アニメ「俺、つしま」元野良猫、元地域猫、地回り猫……しゃべるリアルな猫たち×飼い主のあるあるライフが満載 愛猫家の片岡愛之助、桜井のりお、しばたありぼぼ(ヤバイTシャツ屋さん)、深谷かほる、山本さほが“つーさん”たちの虜になった理由とは

TVアニメ「俺、つしま」は、元野良猫つしまと飼い主になったおじいちゃんを取り巻く、猫あるある満載のショート作品。監督・脚本は、TVアニメ「ポプテピピック」で梅木葵とともにシリーズディレクター・シリーズ構成を務めた青木純が担当し、アニメーション制作をファンワークスとスペースネコカンパニーが手がけている。TVアニメ版全12話だけでなく、異なるストーリーを描くWebアニメ版も展開。どちらもAsmik AceのYouTube公式チャンネルで配信中だ。

コミックナタリーでは、アニメ「俺、つしま」の放送を記念した特集を展開。猫好きで知られるマンガ家の深谷かほる、桜井のりお、山本さほ、歌舞伎俳優・片岡愛之助、ミュージシャン・しばたありぼぼ(ヤバイTシャツ屋さん)からの、作品愛溢れるコメントをお届けする。

構成・文 / カニミソ

「俺、つしま」とは

兄妹ユニット・おぷうのきょうだいによる同名猫マンガが原作。そこそこの年齢の女性だが猫たちには男性だと思われている“おじいちゃん”と、食べ物につられておじいちゃんの家に住むことになった猫・つしまを中心に、個性豊かな猫たちとののんびりとした暮らしぶりが描かれる。原作は2017年よりTwitterで投稿され、小学館より2018年に単行本化。またたく間に累計発行部数が48万部を突破した。

キャラクター紹介

つしま(CV:大塚明夫)
つしま(CV:大塚明夫)
ふてぶてしい性格をしている生粋の元野良猫。長い放浪生活を経て、今はおじいちゃん家でのんびり暮らしている。名前の由来はツシマヤマネコに似ていたからだが、実際はキジトラ。おじいちゃんからは、つーさんやつーちゃんの愛称で親しまれる。虫に詳しい。
おじいちゃん(CV:田中真弓)
おじいちゃん(CV:田中真弓)
なによりも猫が大好きな、つしまたちの同居人。女性だが、猫たちからは男性だと思われている。地域猫も自由に出入りさせているため、家にはいろんな猫がやってくる。虫は苦手だが、虫には好かれる体質らしい。
ズン姐さん(CV:小山茉美)
ズン姐さん(CV:小山茉美)
おじいちゃんの家で一番古く暮らしている先住猫。ほかの猫たちからは姐さんと呼ばれており、誰も逆らうことができない。掃除機に吸われることを健康法にしている。
ちゃー(CV:岡本信彦)
ちゃー(CV:岡本信彦)
ビビリで甘えん坊な末っ子的存在。元地域猫だったこともあり、おじいちゃんの家だけでなく、いろんな家で愛嬌を振りまいている。
オサム(CV:松山鷹志)
オサム(CV:松山鷹志)
おじいちゃんの家を訪れる地回り猫。パトロールをする代わりに餌を要求してくる。おじいちゃんとはそこそこ長い付き合いのはずだが、いまだに懐かない。

愛猫家5人より、鑑賞後のコメントが到着

片岡愛之助

片岡愛之助

つしま、なんてふてぶてしいんだろうか。
でもそのふてぶてしさ含めすべてが愛おしくてたまらない。
我が家の猫ちゃん“まー之助”とも会話ができたらこんな感じなのかなぁと思いながら、あぁこれはあるあるだなぁと思いながら、まー之助に重ねて観ていました。

ちゃー、ズン姐さん、そしておじいちゃん。登場するキャラクターも魅力的。1話1話がクスッと笑えて、少し胸にくる場面も。とにかくずっと観ていられます。

早く家に帰ってまー之助に会いたくなってしまう、素敵な作品です。

TVアニメ「俺、つしま」第8話の場面カット。
片岡愛之助(カタオカアイノスケ)
1972年3月4日生まれ、大阪府出身。1981年、十三代目片岡仁左衛門の部屋子となり、片岡千代丸を名乗って初舞台を飾る。1992年、二代目片岡秀太郎の養子となり、六代目として片岡愛之助を襲名。歌舞伎のみならずドラマや映画など映像分野にも活躍の場を広げる。出演映画「総理の夫」が9月23日に公開されるほか、2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に北条宗時役で出演予定。
桜井のりお

桜井のりお

一番好きな猫漫画です。ふわふわな毛並みや丸々としたフォルムをリアルに描きながら、猫の細かな表情や仕草が愛らしく、猫への深い愛情と理解を感じます。
アニメも大塚明夫さんが演じることによって、甘えんぼモードのギャップがより際立って愉快です。
原作で好きなのはテルオとのエピソード。猫も一匹一匹それぞれに大切な思い出があるのだろうと思うと、我が猫がより一層愛おしくなります。

TVアニメ「俺、つしま」第8話の場面カット。
桜井のりお(サクライノリオ)
2003年に週刊少年ジャンプ(集英社)、週刊少年チャンピオン(秋田書店)で新人賞を受賞。同年「こちら彼女、校門前。」でデビュー。その後、週刊少年チャンピオンにて「子供学級」「みつどもえ」「ロロッロ!」といった作品を発表し人気を集める。「みつどもえ」は2度にわたりTVアニメ化された。現在、秋田書店のWebマンガサイト・マンガクロスにて「僕の心のヤバイやつ」を連載中。同作は「次にくるマンガ大賞 2020」Webマンガ部門の1位、「第4回 アニメ化してほしいマンガランキング」で1位を獲得している。
しばたありぼぼ(ヤバイTシャツ屋さん)

しばたありぼぼ(ヤバイTシャツ屋さん)

出会いは電車の窓に貼ってあったポスターでした。
「わたしの愛猫、『かまたくん』に似ている。」
そう思っていざ観てみたらつしまさんの性格もかまたくんそっくり。
家を数日離れなくてはいけない時、この作品に癒しをもらっています。
ほっこりしたり笑えたりする話が多い中、心の根をギュッとされるような泣ける話もあります。
いい意味で「思ってたんとちゃう!!!」って思う作品です。
「かわいい」だけじゃない。
本当におもしろい。
この作品に出会ってから、わたしもかまたくんにおじいちゃんと思われてるのかな、と思いながら過ごしてます。

TVアニメ「俺、つしま」第7話の場面カット。
しばたありぼぼ(ヤバイTシャツ屋さん)
バンド・ヤバイTシャツ屋さんでB, Voを担当し、一部楽曲の作詞・作曲も手がける。バンド活動ではライブで全国を駆け回り各地を盛り上げる傍ら、NHKのテレビ・ラジオ、SPACE SHOWER TVでレギュラーを務めている。ソロ活動としては、2020年12月に自身の出身地、大阪府高槻市の「たかつき観光大使」に就任。音楽以外にも多彩な能力や交友関係でさまざまな番組に出演するほか、ミュージシャンによるゲーミングプロジェクト「THE REBEL'S eMPIRE」のメンバーとしても活動し、YouTubeチャンネル「ありぼぼのヤバイゲーム屋さん」でゲーム配信も行っている。
深谷かほる

深谷かほる

アニメ「俺、つしま」。はじめ、観るのが怖かったのです。絵がちょっとでも原作と違っていたら……話のテンポがちょっとでも自分のイメージと違っていたら……そして声は多分どなたが演じられても……違う!!(アタシのつーさんはこれじゃない!!)と感じてしまうのだろうと。
しかし作品(原作)が続くためにはアニメになって世界中で大ヒットすることも必要なのだろう……仕方ない、観よう。(←勝手な妥協)そして観てみたらまず冒頭、画面一杯につーさんの背中どーん! 毛がフッサフサ! 動きにちゃんとつーさんの重さがある!!
……一瞬にして、私は目の色を変えて(多分)食いついたのでした。声もいい。音もいい。6話の、カラスが翼をたたむ動きなんか、1秒もないだろうにすばらしく美しい。
昭和37年生まれの私、好きなマンガのアニメ化については「仕方ないな~、あんまり酷くないといいなあ」という先入観がありました。この作品はそれを木っ端みじんに打ち砕いてくれました。ありがとう、つーさん! ありがとう制作の皆さま! ありがとうおぷうのきょうだい先生!

TVアニメ「俺、つしま」第6話の場面カット。
深谷かほる(フカヤカオル)
1962年生まれ、福島県出身。2015年10月よりTwitter上で「夜廻り猫」を掲載開始。当初、毎夜1話ずつ更新された「夜廻り猫」は瞬く間に読者から多くの共感を得る。同作は2017年に第21回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。ほか代表作には「エデンの東北」「ハガネの女」「カンナさーん!」などがある。
山本さほ

山本さほ

「俺、つしま」には猫と人間の出会いや別れの話がたくさん登場します。
猫を飼っている人間が一番怖い出来事は、間違いなく飼い猫との「別れ」でしょう。
私も15年以上飼っている猫がいるのですが、いつか来るその「別れ」を想像し、ビクビクしながら生きています。
毎日当たり前のように一緒にいる存在がある日突然いなくなってしまったら、新しい猫を迎え入れたとしても、果たして簡単にその穴を埋める事が出来るのでしょうか。

その答えなのかな、と思ったのが第9話の王子の話でした。
ふっと窓から入って来て、少しの間おじいちゃんとの思い出を語り合ったあとクールに去って行ってしまう王子。
一見、泣けるお話なんですが、最後にはつーさんが登場してコメディとして終わります。
私たちがもし今後猫との別れを経験し気分が落ち込んでも、きっと新しく迎え入れた猫が悲しさを上回る喜びを与えてくれるのでしょう。

TVアニメ「俺、つしま」第9話の場面カット。
山本さほ(ヤマモトサホ)
1985年8月1日生まれ、岩手県出身。2014年3月にWebサービス・noteで発表したマンガ「岡崎に捧ぐ」が、同年10月にビッグコミックスペリオール(小学館)で連載開始。全5巻が刊行された。現在は週刊ファミ通(KADOKAWA)にて「無慈悲な8bit」、週刊文春オンラインにて「きょうも厄日です」、小説新潮(新潮社)にて「てつおとよしえ」を連載中。

TVアニメ「俺、つしま」第1話を観る!

おぷうのきょうだい
東京都在住の兄妹ユニット。作画を兄、 文章・ストーリーを妹が担当している。2005年に「猫ブログ」を開始し、2016年には初めての兄妹展を開催した。2017年にTwitterで「俺、つしま」の投稿をスタート。単行本は小学館より3巻まで刊行されている。2021年6月にはアニメ化を記念したファンブック「俺、つしま BOOK」が小学館より発売された。