「ソードアート・オンライン」の体験型“激ムズダンジョン”に攻略班が潜入!開発者による攻略のヒントも (2/2)

QUEST3
マッチョを連れてこい! エギルの部屋

シリカの部屋でクエストの雰囲気を掴んだ我々だったが、エギルの部屋では驚きの光景が待ち受けていた。極太の綱が置かれていたのだ。綱引きでしか見ないあの綱を想像していただきたい。

エギルの部屋のフィジカルゲームはこの綱を引いて扉を開けるというもの。前方のモニターには引きの強さがゲージで表示されているのだが、後方で男性記者が全体重をかけてもゲージがマックスにはなかなかならない。しかし攻略に最も必要なのは引き続ける持続力。そのため、仮に女性3人パーティだとしても攻略が不可能ということはない。なお攻略にスピードを求めるなら筋トレをして出直すか、手っ取り早くマッチョを連れてこよう。

QUEST3、エギルの部屋のフィジカルゲーム。綱を全力で引こう。

QUEST3、エギルの部屋のフィジカルゲーム。綱を全力で引こう。

続くデジタルゲームは、スタートからゴールまでをパネルでつなげればクリア。しかし、開けてはいけないパネルも存在し、もし開けてしまった場合はペナルティで持ち時間が減っていく。パネルに描かれた炎のマークをヒントにルートを探すのだが、ここでもネックなのは制限時間。今回は余裕を持ってデジタルゲームに突入したはずが、焦って間違えどんどん自分の首を締めることに。結果、またしても初クリアはお預けとなってしまった。

QUEST3、エギルの部屋のデジタルゲーム。ペナルティでどんどん時間が削られる。

QUEST3、エギルの部屋のデジタルゲーム。ペナルティでどんどん時間が削られる。

デジタルゲーム初挑戦となった我々だが、まず大事なのはルールの理解だと感じた。となると初回のクリアは難しいのでは?と思われそうだが、このゲームにおいては白パネルの周りはすべて開けてOKというルールが肝。これだけを頼りにパネル開け続けても、クリアまであと一歩のところに到達できた。

QUEST3
巨大なパズルで一休み アリスの部屋

ほかの部屋と比べるとそこまでフィジカルを求められないのが、アリスの部屋の印象。最初のゲームでは、さまざまな形をした巨大なブロックをパズルのように組み合わせて指定の形を完成させればクリアとなる。途中、光でヒントが示されることもあり難なくクリア。しかし、ヒントを待ってばかりだと制限時間が足りなくなること必須だ。

QUEST3、アリスの部屋のフィジカルゲーム。バツ印を避けてブロックをはめ込んでいく。

QUEST3、アリスの部屋のフィジカルゲーム。バツ印を避けてブロックをはめ込んでいく。

続くデジタルゲームもルールは単純な神経衰弱。めくるパネルが移動するといった妨害はあるが、あとは淡々とゲームに臨むだけ。と、ここまで簡単そうなことを書いたが神経衰弱には運要素も絡むため、パズルで手間取ると制限時間が全然足りない……。この部屋もあえなくゲームオーバーとなった。そろそろクリアの光景が見たい。

QUEST3、アリスの部屋のデジタルゲーム。

QUEST3、アリスの部屋のデジタルゲーム。

QUEST3
得意・不得意が大きく分かれる? シノンの部屋

射撃が得意なシノンの部屋で必要なのはもちろんスナイプ力。プレイヤーは次々に迫りくるワスプ型モンスターにダーツを当てていく。先に結果から述べるが、コミナタ攻略班はここで惨敗。初めて、フィジカルゲームを突破できなかった。

QUEST3、シノンの部屋のフィジカルゲーム。ゲームオーバーが近づいているが6匹しかモンスターを倒せていない。

QUEST3、シノンの部屋のフィジカルゲーム。ゲームオーバーが近づいているが6匹しかモンスターを倒せていない。

このゲーム、的は大きいのだが、小さいダーツをコントロールするのが難しい。加えて、早くクリアするためには、モンスターが寄ってくるのを待たずに、遠くにいて的が小さい状態で当てなければならない

しかし、このゲームが一番簡単だという人も多いそう。普段からダーツに触れているような人はバシバシと的確に射抜いていくというのだ。個性のある部屋に数多く挑戦すればするほど、得意・不得意が分かれたパーティで挑戦することの意味を痛感させられる

QUEST3
普段、笑ってますか? ユイの部屋

最後に挑戦するのは、ナビゲーターとしてプレイヤーとダンジョン攻略をともにしてくれているユイの部屋。コミナタ攻略班の威信をかけ、なんとしてもQUEST3で1部屋はクリアしたい。

ユイのフィジカルゲームは床に表示されたパネルを通って部屋の奥のゴールラインを越えるというもの。足を置けるパネルは、徐々に狭まったり、一定時間で消滅したりするので、素早く移動することが重要だ。記者は正直、今回プレイした中ではこのユイの部屋が一番簡単なのではと感じた。攻略法も存在しており、部屋の奥まで来たらゴールラインまで飛び込んでもOKなのだ

QUEST3、ユイの部屋のフィジカルゲーム。六角形のパネルは時間が経つと徐々に赤く染まり、踏める場所が少なくなる。

QUEST3、ユイの部屋のフィジカルゲーム。六角形のパネルは時間が経つと徐々に赤く染まり、踏める場所が少なくなる。

そして最後の関門、デジタルゲームはゲージが溜まるまで笑顔を見せ続けるという、これまでのゲームとはまた違ったアプローチでプレイヤーに立ちはだかる。カメラが表情を感知して笑顔を判定してくれるのだが、本気の笑顔を見せないとなかなかゲージが溜まっていかない。そして、維持するというのが普段笑顔を忘れている人間には重くのしかかる。ゲームを終えたときには、攻略失敗という事実と口角の痛みだけが残っていた。

QUEST3、ユイの部屋のフィジカルゲーム。

QUEST3、ユイの部屋のフィジカルゲーム。

攻略を終えて

結果、QUEST3は5戦全敗。クリア率10%の難易度は本当だった。悔しさを胸に秘めながら、改めて松平氏に“激ムズダンジョン”「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」について話を聞いた。

悔しさを噛みしめるコミナタ攻略班の面々。

悔しさを噛みしめるコミナタ攻略班の面々。


──お話されていた通りQUEST3がとにかく難しかったです。この難易度だからこそ、完全制覇者が出たら、盛り上がりそうですね。

僕らは数カ月はクリア者は出ないんじゃないかなと想定しています。難易度はもちろんですが、施設自体のキャパシティが限られているのもあって、1人のプレイヤーが何度もプレイするのが難しいので。でも初クリアを狙っているユーザーは多いんじゃないでしょうか。すでにSNSなどでその圧を感じます(笑)。

──攻略のノウハウが共有されていきそうだなと体験していて思いました。それこそ「ソードアート・オンライン」に登場する攻略組のように。

攻略ギルドを作っていただいて、その中でパーティを組んで挑むということも起こっていくだろうなと僕らも期待しています。そして攻略組の方々が強くなれば、続々とクリア者も出てくると思いますね。そして後々はスコアで競っていくようになります。QUEST1のクリアは簡単なんですけど、実はやりこみ要素が詰まっているんです。敵をどう倒すか、ボスやレアモンスターをしっかり倒せるか、敵を誰が引きつけるかとか。

松平恒幸氏

松平恒幸氏

──話を聞いていたらまた挑戦したくなってきました。

ほかにも、モーションを反映するセンサーに撮られる上手さも上達要素としてあります。体を大きく使ってゆっくりした予備動作からダイナミックにモーションをとると、きれいにアバターが動くんです。

──ゲーム外に攻略要素を見つけていくのは、体を使う体験型施設ならではですね。

何度も挑戦してくださる人は、ソードスキルをどれだけ華麗に繰り出すか、いかにカッコよくモンスターを倒すかというところまでやりこみが進化していくと思っています。

──今回、2人から3人のパーティでしかゲームに参加できないというのも、体験してみて納得でした。これだけ個性あるゲームが用意されていると1人でカバーするのは難しいですよね。

パーティを必須とした一番のポイントは、チームワークを使って解いていくほうが、体験としての幅が広がっていくんです。それに、思い出は共有すると強まるので、ユーザーにその場を提供したいという思いもありました。「ソードアート・オンライン」の中でも、キリトはアスナとパーティを組んでさらに成長していきますよね。ソロ時代でなく、成長したキリトくんなら攻略できる、そういう思いも込めています。

──キリトとアスナのお話が出ましたが、ストーリー、ビジュアルともに発表されたときは衝撃でした。2人が敵だし、見た目もヒール感が全面に出ていて。

僕らの中でも「ソードアート・オンライン」でアトラクションをつくるなら、やっぱりキリトとアスナを軸にしたい。しかし、キリトとアスナが味方にいると、彼らの解決力が高すぎて、プレイヤーがすることがなくなってしまう。プレイヤーが全力で挑むなら……と原作元と検討していたときに、キリトとアスナが敵なら?というアイデアが出ました。エッジの効いた設定になったので胸アツです。

──印象的な衣装はどなたのデザインなんですか?

イラストレーターのLAMさんにご協力いただきました。LAMさんは、ヒールっぽい出で立ちのイラストがお得意なので、セクシーで、悪そうで、かつ強そうという衣装を仕上げてくださいました。僕らとしても納得のものができたと思っています。

「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」キービジュアル

「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」キービジュアル

──最後にこれからダンジョンに挑むプレイヤーにメッセージをお願いします。

初めにも言いましたが、まずは全力で挑戦していただきたいです。そして、家族、カップル、部活の仲間でもいいんですが、いろんなパーティで挑むたびに新しい体験が待っているので、ぜひいろいろな楽しみ方を見つけてください。ストーリーもダンジョンを進むほどにわかってくるようになっています。僕たちも作った手前、皆さんに見ていただきたいので、ストーリーを暴く攻略者の挑戦を楽しみにお待ちしています。

THE TOKYO MATRIX

THE TOKYO MATRIX

「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」のエントランス。

「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」のエントランス。

いざというときはアイテムを使って、有利に攻略しよう

ここで朗報だ。「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-」では、プレイヤーをサポートするためのアイテムを約80種用意。アイテムが有効なクエストで発動させることによって、各クエスト内の難易度を低下させたり、達成時間や制限時間を変化させたりすることができる。アイテムはTHE TOKYO MATRIXの新規登録時に、無料でいくつかプレゼントされるほか、アノマリー・クエスト ポータル内のメニュー「コール」から、施設内通貨・トポロを使うことで事前に購入可能。エントリーの際に、各プレイヤーの所持アイテムの中から全部で9個まで選択し、セットしてからクエストに挑むことで、有利にダンジョン攻略が行える。なおクエストで手に入れられるポイント・チアでも、アイテムに交換することができる。

アイテムとは、発動させることでクエストの難易度に影響を与える、思いのこもった不思議な結晶のことをいう。あらゆる脅威から仲間を守る「技能結晶 防護」など、さまざまな種類のアイテムがレベル毎にラインナップされている。

アイテムとは、発動させることでクエストの難易度に影響を与える、思いのこもった不思議な結晶のことをいう。あらゆる脅威から仲間を守る「技能結晶 防護」など、さまざまな種類のアイテムがレベル毎にラインナップされている。

アイテムの中にはクエストスタート時に自動で使われるものも。攻略を有利に進めたり、スコアを伸ばしたりするのに有効だ。

アイテムの中にはクエストスタート時に自動で使われるものも。攻略を有利に進めたり、スコアを伸ばしたりするのに有効だ。