コミックナタリー PowerPush - 巴亮介「ミュージアム」
絶望だらけのサスペンスホラー FROGMANが蛙男を考察
マンガはカメラアングルが自由
──「ケロロ軍曹」とのコラボもそうですが、FROGMANさんは一時、マンガを描かれていたこともありましたよね。
「ケロロ」はこちらでアニメを作ったものをコミカライズしてもらうという形でしたが、確かにマンガを描いていたことがありました。別冊ヤングマガジンで連載していた「全裸マン」という、ひどいマンガをね。
──ええ、主人公の市寺倍人(いちてらばいと)が全裸になって全裸マンに変身するという……。
そうそう。はー、つらい。ひどいマンガですよ。また、いつも締め切りを守れずに編集さんに怒られていましたね。アニメもやってマンガもというのは忙しくてかなり無理がありました。ですからネーム、下書きは自分でやって、ペン入れからは人に任せてました。
──そうだったんですね。
マンガは本当に大変ですよ。1コマ1コマ、毎回描くわけじゃないですか。Flashアニメはね、一度使った素材を何度も繰り返し使えるわけなので、楽なんですよ。巴さんなんて絵は達者だわ物語はしっかりしてるわ、「全裸マン」とは大違いです。
──いえいえ、そんな(笑)。
でもマンガを描いてみた上で人の作品を読むと、「ミュージアム」のようなシリアスな路線のマンガを描く人の気持ちもだんだん分かってくるようになりましたよ。
──それはどういうことでしょう?
やってみて思ったんですけど、マンガってカメラアングルが自由なんですよね。ありえないくらいクローズアップもできるし、突然カメラ位置を変えて、ロングや俯瞰を入れたりもできる。これをドラマや映画でやろうと思ったらものすごく大変ですよ。僕の作るFlashアニメは、まあバストショットが多かったりするので、こういった自由なアングルはうらやましいですよね。ちょっとやってみたい気はします。
──じゃあ、マンガ家活動を再開させる日が……?
いやいや、いまはちょっと忙しくて無理ですね。まあ講談社さんではもうやらせてもらえないと思うんで(笑)。
沢村は目の横に傷がありますが、それはなぜでしょうか? 顔だったら、普通は頬や顎に傷を作るような気がするのですが。
キャラを描き分ける顔の特徴として、目の横に傷を作りました。頬や顎ではなく目の横にしたのは、目のアップのコマを描いても沢村だと伝わるようにするためです。
映画は邦画と洋画どちらが好きですか?
邦画も洋画も大好きですが、どちらかと言えば洋画だと思います。
AVは和モノしかみないです。
巴亮介(ともえりょうすけ)
1983年12月6日生まれ。神奈川県横浜市出身。第61回ちばてつや賞ヤング部門において「GIRL AND KILLER─オンナと殺し屋─」で大賞受賞。2009年、ヤングマガジン53号(講談社)に同作が掲載されデビューを果たす。2013年7月より、同誌にて「ミュージアム」を連載中。
FROGMAN(ふろっぐまん)
1971年、東京都出身。映画やドラマの制作スタッフとして十数年のキャリアを積んだ後、島根県へ移住し「蛙男商会」名義で個人制作のFlashアニメを発表。エッジの効いた作風と制作手法が口コミで話題になる。2006年に地上波で放映された、「秘密結社 鷹の爪」を含む「THE FROGMAN SHOW」でブレイク。2014年春には「秘密結社 鷹の爪」シリーズ最新作となる映画「鷹の爪7」が公開される。
映画「鷹の爪7」 2014年春公開
タウンワークのマスコットキャラクター、ジョブーブが、鷹の爪団とともに人知れず世のために戦う友情冒険ジョブ物語。タウンワークとのコラボならではのPR作戦も計画中。
(C)DLE