愛され続け元気をもらえる作品の一翼を担えれば
──月蝕會議さんはトリビュートアルバム「美少女戦士セーラームーンTHE 25TH ANNIVERSARY MEMORIAL TRIBUTE」に参加したり、「美少女戦士セーラームーン Prism On Ice」にも楽曲提供予定とのことですが、お仕事として関わって作品への印象は変わりましたか?
エンドウ. こんなに熱いファンの人たちが周りにいたんだって改めて気付かされましたね。
タクヤ 仕事で一緒になる人とか、舞台の制作さんにも、「セーラームーンの曲、やってましたよね!? ずっと好きだったんです」って言われることが多くて、驚きますね。それだけいろんなところに熱いファンの方々がいるんだなと。長く愛されている作品なので、ファンの方に受け止めてもらえるか、責任重大だなとずっと感じています。ファンの方々は自分を作品に投影しながら勇気をもらったり、仲間がいることの大切さ、夢を諦めないとかそういったものをもらって前に進んでいるのかなって思うんで、僕らは遅い参入ですけど、その一翼を担えればいいなって思いました。
Billy 主人公のうさぎちゃんは決して優秀とは言えないキャラで感情移入しやすいですし、アイテムにしても絶対女の子が憧れるようなデザインだったり、人気作品たらしめる要素が詰まりまくっているんだなと感じます。僕はアーティストとして当時のテーマソングに影響を受けていまして。関わらせていただくときはいつも、当時を意識したギターのフレージングだったり、懐かしい感じを意識しているので、皆さんのセーラームーン愛に寄り添うように関われていたら光栄だなと思います。
──監督は「Crystal」3期から制作側として作品に携わっていますが、どんな感慨がありましたか。
今 お、おお……って感じ(笑)。当初、3期と4期を続けて作業する予定だったのですが、3期の最終回のコンテも終わった後に「4期のテレビ放送、一旦止まります」って急に言われて「え!?」とびっくりして。最終回は4期に続かないところで終わらせなくてはならなくなり、ペガサスが出る前にバン!というラストにしました。その後、「4期は劇場で」というお話を聞いて、「おお! 劇場! いいですね!」って。テレビとは違ったワクワクが劇場版にはありますよね。
──好きだからこそ、監督するにあたってこだわっていることは?
今 やっぱりキャラクターがブレないことですね。みんなが思い描いている原作のキャラクター像を忠実に再現したいですし、マンガの中の子をアニメとして昇華させてあげたいなって。
それぞれのキャラクターにキラキラする要素がある
──「Eternal」はそれぞれのキャラクターにスポットが当たるので、どのキャラクターが好きでも楽しめるところがありますよね。ちなみに皆さんは誰推しでしょうか?
今 私はムーンです。わかりやすい主役が好きで。
エンドウ. 僕はマーズですね。北川景子ファンなんで(笑)。決めゼリフもいいですよね。「火星にかわって折檻よ!」って。
──北川さんは実写版「美少女戦士セーラームーン」でマーズを演じていましたね。
タクヤ 僕もマーズですね。なんでだろ、カラスが友達だからかな。
Billy 僕はストーリーを重視してしまうので、作品を観てキャラクターに感情移入することが少ないんですよ。強いて言うなら……。
エンドウ. 地場衛さんですか。
Billy うーーん、わかりやすいムーンかなあ。
今 やっぱり、作品の顔ですしね。
──熱狂的なファンに愛され続けている「セーラームーン」ですが、来年にはついに30周年を迎えます。なぜここまで愛されるのか、皆さんが考える魅力と、これから映画を観る方へのメッセージを最後にいただければと思います。
エンドウ. 登場キャラクターがひたすらかわいいですし、映画はクライマックスが超カッコよくて最高なので、ご期待ください! あとキャラの首の形が細くてスッとしていてきれいなので、そこにも注目してください。
タクヤ (笑)。かわいいというのは一番の正義ではありますよね。敵もそうだし、レイちゃんのおじいちゃんも目がキラキラでかわいいんですよ。それぞれのキャラクターにキラキラする要素があるから、みんなハマっていくんでしょうね。
Billy なんといってもアニメって、絵で観たくなるかならないかが決まるんじゃないかって思うんです。そういう意味では圧倒的な魅力を放っている作品で。クライマックスシーンの楽曲という、大役を任されたような気持ちで僕たちも作りましたので、映画館の音響で聴いていただけたら、うれしいですね。
今 皆さんが全部言ってくれたのであまり付け加えることはないですが(笑)、アニメ監督がキャラソンの歌詞や楽曲に口出しをすることって普通はなくて、今回が初めてだったんですけど、普段できないことをやらせてもらえたのは貴重な経験でした。あのクライマックスシーンをアニメ化するのはなかなか難題で、課題はいろいろあったけど、素敵にまとまってよかったなあと思います。