コミックナタリー Power Push -「坂本ですが?」
ツッコミが存在しない「変」なマンガをアニメ化することへの挑戦 監督・高松信司、声優・緑川光、原作者・佐野菜見鼎談
坂本くんのナメクジに対する優しさがハンパない
──その中で完全に坂本主役っていうのはやりづらかったりしないですか?
緑川 そこは大変じゃないですね。セリフがそんなにないんで(笑)。
一同 あははは(笑)。
高松 坂本が一番しゃべってない(笑)。
──仕事量的には大変じゃないと。
高松 だって1話Aパートのアフレコ終わって、「これ杉田さん(あっちゃん役)しか喋ってないな」って思いましたから(笑)。
佐野 割と毎回、モブががんばる。
高松 そうそう。ゲストが主役みたいな回がちょこちょこありますから。
──そして坂本がいいところだけ持っていく(笑)。
緑川 そうですね(笑)。
高松 終わってみたら「あ、坂本がひと言しかしゃべってない」って回もあります。
──いろいろ型破りなアニメですね。
高松 そうですね、我々アニメスタッフが、この原作にどう挑戦したのかという軌跡をぜひ観ていただきたいです。動いたりしゃべったり音楽だったり、マンガではない部分でなんとかがんばって「坂本」の世界を表現しようとしたので、その成果を見ていただきたいと思います。
──楽しみにしてます。佐野さんは、最後に何か改めて「アニメのここを観て」というところはありますか?
佐野 たくさんあるんですけど……あえてピンポイントに言うとしたら、坂本くんがある回でナメクジを優しくたしなめるところがあるんですよ。そこぜひ観ていただきたい(笑)。
高松 そこ?(笑)
──調理実習の回で、レタスにナメクジが付いてるところですね。
佐野 坂本くんのナメクジに対する優しさがハンパないんですよ。
一同 はははは(笑)。
緑川 坂本がああいう優しい芝居したのってあそこが唯一でしたっけ?
佐野 そうですね、一番優しかった。
──原作を逸脱してる感じなんですか?
佐野 いや、原作通りなんですけど、そこをもっと膨らませていて。ぜひナメクジになった気持ちで観てほしいですね。
高松 確かにあそこは、ナメクジもいい芝居してるんで。
緑川 はははは(笑)。
佐野 ナメクジ、喋りましたっけ?
高松 いや、動きで(笑)。
緑川 やっぱり先生、すごいですよね。「最後に何か」って聞かれて、そこを持ってくるっていうのは素晴らしい感性だと思います(笑)。
佐野 フフフ。一応オチ要員なのかなって(笑)。
──いいオチが付いてありがたいです。では最後に皆さんで写真を撮らせていただきたいんですが、佐野さんは写真NGということで、緑川さんと監督に並んでもらって……。すみません、何かスタイリッシュなポーズをしてもらうことってできますか?
緑川 えっ?(笑)
佐野 じゃあ私がポーズ付けましょう。緑川さんは手をもっとこう……そう。そして少し……あごをひいて……監督はそう、メガネに指をあててもらって……そう。
──あ、ありがとうございます!
高松 この写真、記事に使われちゃうんだろうなあ……(笑)。
- アニメ「坂本ですが? 」
TBS:2016年4月7日(木)26:28~
MBS:2016年4月8日(金)27:10~
CBC:2016年4月7日(木)27:24~(※初回の4月7日は27:10~)
BS-TBS:2016年4月9日(土)25:30~
CS-TBSチャンネル1:2016年4月17日(日)25:30~
あらすじ
この物語は、とあるクール、いや、クーレストな高校生・坂本の学園生活を綴ったものである──。
キャスト
- 坂本:緑川光
- あっちゃん:杉田智和
- ケンケン:檜山修之
- 黒沼あいな:堀江由衣
- カナちゃん:田村ゆかり
- 八木さん:生天目仁美
- エリカ:高橋美佳子
- 安田:鈴木達央
- 角田先生:中田譲治
- 丸山先輩:稲田徹
- 深瀬さん:岩田光央
- 久保田吉伸:石田彰
- まりお:武内健
- 瀬良裕也:森久保祥太郎
- 藤田恵:中原麻衣
- みーちゃん:植田佳奈
- 田中さん:藤田咲
- 森田:前野智昭
- 小林茂:矢部雅史
- 久保田茂美:くじら
- 8823先輩:遊佐浩二
- 佐野菜見「坂本ですが?」1巻~4巻 / 発売中 / 670円 / KADOKAWA
- 「坂本ですが?」1巻
- 「坂本ですが?」2巻
- 「坂本ですが?」3巻
- 「坂本ですが?」4巻
佐野菜見(サノナミ)
1987年4月17日生まれ。兵庫県出身。2010年4月、Fellows! Vol.10A(エンターブレイン)に掲載された「ノンシュガーコーヒー」でデビュー。2011年1月、同誌の読者プレゼント用小冊子「Costume Fellows! 2011」に、6ページの短編「肩幅ひろし」が収録される。2011年8月、Fellows! Vol.18に読切として執筆した「坂本ですが?」が人気を博し連載化。その後、Fellows!の後継誌ハルタ(エンターブレイン)にて連載、2015年12月に完結した。
緑川光(ミドリカワヒカル)
5月2日生まれ。栃木県出身。1988年にテレビアニメ「キテレツ大百科」で声優デビュー。1991年「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」の新条直輝役で初めて名前付きの役を担当する。その後もアニメ「SLAM DUNK」の流川楓や「新機動戦記ガンダムW」のヒイロ・ユイ、「烈火の炎」の水鏡凍季也など二枚目かつクールな役を演じるほか、アニメ、ゲーム、特撮など数多くの番組に出演している。
高松信司(タカマツシンジ)
1961年12月3日生まれ。栃木県出身。1983年にサンライズ入社後、1985年に「機動戦士Zガンダム」で演出デビュー、1990年のOVA「機動戦士SDガンダム SDガンダム猛レース」で監督デビュー。「勇者特急マイトガイン」などの勇者シリーズ、「機動新世紀ガンダムX」などのガンダムシリーズに携わったあと、1998年より「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、2006年より「銀魂」を担当。その他の代表作に「スクールランブル」「美男高校地球防衛部LOVE!」など多数。
2016年5月2日更新