“「プリキュア」史上初、犬のプリキュア誕生!”という触れ込みで、放送前から話題を集めたアニメ「わんだふるぷりきゅあ!」。物語も折り返しを過ぎ、ますます盛り上がる10月12日、音楽イベント「わんだふるぷりきゅあ!LIVE2024 FUN☆FUN☆えぼりゅーしょん!」が神奈川・KT Zepp Yokohamaで開催される。
ライブに向けて、コミックナタリーでは「わんだふるぷりきゅあ!」主題歌アーティストの吉武千颯、石井あみ、後本萌葉にインタビューを行った。プリキュアシンガーとして全国各地でイベントやライブを重ね、“大好き”と“なかよし”を深めてきた3人。忘れられない日になったという「全プリキュア 20th Anniversary LIVE!」の話題から、ともに走ってきた「わんぷり」の魅力、「わんぷりLIVE」で伝えたい気持ちまで、たっぷり語ってもらった。
記事の後半では、キュアワンダフル/犬飼こむぎ役の長縄まりあ、キュアフレンディ/犬飼いろは役の種﨑敦美、キュアニャミー/猫屋敷ユキ役の松田颯水、キュアリリアン/猫屋敷まゆ役の上田麗奈へのQ&Aをお届け。ライブへの意気込みはもちろん、特に印象に残っている1話は?という質問への回答も必見だ。
取材・文 / 柳川春香
「わんだふるぷりきゅあ!LIVE2024 FUN☆FUN☆えぼりゅーしょん!」配信情報
出演
長縄まりあ / 種﨑敦美 / 松田颯水 / 上田麗奈 / 吉武千颯 / 石井あみ / 後本萌葉 / Machico / 北川理恵
2024年10月12日(土)
<ピカピカあふたぬーん公演>
視聴OPEN 13:30 / START 14:00
<トキメキないと公演>
視聴OPEN 18:30 / START 19:00
アーカイブ視聴期間
ライブ配信終了後準備整い次第開始~2024年10月27日(日)23:59
吉武千颯×石井あみ×後本萌葉
お互いが、かけがえのないパートナー
──吉武さんは2019年の「スター☆トゥインクルプリキュア」、後本さんは2022年の「デリシャスパーティ♡プリキュア」、石井さんは2023年の「ひろがるスカイ!プリキュア」でプリキュアシンガーの仲間入りをされました。すでにいろんなステージでご一緒されているかと思いますが、初めて出会ったときの印象などは覚えていますか?
吉武千颯 私とあみちゃんは「ひろがるスカイ!プリキュア」のレコーディングだったよね。最初から“はじめまして感”があまりなくて、「この子とはすぐに仲良くなれそう!」って思いました。それからは一緒にご飯に行ったり、一緒にステージに立つこともいっぱいあって。今は「一緒にいたら大丈夫」って思える、心強い存在になっています。
石井あみ うれしい! ちはちゃんと初めて会ったとき、私はまだ歌手デビューする前だったので、「芸能人だ……めっちゃかわいい!」って(笑)。そのときも、ちはちゃんが「あみちゃんって呼ぶね」って言ってくれたり、「デリシャスパーティ♡プリキュア感謝祭」で初めて一緒にステージに立ったときも、緊張している私をステージ裏でぎゅってしてくれたり。そういう1つひとつの言葉がうれしくて優しくて……大好き(笑)。
吉武 えへへ(笑)。ありがとう。
石井 萌葉ちゃんとは、最初にちゃんとお話ししたのは「わんぷり」のレコーディングで、すぐに「あみちゃーん!」って萌葉ちゃんから仲良くしてくれて。夏休みはサンシャインシティのイベント(「わんだふるぷりきゅあ!いっしょにあそぼ♪わんだふるワールド」)でたくさん一緒にライブしたんですが、終わった後にすぐ感想を聞いてくれたり、次はこうしたいよねって言ってくれたり、本当にいつもありがたいです。
後本萌葉 あみちゃんはほわっとしてるけど、すごく頼りになる存在です。「全プリ」(「全プリキュア20th Anniversary LIVE!」)で初めて一緒に「FUN☆FUN☆わんだふるDAYS!」をお披露目したときも、一緒に練習していく中で、いろんなことを教えてくださって。そのときに「かけがえのないパートナーになっていきたいな」って思っていたんですが、すでに私にとってはもう、かけがえのない存在になっています。
──さらに吉武さんと後本さんは、同じ事務所の同期なんですよね。
吉武 そうなんです。同じオーディションでこの業界に入ったので、出会ったのは7年前になるんですけど、まさか一緒に「プリキュア」シリーズの歌を歌える日が来るとは思ってなかったですね。
後本 千颯ちゃんとは今までいろんなことを一緒にやってきたんですけど、「デパプリ」で初めて「プリキュア」の歌を歌わせていただいたときに、いつか同じシリーズで千颯ちゃんがオープニングを歌って、私がエンディングを歌えたら、って思っていたんですよ。
吉武 そうだったんだ!
──実現したのはすごいことですよね。付き合いの長いおふたりですが、プリキュアシンガーとしてのお互いはどんな存在ですか?
吉武 最初に「プリキュア」のライブで一緒になったのが「デパプリLIVE」(「デリシャスパーティ♡プリキュアLIVE 2022 Cheers!Delicious LIVE Party♡」)で、そのときの萌ちゃんはすっごく緊張してたんです。でも「全プリ」のときは全然緊張も感じないし、すごく成長していて、さすがだなって思ってました。萌ちゃんは「いくぞ!」って思ったらまっすぐ突き進んでいけるタイプだから、私も見習いたいですし、出会って長いこともあって、一緒にいると安心する存在ですね。楽曲が増えるたびにいろんな萌ちゃんの表情が見えてくるのも楽しいです。
後本 「デパプリLIVE」のときは、私が自分のライブに反省点があって、楽屋で泣いてしまって。そのときに千颯ちゃんが甘いものを持って来てくれたり、たくさん話を聞いてくれて、「萌ちゃんが楽しいって思ったんだったら、それでいいんだよ」って。その言葉で乗り越えられたので、「次は千颯ちゃんに頼ってばっかりじゃなく、自分でもがんばるぞ」っていう気持ちでがんばってきました。なので、今褒めてもらえてすごくうれしいです(笑)。
「全プリキュアLIVE!」は一生忘れられない景色
──吉武さんはプリキュアシンガーに加わって6年経ちましたが、こうして先輩になって心持ちが変わってきた部分もあるのではないでしょうか。
吉武 そうですね。最初は何もわからない状態だったところから、(北川)理恵さんやMachicoさんの背中を追ってここまで来て、あみちゃんと萌ちゃんが加わって、ずっと後輩でいられたのが、引っ張らなきゃっていう立場にだんだん変わってきて……。やっぱりそこは、今まで自分が理恵さんやMachicoさんの背中を見て感じてきたものを、後輩たちに伝えられたらなって思います。「プリキュア」は“バトンをつなぐ”というのも1つの大事な要素なので、私もみんなからもらってきたものをつないでいかなきゃって、そこは常に感じていますね。
後本 千颯ちゃんは、かわいらしくてキュートなんですけど、すごくしっかりもののお姉さんなんですよ。3人でステージに立つときも千颯ちゃんがすごく引っ張ってくれてて。
石井 「こうしたほうがいい」って直接言うんじゃなくて、千颯ちゃんが背中で見せてくれるんですよね。レールを敷いてくれて、そのうえで自分らしさを出せる環境を作ってくれるので、すごく感謝してます。
吉武 照れちゃう(笑)。ただ、自分の中の感情としては大きく変わった部分はないかなって思っていて。常に初心を忘れないようにって思っていますし、プリキュアシンガーになったときから「プリキュア」への愛も、歌に対する思いも、変化というよりどんどん増している状態ですね。
──先輩後輩と言えば、先ほどもお話に上がりましたが、「わんぷり」スタートの直前には「全プリキュア20th Anniversary LIVE!」に揃って出演されました。歴代のプリキュアシンガーと一緒にステージに立つ貴重な機会だったと思いますが、お三方にとってはどんな経験になりましたか?
吉武 あの光景は一生忘れられないだろうと思います。声優や歌手のみんなだけじゃなく、「プリキュア」ってシリーズごとにたくさんのスタッフさんが関わっているじゃないですか。その何百人もの人がつないできた愛があり、さらに会場・配信を含めて数万人という方が観てくださって。すごい数の人たちの愛があの時間に集約されている、本当に愛のこもった、歴史を感じるライブでしたね。
後本 お客さんの近くを通る演出があったんですけど、小さいお友達から一緒に大人になってくれたお友達まで、いろんな方がいらっしゃって。こんなに幅広い年代に愛されて、20年間変わらぬ愛を届けてくれる作品に関われたことが改めてうれしかったですし、「プリキュア」の歴史に残って恥じない歌手になりたいって思いました。
石井 一生忘れられないライブだなって思いましたし、ずっとうるうるしてましたね。お客さんの顔がすごくよく見えて、「こんなに『プリキュア』を大好きな人が、こんなにたくさん集まって、本当に幸せな空間だな」って。私も小さい頃から「プリキュア」が大好きだったので、同じように「プリキュア」を好きだった女の子や男の子が、大きくなってまた同じ場所に集まって、みんなで「プリキュアが大好き」っていう気持ちを共有できた空間だったんじゃないかなって思います。
──特に印象に残っている場面はありますか?
吉武 やっぱりプリキュアシンガーが全員揃えたことがうれしかったですね。「All for one Forever」も初めて揃って歌えましたし、あと私とあみちゃんは、五條真由美さんと一緒に最後の挨拶をさせていただいたんですけど、それも本当に忘れられなくて! 皆さんが見守ってくださっている中で挨拶をさせてもらう、あの空気感はもう、緊張どころじゃなかったよね(笑)。
石井 うんうん(笑)。
吉武 自分が発する言葉の重み、責任感をすごく感じながらご挨拶させていただきました。それ以外も、一瞬一瞬がすべて頭の中で形となって残っているくらい、思い出がいっぱいですね。また25周年のライブがあるといいなって思いながら過ごしております。
“ふたり”から“みんな”へと広がってきた「わんぷり」
──そして「わんぷり」の放送が始まって、早いものでもう物語も折り返しを過ぎました。ここまでご覧になっての感想や、お気に入りのエピソードを教えてください。
吉武 とにかく温かい作品だなって感じます。動物を飼っているお友達だけじゃなく、動物とまだあまり触れ合ったことがないお友達にも、いろんな感情を届けてくれる作品なんじゃないかなと。お気に入りのエピソードはいっぱいあるんですが……最初にこむぎがいろはを守りたくてプリキュアになったところも忘れられないですし、まゆがユキに「言葉が通じなくても伝わってたよ」って伝えるシーンもすごく感動しましたし……思わず泣いてしまう回が毎週続いているくらい、動物と人間との愛がたくさん描かれていて、そこは「わんぷり」ならではの大好きなところですね。
──特にワンちゃんやねこちゃんを飼っていると、毎週泣いちゃいますよね。
吉武 そうなんです! 私も実家でワンちゃんを飼っているので、共感ポイントがありすぎて。こうやって思ってくれているのかなとか、こういう気持ちが届いていたらいいなあって。
石井 私も犬を飼っているんですが、こむぎによく似ているんですよ。なので、毎週「わんぷり」を観るたびになでなでします(笑)。第1話で、いろはちゃんが学校に行っちゃってこむぎが寂しがっているエピソードを観たときは、お仕事で出かける日だったんですけど、「やーどうしよう、連れてったほうがいいのかな」って(笑)。
吉武 思っちゃうよね!
石井 おうちに誰もいない間どうしてるんだろう、どんな気持ちでいるんだろうとか、すごい考えちゃって。でもそのぶん一緒にいられる時間は寂しさがなくなるくらい、いっぱいかわいがりたいとか、いつも一緒にいてくれてありがとうって気持ちを、より感じるようになりました。
後本 特に印象に残ってるエピソードでいうと、こむぎちゃんがアジリティに挑戦するお話(第22話「わんだふるご~!」)。最初こむぎちゃんが合図の言葉がわからなくて、いろはちゃんが合図を「大好き」と「なかよし」ってワードにしたんです。それが合図になるってことは、きっとこむぎがまだしゃべれなかったときから、いろはちゃんがこむぎに語りかけてた言葉なんだろうなって思って、絆を感じてうるうるしちゃった回ですね。その後ガルガルと戦うとき、キュアフレンディが「大好き」「なかよし」って声をかけながらキュアワンダフルがガルガルに立ち向かっていくところ、もう泣いちゃう!
──“大好き”と“なかよし”は「わんぷり」を象徴する言葉ですよね。オープニング主題歌の「わんだふるぷりきゅあ!evolution!!」も「大好き」から始まりますし。
吉武 オープニングには「わんぷり」が届けたいすべてが詰まっているなって思いますね。映像も、こむぎといろはがぎゅってするところとか、みんなで一緒に走り出すシーンとか、好きなポイントがいっぱいありますし、レコーディングのときに思い描いていたものと重なる部分がいっぱいあってうれしかったです。歌詞には「一緒にいようね」っていう思いがたくさん込められているんですが、ワンちゃんやねこちゃんだけでなく、私もプリキュアがパートナーだと思ってますし、聴いてくれるお友達のみんなもパートナーだと思っているんです。みんなに思いをたくさん伝えられる楽曲なので、大切に歌っていきたいです。
石井 前期エンディング主題歌の「FUN☆FUN☆わんだふるDAYS!」が流れている期間は、こむぎといろはのペアのお話が多くて、後期に変わってからはわんぷりメンバーみんなでの学校生活だったり、ツチノコを探したりとか(笑)、“みんなでいる”ことが描かれるようになってきたと思うんです。後期エンディング主題歌の「しあわせえぼりゅ~しょん♡」はそういうワールドワイドな感じを表現しているお歌なので、お話が進んでいく中でハマっていった感じがありました。
後本 「FUN☆FUN☆わんだふるDAYS!」のときは“一緒にいれて楽しいね”という感じだったのが、「しあわせえぼりゅ~しょん♡」の歌詞は“一緒にいてくれてありがとう”という雰囲気ですよね。「しあわせえぼりゅ~しょん♡」は大切な人に向けた、気持ちが温かくなるような歌だなって感じます。