コミックナタリー PowerPush - 全国書店員が選んだおすすめコミック2015
第1位に輝いた「魔法使いの嫁」誕生秘話
北海道とイギリスは気候や景色が似ている?
──ヤマザキ先生が、初めて絵やマンガを描いたのはいつ頃だったんでしょうか。
物心ついた頃から絵を描く事が好きな子だったように思います。姉たちも絵を描く人だったので、毎日お絵かき大会を開催していて、私も参加していました。マンガのようなものを描いたのは小学校1年生くらい、本格的にマンガを描き始めたのは確か中学生の頃だったかと思います。
──作画に関することで影響を受けた作品はありますか?
影響というか、刺激を受けない作品の方が少ないくらいです。先に挙げたみなぎ得一先生のほかにも、八房龍之助先生、森薫先生、九井諒子先生、樫木祐人先生、市川春子先生など挙げればキリがないくらいです。とにかく、たくさんの先生方のすごさにいつも感心して勉強させてもらっています。
──現在は北海道在住だそうですね。北海道だからこそ創作に役立っていると感じるものはありますか?
街中ではあるのですが、周囲を見れば自然の営みがすぐ近くにあるので、私にとっては非常に集中出来る環境かなと思っています。また、北海道とイギリスは気候や景色が似ている部分もあるそうなので、もしかしたら、そこも作品の雰囲気作りに役立っているのかもしれませんね。
──「魔法使いの嫁」の、今後の展開や見どころを可能な範囲で教えてください。
少しずつではありますが、チセもエリアスも成長して関わり方が変化していきます。また、2人だけでなく、ほかの登場人物たちも相互の関係が見えてきて色々と変わるものが出てきますので、その辺りを楽しんでいただければと思います。
──実はデータによると、「魔法使いの嫁」の購入者層は特に20代の方が多いそうです。そうした実感はありますか。
中学生の娘さんと一緒に読んでいただいているお父さんなど、本当にさまざまな年齢の方から応援のお言葉をいただくので、私自身ではあまり実感はないかもしれません。どの年齢の方々にも何かしら響くものがあるように、これからもがんばってマンガを描いていきたいです。
──では読者の方や、まだ「魔法使いの嫁」に出会っていない方々に、メッセージをお願いします。
作品を応援していただいている皆さんのお陰で、作品の世界を広げる事ができています。本当にありがとうございます。これからも精一杯がんばりますので、どうかよろしくお願いいたします。また「魔法使いの嫁」をまだ読まれていない方々は、表紙でも本編でも、どこか琴線に触れるものがあれば、お手に取ってご覧になっていただけたら幸いです。私なりに好きなものを詰め込んで描いてみましたので、気に入ってもらえれば、こんなにうれしいことはありません。
──ありがとうございました。
全国の書店員が「たくさんの人に薦めたい」「皆に読んでほしい」作品に投票して決定されるマンガ賞。2015年度は1700書店2360名の書店員が投票に参加。2014年11月末日までに単行本巻数が5巻以下だった作品を対象とし、 書店員1人につき3作品に投票した。
あらすじ
羽鳥チセ15歳。
身寄りも、生きる希望も、術も、何一つ持たぬ彼女を金で買ったのは、悠久の時と寄添うヒト為らざる魔法使いだった——。
彼に「弟子」として、そして「花嫁」として招き入れられた時、少女の中で停まっていた針がゆっくりと動き始めてゆく……。
ヤマザキコレ
北海道生まれ。2013年、月刊コミックブレイド(マッグガーデン)で「魔法使いの嫁」の連載をスタートし、現在はオンライン雑誌・コミックブレイドと、月刊コミックガーデン(マッグガーデン)にて同時連載中。