TVアニメ「虫かぶり姫」が10月6日にAT-Xほかにて放送スタートする。同作は本好きが高じて“虫かぶり姫”というあだ名がついた侯爵令嬢・エリアーナと、彼女の婚約者・クリストファー王太子を描くラブファンタジー。原作は由唯の小説で、月刊コミックZERO-SUM(一迅社)では喜久田ゆいによるコミカライズも連載中だ。
コミックナタリーでは「虫かぶり姫」の放送開始を記念し、サロメ嬢という愛称で親しまれるVTuber・壱百満天原サロメにインタビューを実施。「いつか100満点のお嬢様になりたい」という夢を掲げるサロメ嬢にとって、お嬢様としてのエリアーナはどう見えたのか。またサロメ嬢が「虫かぶり姫」の世界に入ったら……?というテーマで繰り広げられる妄想トークにもご注目あれ。
取材・文 / 佐藤希
原作ファンのサロメ嬢もアニメに太鼓判。「素晴らしいですわ!」
──100満点のお嬢様を目指して活動されているサロメさんに、「虫かぶり姫」の世界を堪能していただきたく、今日は特別に物語の舞台となるサウズリンド王国の王宮にお越しいただきました。ここは、主人公のエリアーナが本に没頭する王宮書庫室です。
よろしくお願いしますわ! 本当に、お城もキラキラしていて素敵。あと、始めにお伝えしたいことがありまして……実はわたくし「虫かぶり姫」のおマンガをもともと読んでいて、とっても好きなんです。ですから、お声がけいただいて本当にうれしかったんですの! 「えっ、わたくしが読んでいることを知っていたのかしら!」と思ったくらい。
──そうだったんですね! いつ頃からコミカライズを読まれていたんでしょうか?
Twitterの広告で見かけて、気になって買いましたの。たぶん、単行本が2、3巻ぐらい出た頃でしょうか。第一印象は「絵柄がかわいらしくて面白そう!」と思いまして、実際に読み始めたらエリアーナ様がとっても素敵な女性で、大好きになりましたわ!
──もともと「虫かぶり姫」がお好きということでしたら、放送に先がけてご覧いただいたアニメ版もお楽しみいただけたのではと思います。率直に、ご覧になっていかがでしょう。
もう、本当に世界観がキラキラしていて……! 率直な感想を申しますと、わたくし、エリィ様が大好きで。大人しそうに見えるエリィ様ですけど、芯のある女性ですので本当に憧れます。コミカライズのふわふわした絵柄のエリィ様も素敵ですけど、アニメのエリィ様もかわいらしくて素晴らしいですわ!
──エリアーナを愛称のエリィと呼ぶほどお好きなんですね。彼女のどういうところがお好きですか?
エリィ様って“虫かぶり姫”と呼ばれるほど読書がお好きで、周囲からはそれ以外どうでもいいと思われているほどのお方。でも、自分の信念があって、好きなものを純粋に追いかけているんです。それってとっても素敵ですわよね。わたくしが思うお嬢様って、見ていて「素敵な方だな」と周りに思われる存在、だと思うんですの。
──サロメさんの思う理想のお嬢様像が、エリアーナの中にもあったんですね。
そうなんです。エリィ様の魅力はたくさんございますけど、自分の好きなことを貫くまっすぐさと、自分が得たスキルや知識を周囲の人に与えられる優しさが、わたくしにとっては一番魅力的。それはエリィ様にとっては当たり前のことなので「え、何か?」とお思いになるかもしれませんが、多くの人は自分が勉強したりがんばったりして得たものは、やっぱり独り占めにしたくなっちゃうと思います。そこを困っている方のために、ためらわずに与えられるって素晴らしいですわよね。わたくしもそういう人でありたいと思っておりますわ。
妄想が止まらない! サロメ嬢のお気に入り男性キャラは?
──「虫かぶり姫」には、素敵な男性キャラクターたちもたくさん登場します。お気に入りの人物をぜひ伺いたいです。
わたくしのオタクの部分が出ちゃうんですけど……よろしいでしょうか?
──どうぞどうぞ。
クリストファー殿下はもちろんとてもカッコいい方。そして、エリィ様のことが大好きですわよね。殿下に恋するエリィ様もとってもかわいくてときめきます。そんな2人が愛おしいので、わたくしが殿下に「好き!」と思うことはないんですの。ですから、一番好きなのはアレクセイ様です!
──クリストファーの側近であるアレクセイは、クールな仕事人間で、アニメ公式では“氷の貴公子”と説明されています。
はい! クールでカッコよくて、でも心の中ではほかの方のことを常に考えていらっしゃる優しい方ですわよね。テオドール様も大人の魅力があってミステリアスで素敵。あとはエリィ様のお兄様も気になりますわ。
──アルフレッドですね。サロメさんは心の中に理想のお兄様がいらっしゃると以前お話になっていましたが、そういうこともあって、アルフレッドのようなお兄様タイプには惹かれますか?
うふふ、そうですわね(笑)。エリィ様のお兄様は、理知的でお優しい方だと思っているんですけども、やっぱり妹のエリィ様のことになると、普段の紳士的な雰囲気が崩れて本気になってしまって、もうっ、カッコいいですわ……! こういう存在は夢だとわかっているのですけども、それでも素敵……。わたくし、お兄様がクリストファー殿下に向かって「もしまた妹にあんな顔をさせたら、ベルンシュタインの頭脳を総動員してでも許しませんので、そのおつもりで」と伝えるシーンが大好きなんですの!
──普段の優しいアルフレッドとはがらっとイメージが変わりますので、驚きますよね。
本当に! あの……またちょっと妄想をしてしまうんですけども。わたくしが逆に、エリィ様の表情を曇らせてしまって、お兄様に叱られたいって思っちゃう(笑)。エリィ様のことも大好きですから、決して攻撃したいという意図ではなくて、例えばエリィ様とケンカして、ふとお顔を曇らせてしまったタイミングでお兄様がいらっしゃったとしますよね。それで「君、エリィにこんな顔をさせるのかい?」って叱られて、ああっごめんなさい!って謝ったりしたい。
──(笑)。
うふふ(笑)。
──例えば、もしもサロメさんが「虫かぶり姫」の世界に入ることができたら、エリアーナたちとどんな関わり方をしたいですか?
まあ! ヤバいですよ、その質問は! 今お話したように、お兄様に怒られたいという気持ちもありますけども、エリィ様のよきお友達になりたい! 一緒に本を読んだり、エリィ様にオススメの本を教えていただいたりなんかして……。あとはテオドール様の執務室に伺って、「君、その本が好きなんだ。いい趣味をしてるね」と言われて、キャー!と言いたいなっ……なんて、1人で考えたりしていますわ。
──(笑)。物語の大きな軸になるのが、エリアーナとクリストファーの恋模様です。「虫かぶり姫」で描かれる恋愛はどのようにご覧になりましたか?
エリィ様もクリストファー殿下も、天然なところがおありなので、ちょっとずつすれ違ってしまいますよね。その噛み合わなさにドキドキして、キュンキュンしながら観ておりましたわ! 視聴者の皆様方もきっとそうなると思います!
──見ているこちらとしても、エリアーナやクリストファーに感情移入をしてハラハラしてしまいます。
はい。ゆっくりとお気持ちを育んでいくおふたりですけど、お互いに相手のことを大切にされているんだなと伝わってきて、とっても素敵ですわ。エリィ様もご自分に自信が持てない方ですので、自分が殿下の横にいる資格がないと思われてしまうんですよね。殿下のお気持ちに気付いてからも、殿下のお邪魔にならないようにと気を使って、どう思われているか確かめることができませんし。でも、そうやってじっくりと進んでいくラブストーリーですので、お互いに自分が相手の隣にいていいと思えるようになっていくさまを楽しめるんですの。
──クリストファーは彼女を口説き落とすために大好きな本をちらつかせるなど、アプローチが少し変わっているなと思いました。普段はとってもカッコいいですが、なんだかちょっと抜けているところもありますよね。
そうなんですのよね! クリストファー殿下のそういうところが天然な方と感じます。もちろん殿下はカッコよくて、決めるところは決めてくださる方なんですけども。キスしようとしてできなかったり、やっと思いが通じ合ったかなと思ったけど、エリィ様がほかに気になることがあって「今⁉」というタイミングで質問されてしまったり。そういうもどかしさも、「虫かぶり姫」の面白いところですわよね。わたくしはおマンガで先の展開を知っておりますので、「大丈夫よエリィ様! そこはこの後、こんなふうに展開していきますから!」と心の中で語りかけながら観ていたんですが、アニメで初めてご覧になる方はすっごくドキドキされると思います。
次のページ »
お嬢様視点では「虫かぶり姫」の○○に憧れる