劇場アニメ「映画 ねこねこ日本史 ~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~」特集|子供の頃からの歴史好きで猫がマイブーム…そしてたどり着いた「ねこねこ日本史」高見沢俊彦インタビュー

城マニアでもあるので、安土城が現存する姿が見てみたい

──では映画の設定にちなみ、歴史好きの高見沢さんがタイムスリップしてみたい時代はありますか。

「映画 ねこねこ日本史 ~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~」より。

1582、83年あたりかな。安土城を見たいのよ。僕は城マニアでもあるので、安土城が現存する姿が見てみたいの。安土城って幻の城と言われていて、今はもう見ることができないので。

──安土城というと……。

織田信長が琵琶湖の湖畔に建てた豪華絢爛なお城です。信長はとにかく経済力がありましたからね。安土城の屏風、絵図っていうのかな。それを当時のローマ教皇に贈ってるんだけど、天正遣欧少年使節って知ってます?

──いえ、すみません……。

4人の少年たちがローマに行ったんですよ、その時代に。そのときにローマ教皇に安土城の屏風絵を贈ってるんですけど、向こうでもまだ発見されていない。ぜひそれは見てみたいけど、タイムスリップして行った方が早いですね。安土城って、中が吹き抜けになっていて、通常のお城の感覚とは違います。途中に能舞台があったり、天守の内装の絵なども、狩野永徳らが描いていて中々豪華だったらしい。ぜひ「ねこねこ日本史」でも取り上げてほしいですね。

──なるほど。織田信長と幻の城・安土城の回があったら面白そうです。

「映画 ねこねこ日本史 ~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~」より。

あとはもっとずっと遡って平城京あたりかな。卑弥呼の時代までいくとちょっと不便そうだから(笑)。でも卑弥呼も畿内説と九州説がありますから、どっちなのか興味ありますね。

──「ねこねこ日本史」ではいろんな時代、いろんな偉人のエピソードを取り上げてきましたが、アニメで観てみたい歴史上の人物はいますか?

うーん、またマニアックになっちゃうんだけど(笑)、松永久秀っていう人物がいて、まあ裏切り者というか、織田信長を何度も裏切ったことでけっこう有名な人物でしてね。有名な平蜘蛛という茶釜を持っていて、それをくれたら許してあげると信長に言われても、お前にはあげないって感じで、その茶釜を持ったまま自分の城で爆死するわけ(笑)。ぼーんって。

──すごい人ですね。

足利義輝を暗殺したり、大仏殿を焼失させたりする悪人なんだけど、でもちょっと憎めないところもあって、そこが面白いなと。あとは立花宗茂も好きなんだけど……知らないか(笑)。

──すみません、勉強不足で……。

いいのいいの、そこまで知る必要ないから(笑)。

面白いと感じたものは、アニメだろうと映画だろうと何でも観るようにしています

──そんな歴史に詳しい高見沢さんですが、アニメもかなりお好きですよね。

好きですね。まずマンガが好きだったので、子供の頃には「鉄腕アトム」とか「鉄人28号」を読んでいて、テレビ放映されたのが小学校低学年だったかな。あと東映の「白蛇伝」や「西遊記」も面白かった。普段観ているTVアニメの動きと、あの頃の東映動画の動きって全然違って。柔らかいというか、とても洗練されていた記憶があります。

──以前、弊社の映画ナタリーで展開した「コードギアス」の特集にもご出演いただいたことがありました(参照:高見沢俊彦が語る「コードギアス 復活のルルーシュ」)。大人になってからもアニメはご覧になってるんですね。

最近のアニメはずいぶん進化しているからね。もう子供向けには作ってないでしょう。まあ「コードギアス」の場合はちょっと特殊なんだけど(笑)。

──どんな出会いだったんですか?

僕らがツアーで地方を回っているとき、広島だったかな。アニメ展みたいなのがデパートの催事場でやってたんですよ。昔のアニメから最近のアニメまで紹介している展示だったんだけど、そこに「コードギアス 反逆のルルーシュ」ってのがあるわけ。いや、何このタイトル?って(笑)。

──(笑)。確かに言われてみるとタイトルではどんなアニメだかよくわからないですね。

昔は「鉄腕アトム」「鉄人28号」「宇宙少年ソラン」って、タイトルを見ただけで内容がなんとなくわかるじゃない。「コードギアス 反逆のルルーシュ」ってこれはいったいなんだと(笑)。でもそのタイトルに無性に惹かれてしまって、観始めたらハマっちゃって(笑)。

──なるほど。でもその好奇心というか、気になってすぐに「観てみよう」となるのがすごいですよね。行動力といいますか。

面白いと感じたものは、アニメだろうと映画だろうと何でも観るようにしていますからね。

──音楽活動や執筆活動に影響を受けることもありますか。

影響というより、心を動かしたい。やっぱりいい映画を観れば自分も感動しますからね。僕は初めて泣いたアニメが「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」で。映画館で観て、最後に沢田研二さんの「ヤマトより愛をこめて」が流れてくるんですが、あそこはグッと来ますよね。最初は所詮アニメというと失礼ですけど、「ちょっと観てみるか」ぐらいの気持ちで観ていましたが、本当に感動しました。

調子が悪いなってときに「よし、『ねこねこ日本史』だ」と

──高見沢さんがご覧になってきたアニメの中でも「ねこねこ日本史」はかなり特殊な作品になるのでは?

「ねこねこ日本史」は長尺ではないということも含めて、手軽に楽しめるところがいいですよ。寝っ転がってても観られるし、ちょっとした空き時間にいつでもスマホでも観れる。僕の場合は、締め切りに追われているときに、現実逃避するのにちょうどいい(笑)。今ちょっとダメだな、煮詰まってるなあと思ったときに「よし、『ねこねこ日本史』だ」と。「あー面白かった、よしがんばろう」みたいな感じで、頭を休めるのにピッタリ。だから現代人は絶対観たほうがいいよ。癒やされるよ、本当に。

──もし自分が子供の頃に「ねこねこ日本史」を観ていたらもうちょっと歴史に興味持てたなと思います(笑)。

ああ、「ねこねこ日本史」で日本史に興味持ってくれる子供が増えたらうれしいですね。そういった意味では、今の子供たちにとってみたら最高の教材じゃないかな。もちろん大人が見ても面白いし、歴史に詳しくない人が観ても面白い。猫の生態もわかるしね。

──大人は癒やされて、子供は勉強になる。

とにかく現代生活はストレスが溜まるから、それを解消したかったら「ねこねこ日本史」でしょう。ストレス解消に「ねこねこ日本史」。まあ僕の場合は猫に癒やされるというよりは、日本史に癒やされてる部分もあるけど(笑)。

──日本史に癒やされるって新しいですね。

猫が演じる日本史に癒やされる(笑)。ストレス解消にはピッタリですね。