ライトノベルにおいて、金貸しを生業とする主人公をはじめとした他ではまず見る事のない魅力あるキャラクター達、掛け合いの際の軽快な言葉選び、魔術詠唱のセンスの良さ、魔術や世界観の綿密な設定、たくさんあり過ぎるので一言でまとめると、他に例を見ないオンリーワンなファンタジー系ライトノベル。
魔術士オーフェンが当時のラノベ読者に与えた影響は計り知れず、自分が車の免許を取った際、穴あきグローブを買ったのはオーフェンのせいだと思ってます。
期待しかない。