PHSのサービスが2020年7月に終了(※)することに併せ、長らくPHSサービスを提供し続けてきたワイモバイル(2014年にウィルコムより社名変更)が、秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」とコラボした特設サイト「ありがとうPHS×こち亀」を公開。同サイトではこれまでPHSが歩んだ歴史を「こち亀」キャラとともに振り返る「こちらワイモバイルPHS歴史年表」や、PHSサービスの終了を嘆く両さんたちがドタバタ劇を繰り広げる特別マンガ「ありがとうPHS!の巻」(監修:集英社/制作:ワイモバイル)などのコンテンツを展開している。コミックナタリーは「ありがとうPHS×こち亀」をより楽しむための副読コンテンツとして、「こち亀」に登場した電話にまつわるエピソードを紹介しながら、PHSを含めた電話の歴史を辿っていく。
※テレメタリングサービス向け料金プランは2023年3月末をもって終了。
文・構成 / 宮津友徳
PHSは「Personal Handyphone System」の略で、当初は「簡易型携帯電話」などと呼ばれていた。携帯電話は自動車電話などから進化したもので、基地局から数kmの範囲(1~5km程度)で利用できるのが特徴。一方PHSは家庭用コードレスホンの技術を応用したもので、電波の出力が抑えられていたため、利用できる範囲は基地局から数百メートルに限られていた。また移動中に基地局間の橋渡し(ハンドオーバー / ※基地局切り替えのこと)ができず、通話が切れてしまうこともあった。しかし、電波の出力が抑えられたメリットもあり、端末は消費電力が少なく、1週間以上、充電せずに使い続けることも可能だった。電磁波も弱かったため、機器への影響が心配される医療機関などでも広く採用されることになる。
(文 / 法林岳之)
電話と「こち亀」の関係は歴史が深く、第1話「始末書の両さん」から派出所の備品としてダイヤル式の黒電話が登場しており、その後プッシュホンやFAX、留守録付きなど時代とともに派出所の電話もアップデートがなされてきた。「こち亀」と言えば特定のガジェットにスポットを当てた1話完結型の話が多いのが特徴だが、1970・80年代はまだそういった形式のエピソードは少なく、電話はあくまで両さんたちが使うアイテムのひとつとして登場することが多かった。
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- 「発明の日!の巻」
- 単行本19巻収録
- VR技術を使ったゲームにまつわるエピソードを1990年代に描き、「時代を先取りしている」と話題になったこともある「こち亀」(参照:ムック「ジャンプVR」に、みずしな孝之らのレポートやこち亀の再録)。未来を予言するかのような発明品やアイデアはほかにも多数登場しており、1980年に描かれた「発明の日!の巻」には、電話線なしで使えるという、携帯電話を想起させる家庭用電話機が登場している。「大発明じゃないか!」と興奮する両さんであったが、しゃべってから相手に聞こえるまでに1日かかるという欠点があるため、まったく使えない代物であった。
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- 「テレビでこんにちは!の巻」
- 単行本59巻収録
- オンライン飲み会という言葉をご存知だろうか? 距離や時間の関係で直接会うのは難しいという人々が、SkypeやLINEのグループ通話などを使ってオンライン上で行う飲み会だ。59巻収録の「テレビでこんにちは!の巻」では、そんな飲み会を先取りするかのようにカメラ付きのテレビと電話回線を利用して行われるクラス会のエピソードが描かれており、両さんは飲み会をセッティングする業者でアルバイトとして参加している。
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- 「FAXします! 私のすべての巻」
- 単行本65巻収録
- 1980年代末期には派出所にもFAXが導入されることに。派出所に導入されたFAXにはコピー機能もついており、立体物のコピーもとれると気付いた両さんは、自分の裸をコピーしてみたり、部長の顔と自分の裸を合成した写真を作ったりとおもちゃのように使い倒す始末。そして手違いで部長のヌード写真が警察署に送られてしまい……。本エピソードのラストは、部長が武装して「両津の大ばか野郎はどこにいる!?」と派出所へやってくるおなじみのオチで締められている。
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日本の電話サービスはもともと、日本電信電話公社(電電公社)が提供し、当時、多くの人は電電公社から貸与された円形のダイヤルを回して電話番号を入力するダイヤル式黒電話を利用していた。その後1985年に電電公社の民営化と端末の自由化(通信の自由化)が実施され、家庭などで利用する電話機は家電店などで自由に購入できるようになる。これにより現在の電話機のようなプッシュボタン式電話機やファクシミリなどが普及した。なかでも象徴的だったのがPHSの原型とも言える「コードレスホン」で、1980年代後半に盛り上がりを見せたトレンディドラマで使われたことで、爆発的なヒット商品となる。1985年の通信自由化によって、新しい通信事業者が参入し、日本テレコム(現在のソフトバンク)や第二電電(現在のKDDI)などが長距離電話の中継サービスを提供した。この新規参入によって、各社の競争が始まり、自由化前に3分400円だった東京~大阪間の通話料は、その後の10年で3分180円まで値下がりすることになる。
(文 / 法林岳之)
1996年に連載20周年を迎え、単行本100巻が発売されたほかTVアニメの放送もスタートした「こち亀」。1990年代にインターネットが一般に普及し始めたこともあり、90年代後半にはパソコンをはじめとしたネットに関連したガジェット機器にまつわるエピソードが増え始めた。そんな中で携帯電話やPHSが登場するエピソードも数多く描かれている。
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- 「コードレス・パニックの巻」
- 単行本70巻収録
- 黒電話から始まり、プッシュホンを経て本エピソードから派出所の電話がコードレス仕様に。物珍しさからお互いに電話をかけて遊んだりする両さんたちだったが、2台あった受話器のひとつを犬に盗られ、もうひとつを天ぷら油の中に入れて壊してしまう。なお同エピソードが描かれた1990年代初期は家庭用電話機に留守番電話やFAX、インターホンなどの機能が付き始めた時代で、部長がその機能の多さに四苦八苦するエピソードも(単行本69巻収録の「家電恐怖症の巻」)。
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- 「ハイパー小学生!?の巻」
- 単行本82巻収録
- 中川や麗子はもちろん、海パン刑事などさまざまなキャラクターが携帯電話を使用し始めた1990年代初期。以降レギュラーキャラクターとなる電極一家の長男+が初登場した本エピソードは携帯電話をはじめ、電子手帳やコンピューターなど当時最新鋭の技術がこれでもかと盛り込まれて描かれた。この後「こち亀」ではハイテク電化製品が紹介される際に、+のほかその父であるスーパー電子工機の社長・電極スパークも登場するようになる。
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- 「携帯電話魔!の巻」
- 単行本83巻収録
- そのサブタイトル通り、携帯電話が大きくフィーチャーされたエピソード。物語の前半では、電車の中で携帯電話を使い仕事の話をしているサラリーマンたちを見た両さんが「本当に日本人は勤勉だ」と驚く様子が描かれている。後半では気が小さいため「直接話すよりも電話のほうが楽だ」と、家族とすらも常に携帯電話で話すという男性が登場。携帯電話を使って家族と話すようになったのは最近からという男性だったが、オチではその使用料金の高さに恐れおののくことになる。通話し放題なシステムがある現代と比較すると、時代の違いを感じさせる内容だ。
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- 「ポケベル新商法!の巻」
- 単行本99巻収録
- 1990年代中盤まで若者たちの間で通信機器として流行していたのがポケットベル。その歴史は意外にも古く、アメリカでは1950年代には実用化されており、日本では1968年にサービスがスタートした。90年代中盤に女子高生を中心に隆盛を極め、本エピソードでは両さんが女子高生たちのポケベル契約を代行して取り仕切っている。物語の後半では両さんが電極スパークと組んでペンシル型のポケベルを開発する様子も。なおポケベルは2019年9月をもってサービスが終了している。
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- 「携帯電話なくすべからずの巻」
- 単行本100巻収録
- 携帯電話かPHSの購入を考えているという寺井(同エピソード掲載時の名前。170巻収録の「『改名くん』の巻」で丸井ヤング館に改名している)のために、両さんがその違いを解説。携帯電話よりも料金が安いということを聞き「PHSでいいかな」と言う寺井に対し両さんは、携帯とPHSでは電話が繋がらないことや(1996年当時)、周囲の友人たちが安いからとPHSを買ったせいで自分もPHSを買わなければならなくなったことなどをまくしたてるように説明する。
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- 「警察手帳超進化論!!の巻」
- 単行本104巻収録
- スケジュール管理やToDoリスト、メモなどの機能を搭載し、現在のスマートフォンにもつながるガジェットとして1990年代に流行した携帯情報端末。劇中ではインターネットやメールなどはもちろん、PHSの機能まで付いた電子警察手帳が両さんたちに配られており、本エピソードはそんな電子警察手帳を軸に物語が進行している。1997年当時たまごっちが流行していたことから、電子警察手帳にも鳥を育てる育成シミュレーションゲームがインストールされていたが、両さんが育てた鳥はデータを破壊してしまうウイルスのようなキャラで……。
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通信の自由化により、1990年代には次々と新しいサービスが登場。1995年に発売された「Windows 95」はパソコンから電話回線に接続し、人々がインターネットを使い始めるきっかけとなったが、その都度、電話をかける「ダイヤルアップ接続」で、通話料も従量制だったため、月々の電話料金が高くなってしまう傾向にあった。そこで、NTTは1995年に23時から8時までの間だけ、特定の相手に定額で電話ができる「テレホーダイ」をスタートさせ、人気を集める。そして、同じく1995年にはDDIポケット(現在のワイモバイル)、NTTパーソナル(後にNTTドコモが吸収)、アステルの3社によるPHSサービスがスタートした。当時、女子高生のコミュニケーションツールとしてポケットベル(ポケベル)が人気だったが、DDIポケットがいち早く実現したPHSのテキストメッセージサービス「Pメール」が取って代わる。その後PHSはまたたく間に女子高生の定番アイテムとなり、「ピッチ」という愛称とともに広く親しまれた。携帯電話もアナログ式からデジタル式に切り替わり、1997年にはデジタルホン(現在のソフトバンク)がメールサービス「スカイメール」の提供を開始し、1999年にはNTTドコモの「iモード」がスタート。これによって本格的に携帯電話によるインターネットやメールの時代が始まることになった。
(文 / 法林岳之)
2000年代も携帯電話の機能アップデートが続き、カメラやテレビ電話、ナビ、電子マネー決済などさまざまな機能が搭載されていく。「こち亀」内ではもちろんそういった機能をいち早く、中には現実世界での登場前から紹介しており、携帯のカメラで撮影した写真を元に暴漢を捕まえるという警察官らしいエピソード(134巻収録「檸檬と蜜柑の巻」)に加え、電話で連絡を取り合いながら山手線ですごろくをする「山手線双六」などのオリジナルの遊びを行うエピソードも描かれている。
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- 「超興奮!? 麗子ウォッチング!の巻」
- 単行本121巻収録
- 中川の会社で開発された、カメラ付きでテレビ電話もできる携帯のモニターを頼まれた両さんや麗子。当時、現実世界のテレビ電話は映像がなめらかではなく実用的とは言えない部分もあったが、劇中のテレビ電話はPHSの最高速回線を使用しているという設定で動画がスムーズに動くのが特徴だった。ある時、テレビ電話を通して麗子の生活を偶然覗き見ることに成功した両さんは、その後インターネットで麗子の日常を盗み見られるサイトを開設するが……。
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- 「驚異のシルバーIT!の巻」
- 単行本129巻収録
- 折りたたみ式の携帯電話が主流となった2000年代。劇中では両さんの祖父・勘兵衛が、オンデマンド方式の映画鑑賞やキャッシュレス決済などに対応したEDOフォンを販売するとともに、美女を講師に据え老人男性を対象にした携帯電話教室を開くことで、シニア世代の顧客を多数獲得していた。一方で両さんはその後現実世界でも販売されることになる、無駄な機能を排除した携帯初心者やシニア向けのシンプルな端末を考案し、ヒットを飛ばしている。
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- 「私のケータイライフの巻」
- 単行本160巻収録
- 「こち亀」内では古くから描かれていた、携帯電話を使ったキャッシュレス決済やナビゲーションシステム。現実世界でもキャッシュレス決済やナビシステムが浸透し始めた2007年には、大原部長がそういった機能を持つ最新の携帯電話を持つというエピソードが描かれた。現金をチャージし、携帯の中にお金が入っているという両さんに対し「うそをつくんじゃない」と怒ったり、携帯で電車の改札を通れることを訝しんだりする部長だったが、次第にその機能を使いこなし、調子に乗ってしまう。なお本エピソードでは同じく2007年に初代が発売されたiPhoneにも触れられている。
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- 「モバイルゲーム王の巻」
- 単行本170巻収録
- 携帯電話のユーザーがアプリゲームを楽しむようになったのも00年代の特徴のひとつ。アプリゲームを販売するポータルサイトを作成しひと儲けしようと目論んだ両さんは、面白いゲームを作成している素人に声をかけ、500本のゲームが並ぶ「ゲームの両津堂 カンタン500」をオープンさせる。滑り出しも好調で、1日のダウンロード収入が300万円にも達したものの、クリエイターに金を払うのが惜しくなった両さんは、二重帳簿を付けてしまい……。
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2000年代は携帯電話やPHSが広く普及し、モバイルインターネットが花開いた時代だった。iモードをはじめとする携帯電話によるインターネットサービスは、さまざまなコンテンツサービスを生み出し、着信音の「着メロ」のダウンロードサービスなどが人気を集めた。携帯電話と接続して利用する「ポケットボード」などのメール端末が女性を中心に高い支持を集めた一方、2000年にはJ-フォン(現在のソフトバンク)から初のカメラ付き携帯電話「J-SH04」が発売され、写真をメールに添付する「写メール」が一大ブームとなる。2001年10月には世界初の第三世代携帯電話サービス「FOMA」(NTTドコモ)が始まり、その後、auやvodafone(現在のソフトバンク)も同世代のサービスを開始。2004年には携帯電話に非接触IC「FeliCa(フェリカ)」を搭載した「おサイフケータイ」、2006年には地上デジタル放送「ワンセグ」が登場し、防水機能などと並んで、携帯電話の定番機能として、普及が進んだ。デザイン面では2003年発売のauの「INFOBAR」(鳥取三洋)をきっかけに、各社からデザインにこだわったモデルが相次いで登場。2008年にはカラフルでポップなデザインが魅力の「HONEY BEE」シリーズ(京セラ)がウィルコムから発売され、女子高生にも人気を集めた。当時の携帯電話やPHSで利用するインターネットは、各社専用のブラウザでの閲覧が中心だったが、2004年5月にウィルコムから日本初のフルブラウザを搭載した「AH-K3001V」(京セラ)が発売され、パソコンとほぼ同じWebページを閲覧できる機能を実現。「京ぽん」の愛称で親しまれ、ヒットを飛ばす。2005年12月にはウィルコムから日本初のスマートフォン「W-ZERO3」(シャープ)が発売された。そして、2008年7月にはいよいよソフトバンクが「iPhone 3G」(Apple)を発売し、時代はスマートフォンへと動き出す。
(文 / 法林岳之)
2007年に初代iPhoneが発売され(※日本での販売は2008年のiPhone 3Gから)、スマートフォンが次第に浸透し始めるも、「こち亀」の中で本格的に描かれるようになるのは2010年代に入ってから。iPhoneはもちろんXperiaやNexus Oneなど実在の機種も劇中に登場しており、ARなどの機能や歩きスマホといった社会問題に触れるエピソードも存在している。
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- 「現代ケータイ事情の巻」
- 単行本175巻収録
- 1990年代の携帯電話を使い続けている纏に、「あたしのケータイさあ 古いかな」と相談を受けた両さん。メールすらできないその携帯を見て「署で孤立するぞ」と心配する両さんは、纏を連れて秋葉原に。SIMロックなどの専門的な用語を交えながら、iPhone 3GSをはじめとした当時の最新機種を纏に紹介していく。
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- 「スマホ競争の巻」
- 単行本190巻収録
- ガラケーをいまだに使っていることをスナックでバカにされてしまった部長は、スマートフォンに機種変更することを決意。コンピューター企業に務める義息子に発売前の最新モデルを与えられ、スマートフォンに関しての知見を深めた部長は、前述の「私のケータイライフの巻」と同様に調子に乗ってしまう。しかし誤操作によってすべてのデータを消去してしまい……。
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- 「歩きケータイの巻」
- 単行本191巻収録
- 2010年代には歩きながら携帯電話を使用する歩きスマホが社会問題化。劇中でも同問題について触れられており、両さんは「歩きながら使用したらスタンガンのように電気を流す」「ボウリングの球のように丸く重くする」など尖った意見を出し続ける。極めつきにはメールをしながらプールの上にかけられた一本橋を渡ったり、スマホを見ながら急階段を降りたりする映像を撮影し、歩きスマホの危なさを啓蒙するというアイデアを出し、実際に警察の広報活動用ビデオとして撮影することになる。
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- 「ケータイ人生の巻」
- 単行本193巻収録
- 携帯電話のモックアップ(模型見本)をコレクションしているという同僚・片山の家を訪れた両さん。そこには日本初のハンディ携帯から、世界初のカメラ付き携帯、折りたたみ式、スライド式など同エピソードが発表された2014年時点までの古今東西の機種が並べられていた。それぞれの機種を解説していく両さんはガラケーについて、「みんな日本の携帯をガラケーとバカにするが、世界初の『カメラ搭載』『着メロ』『写真メール』などは日本の技術の結晶。そこは評価すべきだ」と持論を展開。さらにラストは告白メールや学生時代の写真などが詰まった携帯は「個人の人生だ」という言葉で締めくくられている。
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2008年にソフトバンクから発売されたiPhoneに続き、国内外のメーカーからもスマートフォンが発売されたが、当初はiPhoneも含め、なかなか市場に受け入れられなかった。その背景にはそれまでに国内で販売されていた携帯電話が非常に高機能だったことが関係している。なかでも「三種の神器」と呼ばれた「ワンセグ」「おサイフケータイ」「赤外線通信」、高温多湿な日本に必須とされる「防水防塵」などの機能が搭載されていないため、なかなかスマートフォンへの移行に踏み切れない人が多く存在した。しかし、TwitterやFacebook、Instagram、LINEなどのSNSが利用しやすいこともあり、徐々にスマートフォンが市場での存在感を示すようになり、2010年代後半には携帯電話利用者のうち半数を超えるユーザーがスマートフォンへ移行している。また、スマートフォンに続くものとして、VRゴーグル、スマートウォッチ、スマートグラス(メガネ)なども注目されているが、Apple Watchが一定の成果を収めたものの、いずれの製品も一般消費者向けにはまだ十分に普及したとは言えない状況となっている。
(文 / 法林岳之)