「最上編」は「やりすぎ」って怒られました
──立川監督と松田プロデューサーの中では、第2期を「こういうテーマで作っていこう」という共通認識のようなものはあったんですか?
松田 改めてそういう大きなテーマでの話をしたわけではないんですが、構成の打ち合わせをしている中で、「最上編」や「ホワイティ編」という原作のいいエピソードが肝になってくるシリーズになることがわかっていたので、第2期はより感情に寄り添った作品になるということは話したかなと。
立川 そうですね。あとは第2期を通しての「成長」というのも大きなテーマになるとは思うんですけど、モブが変わっていったところもあれば、あくまで変わらなかったところもあると思うんですね。その変わらなかった部分もモブにとっての普遍的なモブらしさであったり、本来の彼が持っている優しさであったりするので、そういうところにもちゃんと目を向けたいなと。変わるもの、変わらないもの、どちらも大事にできたらいいなと思っていました。
──画面的な話でいうと、第2期は第1期にも増して作画がすごいことになっているなと。劇場のスクリーンで「最上編」を拝見しましたが、TVシリーズとは思えない迫力でした(参照:「モブサイコ100 II」大迫力の“最上編”先行上映、伊藤節生&石田彰が胸中明かす)。
立川 社長に怒られましたもんね。「やりすぎ」って。「すみません」って(笑)。
一同 (笑)。
立川 「モブサイコ」って、ああいうアクションシーンを描けることがあんまりないんですよ。モブは力を持っていますけど、基本的にそれを人に向けるものじゃないと思っているから他者を攻撃しないじゃないですか。力を使うとしても襲ってくる相手の攻撃を防ぐため、逃げるため、みんなを守るために使うくらいで。「最上編」の後半は、みのりちゃんを救うために前向きにがんばってくれているので、マンガからは大きくはみ出てもいいから、派手にアニメでしかやれないことをやろうとああいう感じになりました。同じように、第2期の後半も原作から盛りに盛って、という部分は多いです。盛って、また社長に怒られて(笑)。面白いカットがいっぱいできているので、そこは楽しみにしていただければと思います。
2つの楽曲の違いを楽しんでほしい
──最後に、「99.9」「メモセピア / グレイ」のリリースも目前となりましたので、sajou no hanaの皆さんに聴きどころをお伺いできればと思います。
sana sajou no hanaとしては今まで冷たい雰囲気の曲が多かった中で、優しさやぬくもりを表現した楽曲ができたので、新しいsajou no hanaとしても聴いてもらいたいです。あとはどの曲もキャラクターたちのことを書いているので、それぞれ好きなキャラクターに落とし込んで聴いていただければと。きっとどのキャラクターにも当てはまるんじゃないかなと思います。
渡辺 「99.9」と「メモセピア / グレイ」、それぞれまったく異なるアプローチで作っているので、2つの楽曲の違いを楽しんでほしいですね。あと「99.9」のカップリングに収録されている「いきるひとびと」は、ぜひ聴いておいていただけるとうれしいです。
キタニ 「いきるひとびと」は僕が書かせてもらったんですけど、「グレイ」に負けない、いい歌詞が書けたなと自分では思っていて。
渡辺 「グレイ」に対してのアンサーソングになっているからね。
キタニ そうですね。なので歌詞カードを読みながら、聴き比べてもらえたらうれしいです。あと(「99.9」に収録されている)僕と翔さんがアレンジした「99 –sajou no hana arrange-」も我々としてはめちゃくちゃいい出来だなと思っているので、こちらもぜひ。
立川 ちなみに皆さんは歌詞を書くときってどうしてるんですか? どっかに行かないんですか? 森とか湖とか。
キタニ そんなアーティスト感は……(笑)。
立川 そういう感じじゃないんですね(笑)。
キタニ そっか……アーティストとしてはそうしたほうが……。普通にパソコンの前で、パジャマで「うわー!」って言いながら書いてます(笑)。
──でもそれは監督も似たような感じじゃないんですか?
立川 そうです。
キタニ そうですよね(笑)。
渡辺 みんなパソコンの前でこそ力を発揮する(笑)。
立川 でもどうしてもカットが思い浮かばないってなると、一旦作業を止めてどこかに行ったりはしますね。歩いたり、ご飯食べたりとか。
キタニ 僕、ボンズさんの会社の近くが地元だったので、中学生の頃からたまにコンビニとかで社員証をぶら下げた疲れた顔の大人を見かけると、「ああ、ボンズの人だ」ってずっと思ってました(笑)。みんな闘ってるんだな、お疲れ様です!って。
渡辺 そんなに昔から見てたんだ(笑)。
立川 そうだったんですね(笑)。ああでも、この近くに公園があるんですけど、暖かい時期は昼ごはん食べに公園に行って、ボーってすることもありますよ。けっこういい感じの景色があるんですよ。
──そこでインスピレーションが降りてくることも?
立川 いや、降りてこないっすね(笑)。
一同 (笑)。
- MOB CHOIR feat. sajou no hana
「99.9」 - 2019年3月6日発売 / ワーナー・ホーム・ビデオ
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DVD付盤 [CD+DVD]
1944円 / 1000740815 -
通常盤 [CD]
1296円 / 1000740816
- CD収録曲
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- 99.9[作詞・作曲・編曲:キタニタツヤ]
- いきるひとびと[作詞・作曲・編曲:キタニタツヤ]
- 99 –sajou no hana arrange-[作詞・作曲:佐々木淳一 / 編曲:渡辺翔・キタニタツヤ]
- 99.9(Instrumental)
- いきるひとびと(Instrumental)
- DVD付盤DVD収録内容
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- 「99.9」アニメオープニング映像
- sajou no hana「メモセピア / グレイ」
- 2019年3月6日発売 / ワーナー・ホーム・ビデオ
-
DVD付盤 [CD+DVD]
1944円 / 1000740817 -
通常盤 [CD]
1296円 / 1000740818
- CD収録曲
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- メモセピア[作詞・作曲:渡辺翔 / 編曲:キタニタツヤ]
- グレイ[作詞・作曲・編曲:キタニタツヤ]
- 目蓋の裏[作詞・作曲:渡辺翔 / 編曲:キタニタツヤ]
- メモセピア(Instrumental)
- グレイ(Instrumental)
- 目蓋の裏(Instrumental)
- DVD付盤DVD収録内容
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- 「メモセピア」アニメノンクレジットエンディング映像収録
- 「モブサイコ100 Ⅱ vol.001」
- 2019年4月3日発売
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント -
初回仕様版 [Blu-ray2枚組]
9396円 / 1000741621 -
初回仕様版 [DVD2枚組]
9396円 / 1000741628
- 初回仕様版特典
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- イベントチケット先行購入抽選申込券(昼の部)
- 亀田祥倫描き下ろしアウターケース
- デジパック仕様
- ライナーノーツ
- 特典CD「塩中放送部」新規録り下ろし
- 商品仕様
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- 音声特典:オーディオコメンタリー(伊藤節生、櫻井孝宏、立川譲)
- 映像特典:未定
ライブ情報
- sajou no hana 1st ONE MAN LIVE
「沙上の夜 act1」 -
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2019年5月4日(土)
東京・新宿Marble
START 18:00
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2019年5月4日(土)
東京・新宿Marble
イベント情報
- 「モブサイコ100 Ⅱ」サイコヘルメット教の集い・スペシャルイベント2019夏(仮)
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2019年7月7日(日)
埼玉・春日部市民文化会館 大ホール
昼の部 START 14:30(予定)
夜の部 START 18:00(予定) <出演者> 伊藤節生、櫻井孝宏、sajou no hanaほか
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2019年7月7日(日)
埼玉・春日部市民文化会館 大ホール
- sajou no hana(サジョウノハナ)
- 数々のアニメヒットソングを手がけてきた渡辺翔、多数のアーティストへ楽曲提供しシンガーソングライターとしても活動するキタニタツヤ、2014年にスマイルカンパニー主催のアニメ限定オーディションに合格し、TVアニメ「モブサイコ100」のオープニングテーマを歌唱した経歴を持つボーカリストsanaからなる3人組バンド。2017年11月に始動し、2018年8月にTVアニメ「天狼 Sirius the Jaeger」のエンディングテーマ「星絵」を表題曲とした1stシングルをリリースした。10月に東京・新宿MARZで初ライブを経験し、12月に配信限定シングル「あめにながす」を発表。2019年1月よりTVアニメ「モブサイコ100 Ⅱ」のオープニングテーマとエンディングテーマを担当し、3月にMOB CHOIR feat. sajou no hana名義のシングル「99.9」と、sajou no hana名義の両A面シングル「メモセピア / グレイ」をリリースする。
- 立川譲(タチカワユズル)
- アニメ監督、演出家。「BLEACH」「キルラキル」「進撃の巨人」などのアニメ作品の絵コンテや演出を担当。2013年には自身が原作、脚本、監督を手がけたアニメ「デス・ビリヤード」が全国の映画館などで公開された。2015年1月には自身が原作、監督、シリーズ構成を担当したアニメ「デス・パレード」がオンエア。2018年には劇場版「名探偵コナン ゼロの執行人」で監督を務め、同作は興行収入が91億を超える大ヒットを飛ばした。現在は第1期から引き続きアニメ「モブサイコ100 Ⅱ」の監督を担当している。
- 松田章男(マツダアキオ)
- アニメプロデューサー。「モブサイコ100」のほか、主な作品に「ハヤテのごとく!」シリーズ、「神のみぞ知るセカイ」シリーズ、「赤髪の白雪姫」シリーズ、「ひそねとまそたん」「劇場版 はいからさんが通る」前・後編などがある。
©ONE・小学館/「モブサイコ100 Ⅱ」製作委員会