現在放送中のTVアニメ「憂国のモリアーティ」は、シャーロック・ホームズの仇敵として知られるモリアーティ教授を描く物語。現在は1クール目の放送が佳境を迎えている。また2021年4月より2クール目が放送予定だ。
コミックナタリーではアニメ「憂国のモリアーティ」の特集を複数回にわたり展開。第2回にはウィリアム・ジェームズ・モリアーティ役の斉藤壮馬、アルバート・ジェームズ・モリアーティ役の佐藤拓也、ルイス・ジェームズ・モリアーティ役の小林千晃の“モリアーティ3兄弟”が登場。Blu-ray / DVD 2巻の特典映像として収録される「モリアーティ3兄弟のティータイム ~イギリス式アフタヌーンティーを学ぼう~」の現場に密着する。特典映像の一部を、たっぷりの写真と文章でレポートするほか、この日の収録で絆を深めた3人の息の合った座談会を楽しんでほしい。
取材・文 / 増田桃子 撮影 / 佐藤類
TVアニメ「憂国のモリアーティ」の放送が始まる数日前、ウィリアム役の斉藤、アルバート役の佐藤、ルイス役の小林は、ある場所に集まっていた。ここは東京・目黒の住宅街にひっそりと佇む隠れ家サロン・スリーティアーズ。小雨の降りしきる中、この日の3人の目的は、イギリスを舞台にした「憂国のモリアーティ」の世界観にちなみ、イギリス式アフタヌーンティーを学ぶことだ。
まずオープニング映像の撮影に挑む3人。あいにくの空模様ながらも「この天気すらも逆にモリアーティみありますね」「ロンドンって快晴のイメージはあまりないですよね」「貴族って傘をさしがちなイメージがあって……」と語り合う。すでに3兄弟らしい和気あいあいとした雰囲気が漂っていた。
本格的なアフタヌーンティーは初体験とあり、少々緊張気味に室内へと足を進めた3人。まずはオーナーの新宅久起氏から、登録有形文化財として登録されている築80年の洋館を使用したスリーティアーズの説明を受ける。歴史のある建物や室内に並ぶ調度品の数々に、斉藤は思わず「住みたい……」と言葉を漏らした。
さっそくテーブルには5種類の紅茶が運び込まれる。ローズの香りと鮮やかな花弁がインパクト抜群な「ロイヤルウェディング」、緑茶に近い渋みが冴え渡る一番摘みの「ダージリン ファーストフラッシュ」、小さな茶葉が特徴でミルクティーに最適な「ファーラーズ レイクランドスペシャル」、キンモクセイの甘い香りが印象的な「エルダーフラワー」、そしてイギリスを代表する茶葉「アールグレイ」。最初に茶葉の香りを確認した斉藤が、嗅ぐたびに異なった大きなリアクションを取ってしまうほど、個性豊かな茶葉がラインナップされた。
斉藤に続いて、佐藤と小林も茶葉の香りを堪能。「香りが脳に直接来る感じ」と語る佐藤は、3人の中では比較的紅茶に詳しいようで「香りだけでも楽しめるのはいいですね」と笑顔を浮かべる。またミルクティーが好きだと話す小林は、茶葉の香りを嗅ぐたびに「うわっ」「あー全然違う!」「シンプルいい匂い」と素直なリアクションを見せる。そんな小林の初々しい姿に、斉藤と佐藤は愉快そうな声を上げて喜んでいた。
熟考の末、好みの茶葉を選び運ばれてきた紅茶を味わった3人は、思い思いの感想を述べ合う。斉藤は「面白い! さっぱり系なのかなって一瞬思うけど、喉に入ってくると渋みがきて。……これめっちゃ美味しい。マジで目覚めそう」と感動した様子。続く佐藤の「出会ったときとはまた違った面を見せられた気分ですね。ちょっとした渋みもあって……甘いだけじゃないんですね」としみじみと語る姿に、斉藤は「なんかエッチだな……」、小林は「それは恋ということですか?」とツッコミを入れる。
そして小林は「香りが倍増。最初は渋みがあるんですけど、まろやかさも出てきて変化が楽しめますね」とコメント。味の変化を素直に楽しんでいた。3人がどの紅茶をセレクトしたのか、Blu-ray / DVDを見て確認してほしい。
さらに本日の目玉となるアフタヌーンティーセットが、3人の目の前に登場。最下段にサンドイッチといった食事類、中段にはスコーン、最上段には色鮮やかなスイーツが並べられ、その見目麗しい光景に感嘆の声があがる。当時は高級品だったというキューカンバー(キュウリ)サンドイッチ、イギリスの味を再現することにこだわったという焼き立てスコーン、季節のフルーツをふんだんに使ったコンポートやモンブランなど、新宅氏から料理についての説明が行われると、3人は真剣に聞き入っていた。
アフタヌーンティー初体験とあり、斉藤が食べ方のマナーについて質問をすると、新宅氏からは「日本の方はマナーやエチケットを気にされますが、イギリス人に聞くと『どこからでもいいんじゃない?』と言われますよ」という回答が。予想外の言葉に驚きながらも、3人はそれぞれ気になる料理から食べることに。まずは小林が焼きたてのスコーンに手を伸ばす。ジャムとクロテッドクリームをたっぷりと乗せてほおばると、小さな声で「うまい」と一言。さらに紅茶との組み合わせに、「もうお昼ごはんずっとこれでいい」と断言。
続く斉藤は「僕もスコーン食べようかな……」といいながらも、気になっていたというビーフシチューをチョイス。一口食べるとうれしそうに顔をほころばせ、佐藤と小林にアイコンタクトを送りつつ、うなずきながら無言で食べ切ってしまう。「これ、シチューも美味しいんですけど、添えてるパイも美味しい。……輸入します」と感動した様子だ。
作品について語り合いながら、アフタヌーンティーの時間をぞんぶんに堪能した3人。「本当にいい時間でしたね」「毎週通いたい」と名残惜しそうだ。最後、斉藤は本日のアフタヌーンティーロケを振り返り「これはもうレギュラー化してほしいですね……。偉い人がなんとかしてくれることを祈っております(笑)」と本音をこぼし、収録を締めくくった。