コミックナタリー PowerPush - nottv×ナタリー「僕らはみんな死んでいる♪」

生き返りを賭けてラブゲーム!死×恋愛のドラマ化作品を原作者きらが語る

「死」は、死んだ人よりも残された人のもの

──そもそも、このお話を描かれたきっかけはなんだったんでしょうか。最初から全員死んでいて、天国で生き返りをかけて恋愛するという、とても変わった舞台設定ですが……。

きら

うーん、私生活でもなんだかんだと人の死に触れることが増えてきたときに、「死」って、死んだ人よりも残された人のものだな、って思うことが多くて……。「あの人は死ぬ前に幸せだったのかな」とか、「死ぬときに何を思っていたのかな」とか、そういうことを考えていたんです。でも考えてもどうしようもないし。そんなときに天国で亡くなった人たちが集まって楽しくしてたらいいなと考えはじめて、それを描くことで納得させようと思ったんです。

──願望を描いてしまおう、と。

きっかけはそういうディープなところだったんです。でもマンガにして昇華しようとすると、やっぱり恋愛は欠かせないので。ちょうど人数が多く出てくる話も描きたいなと思っていたし、死というテーマだけど恋愛を絡めて、重たくならないような話にできたらいいなと思って、カップルになったら生き返れるというラブゲームの設定を思い付きました。

──確かにクスっと笑える、コメディっぽい要素も多いですね。

内容が重いので、あんまり説教臭くしたくないというのもあって。テーマとして描きたいことはあったんだけども、それはある意味、伝わっても伝わらなくてもいいかな、と。恋愛ゲームだと思って読んで、なんとなくちょっと違うものが入ってるな、くらいの割合で描きました。

きらの死生観が感じ取れるワンシーン。

──7巻で、すごくきら先生の死生観が出ているなという場面がありました。神様の「死んでしまった人が何を思って死んでいったのか(中略)その答を生きている人間が知ることはできない」というセリフですが。

ありましたね。たぶんそういうことを描こうと思っていたんですよね。で、そういうことを言わせるには、神様みたいな軽い感じのキャラだったら、説教臭くもならずに言わせられるかな、と思って。

──神様は見た目は動物ですし、ふざけた感じのキャラですね。ただ動物ってあまり表情がないから、ちょっと気味が悪い印象を受けたのですが。

喜安さんもそんなことをおっしゃってましたね。でもまあ動物が一番描きやすかったので、そうしただけだったんです(笑)。

──「まっすぐにいこう。」でもずっと犬を描いてらっしゃいましたし。

そうですね。逆にSFチックなものとか、この世にないような見た目にすると、なかなか描きにくくて。

恋愛要素は欠かせない

──さっき「マンガに恋愛は欠かせない」とおっしゃいましたが、きら先生的にはやはり恋愛は重要なポイントなんですね。

うーん、やっぱり別マ出身なので(笑)。恋愛要素が入ってるほうが、読んだりするのも好きですし。ただ世間に出ていないデビュー前の作品では、SFとまでいかないけど、とんでもない不思議物語を描いていて。だから天国みたいな異空間もずっと描いてみたかったというのもありますね。でもラストはとにかく、くっつけたい、ハッピーエンドで終わらせたいとは思ってました。

──ハッピーエンドというのは最初から決まっていたんですか?

えーと、実は途中からラストは変わっていて。描いていくうちに、やっぱり自分のキャラに感情移入してしまったんです。そしたらやっぱりカップルにしたいな、っていうのと、あとは歳とともに「やっぱりハッピーエンドがいいよね」とも思うようになりました。

弘は言わせたいセリフからキャラクターが作られた。

──みんな幸せがいいよね、という。キャラクターにも段々と愛着が湧いていったと思うんですが、最初はどうやって作られていったんでしょうか。

最初はユアンがいて、周りのキャラも職業や死因から決めていったんだっけな……。あんまり覚えてないんですけど(笑)。弘はセリフから作りましたね。「『夢はかならず叶う』? そらそうや 叶えられた人が言うセリフなんやから」っていうセリフを言わせたくて、ミュージシャンを目指している弘を作ったんです。なんかそういうセリフがパッと浮かんできて。

言わせたいセリフからキャラを作る

──セリフからキャラを作るんですね。

私、「夢は叶う」っていう言葉を聞く度に、弘ほど突き放したことを考えるわけじゃないですけど、その裏にどれだけの努力があったのかと思うと、素直に「そうだね」って思えなくて。ほかにも凜のあのセリフを言わせたかったから、とか、そうやって作っていくことは多いかもしれないですね。

──じゃあそのセリフを実際に登場させることができたときは……。

きら

自分の中で「やっとここに追いついた!」って感動があります(笑)。「つながった!」っていう。まあセリフからだけではないですけどね。大樹はユアンの対比で真逆の性格で、ユアンが長髪で白っぽい髪だったら大樹は短髪で黒髪、とか、風貌も真逆にしたりしますね。

──さきほど凜と茜も対比させたとおっしゃっていましたしね。では最後に、ドラマに期待するところなどをお願いします。

さっきもドラマのスタッフさんに見せていただいたんですけど、一ノ瀬ユアンの昔出ていたドラマとかポスターとか雑誌とか、全部作ってくださっていて。白濱亜嵐くんが1日かけて撮影されたそうなんです。そういう細かいところとかも作り込んでくださっているので、そのあたりにも注目してみてください。

「僕らはみんな死んでいる♪」
ドラマ「僕らはみんな死んでいる♪」

放送日時:2013年12月2日(月)スタート
初放送:毎週月曜~⾦曜 23:00~23:15(全50話)
総集編:毎週土曜 22:00~23:00

1話~5話(無料放送)を視聴し、アンケートに返答した方にもれなく、番組オリジナルQUOカード(500円分)をプレゼント!

詳しくは番組公式サイトで!

アプリも登場「アチチチェッカー」

無料相性診断アプリ。診断する2人が画面に指を載せたまま、10の質問に回答すると、パンダの姿をした神様が、お互いの相性(アチチ度)を判定してくれる。

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きら
きら

12月31日東京都生まれ。1991年ザ・マーガレット(集英社)にて「まっすぐにいこう。」でデビュー。犬の視点で人間たちの恋模様を描いた同作は1993年に別冊マーガレット(集英社)で連載をスタートした。その後、コーラス(集英社)に掲載誌を移し不定期に連載。同作は2000年第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞、2004年にはTVアニメ化もされた。2010年よりYOU(集英社)にて、天国の男女9人が恋をすれば生き返れるというラブゲームを行う「僕らはみんな死んでいる♪」を連載。2013年に全10巻で完結し、NOTTVにて実写ドラマ化を果たす。その他の代表作にパティシエ見習の女性が主人公のラブストーリー「パティスリーMON」、「シンクロオンチ!」などがある。