TVアニメ「憂国のモリアーティ」斉藤壮馬×佐藤拓也×小林千晃|モリアーティ3兄弟がイギリス式アフタヌーンティーを初体験「香りが脳に直接来る感じ」

斉藤壮馬×佐藤拓也×小林千晃 座談会

今日でだいぶ千晃くんのことが分かってきた(笑)(斉藤)

──本日の収録はいかがでしたか?

佐藤拓也 いやあ、すごく楽しかったです。

小林千晃 もう仕事とは忘れてしまうぐらい、純粋に楽しんじゃいました。

左から佐藤拓也、斉藤壮馬。

斉藤壮馬 アフタヌーンティーって、もちろん知ってはいましたが、なかなか体験する機会がないので、貴重な体験でした。あと個人的には3人で収録させてもらえてうれしかったです。実は今までなかったんですよ。

佐藤 アフレコ以外で3人がちゃんと揃うのは初めてだよね。

斉藤 時節柄、現場でもじっくり話をする時間も取れなかったので……。今回こうして3兄弟で一緒の時間を過ごせたのはすごくうれしかった。やっぱり一緒に食をともにするのは、人の絆を深めるなと思いましたね。

──同じ釜の飯じゃないですけど。

佐藤 まさにそうですね。不思議なもので、同じ味のものを食べてその感覚を共有するということが、精神的な距離を縮める一番の近道なのだということを改めて感じました。

斉藤 あと今日でだいぶ千晃くんのことがわかってきた(笑)。

小林 ……えっ!

佐藤 うん、よくわかりました(笑)。

斉藤 さっきマネージャーさんに聞いちゃったもん。

小林 なんて……?

斉藤 千晃くんあの感じでいいんですか?って。

一同 (笑)。

斉藤 僕たち的には大好物なんですけどって(笑)。

左から小林千晃、斉藤壮馬。 左から小林千晃、斉藤壮馬。

──上映会のときは、小林さんだけコメント動画での出演でしたね。おふたりが小林さんのことを見守っている感じが面白かったです(笑)。

佐藤 あのときは1人だけ陽気な感じだったよね(笑)。

小林 いや、動画でのコメント出演ってなかなかないじゃないですか。現場の雰囲気がよくわからなくて……(笑)。

スコーンにクロテッドクリームとジャムを塗ったときの衝撃(小林)

──お召し上がりになったもので、特に印象に残っているものはありますか?

小林 やっぱりスコーンですね。

佐藤 非常に美味しかった。

左から佐藤拓也、小林千晃。

小林 僕、スコーンっていう食べ物自体そんなに食べたことなかったんですけど、イメージ的にはもっと味気がないというか……。

佐藤 パンなの? クッキーなの? どっちなの? みたいな。

小林 甘いのか甘くないのか……それほどわかりやすい味ではないじゃないですか。でもあのクロテッドクリームとジャムを塗ったときの衝撃。スコーン自体も美味しかったんですけど、食べたときびっくりしました。

斉藤 メニュー自体もそうなんですけど、自分的にびっくりしたのは、手で食べちゃっていいんだってこと。なんとなくもっと形式張ったものというか、優雅に食べなきゃいけないイメージがあったんですけど、意外と気軽にと言いますか、楽しんでいいものなんだって。それも相まって、より純粋に味わえたなと思います。

佐藤 確かに、それは大きいね。

左から佐藤拓也、斉藤壮馬。

斉藤 あと新宅さんがさらりと説明してくださる、昔はキュウリは高級品で……みたいな知識を聞いたうえで食べると、「非常にキューカンバーです」っていう……。

一同 (笑)。

斉藤 そういう情報も含めて楽しかったです。

佐藤 イギリスの小説を読んでいると、よくキュウリのサンドイッチって出てくるんですよね。なぜだろうと不思議に思ってたんですが、今日お話を伺ってなるほどなと。食とともに、その国の時代背景や文化みたいなものまで感じられるのは非常に楽しくて贅沢な時間だと思いました。英国の人がなぜこんなにもティータイムというものを大事にするんだろうかと考えたりもしたんですけど、やはりお茶や食べ物は、人間関係を築くうえで重要なものなのだということがより感じられましたね。

思わず口をついて出た言葉がそれでした(佐藤)

──紅茶についての感想もお伺いできればと思います。今回は5種類の茶葉から皆さんお好きなものを選ばれましたが、佐藤さんが紅茶を女性に例えていたり、素晴らしい表現力だなと……。

佐藤 (笑)。ダージリンやアールグレイなどの銘柄があるのは知っているんですけど、実際にどれほど味に違いがあるのかはそこまで気にしたことがなかったので。今回5種類用意していただきましたが、それぞれの違いが今までにない衝撃を持って感じられて。思わず口をついて出た言葉がそれでした。

一同 (笑)。

佐藤 好き勝手なことを言っております(笑)。

左から小林千晃、斉藤壮馬。

斉藤 僕はもともと普段から紅茶をたくさん飲むわけではないのですが、アフタヌーンティーという形態が気に入りました。いろいろ選べるっていうのが好きなんですよ。おばんざいとか、小鉢3つ選んでいいですよ、みたいなのが好きなので。お店の素敵な雰囲気もそうですし、何回でも来たくなるなと思いました。せっかくならほかの紅茶も味わいたかったです。

小林 普段は味の濃いものとかコンビニのお弁当とかを食べがちで、舌がそんなに繊細じゃなくなってきてると思うんですけど、今回「本当に美味しいってこういうことなのかも知れない」って思いました。それにお酒ではないですけど、おふたりと一緒に酌み交わす時間がすごく楽しかったです。

TVアニメ「憂国のモリアーティ」より。

──今日の経験はこれからの演技やキャラクター作りに影響がありそうですか?

佐藤 ものすごくあると思いますよ。少なくとも、屋敷にいるときの3人の空気感みたいなものに違いが出てくるんじゃないですかね。

斉藤 紅茶を飲むシーンで実際に味を具体的にイメージできるのもそうだし、微妙な間の取り方は変わってくると思います。

ドラマチックとリアリティ、どちらも丁寧に作られている(斉藤)

──では作品の話もお伺いできればと思います。まずアニメをご覧になったときの感想を聞かせてください。

左から佐藤拓也、小林千晃。

佐藤 アニメは1話目がオリジナルのお話ということで、原作ファンの方には驚きとして捉えられたかも知れません。でもこういった兄弟たちの話なんですよ、というご挨拶に最適な作りになっているなと。手前味噌ですが「憂国のモリアーティ」はこういうお話ですよ、というのが表現されていたと思います。1話30分という制約の中で、原作からどのストーリーを引っ張ってきてどのシーンを見せるか、監督さんをはじめ制作の方々も取捨選択が大変だと思うんですが、大事なところを外さずに見せているなという印象を持ってますね。

小林 やっぱりマンガとアニメでは表現方法が違いますし、アニメだからこそ映える表現や演出っていうのはあると思うんです。そういう意味では、アニメはアニメとして楽しんでもらえる作りになっているなと。今日こうしてアンティークな建物や当時のイギリスの調度品に近いものに触れさせていただいて、アニメでもあの時代をリアルに描こうとしているんだと考えさせられました。監督たちは本当にいろんなことを研究して作ってくれてるんだなって。

斉藤 イグザクトリー。

一同 (笑)。

TVアニメ「憂国のモリアーティ」より。

斉藤 本当におふたりが言ってくださったように、原作のエッセンスを汲み取りつつ、アニメとしてまた違う媒体で「憂国のモリアーティ」という作品のよさを表現していると思います。マンガにはマンガとして、アニメにはアニメとしての強みがあって、その双方の見せ方で作品自体の魅力をお伝えできているのではないかなと。具体的に言うなれば、やっぱりウィリアムがタバコを吸うと曲もかかるし羽根も降っちゃうよねって(笑)。

一同 (笑)。

斉藤 ドラマチックな部分と、リアリティを大切にしている部分、どちらも丁寧に作られていると思うので、原作をお好きな方はもちろんですし、アニメを入り口として作品を見てくださる方にも、楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。