コミックナタリー PowerPush - アイドルマスター ミリオンライブ!

765プロ・シアター組、ゲッサンからGO MY 上へ!! 秘蔵カットも出しまくりの作者&担当インタビュー

門司雪&担当編集インタビュー

話が持ち込まれたのを、ちょうど横で聞いていた

「アイドルマスター ミリオンライブ!」カット。ライブ時の春日未来。

──GREEのゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ!」のマンガ版がゲッサンで始まると伺ったときには、正直意外な気がしました。企画の発端はなんだったんでしょうか。

担当 バンナム(バンダイナムコゲームス)さんに石原章弘さんという、「アイドルマスター」の総合ディレクターがいらっしゃるんですけど、その方がゲッサンを読んでくれていたらしくて。「最近ゲッサンが熱いから、ぜひそこでマンガにしてほしい」と言ってくださったと。

──へえ。ゲッサンを名指しで。

担当 まあどこまで本当かわからないんですけど(笑)。でもピンポイントでゲッサンを紹介してほしいと、小学館の人間がバンナムさんから言われたのは本当で。うちの編集長のところにコミカライズの話を持ってきたんですね。最初は編集長もアイドルマスターはあまり知らないからってそこまで乗り気じゃなかったんですけど、その話をちょうど僕が遠くで聞いていまして。「ちょっと待って! それはすごくやりたいです!」と叫んでですね(笑)、じゃあ全部任せるからやってみろ、って言われて。

──そこで声を上げなければ、流れていた可能性もあったんですね。門司先生は最初に打診を受けたとき、どう思われました?

門司 びっくりしました。「なんでゲッサンでやるんだろう?」って(笑)。最初にお話をいただいたのが2014年の初めなんですが、直前の年末にちょうどキャラ作りについて話したときに、アイドルマスターが話題に出たんですよ。

担当 門司さんはストーリーと絵については申し分なかったんだけど、キャラクター作りに課題があって。それで僕、ちょうどアイドルマスターが好きだったので、門司さんにいつも「キャラとは」っていう話をしながら例えによく出してましたね。それが伏線というか、フラグみたいになってた(笑)。

「アイドルマスター ミリオンライブ!」カット。左から春日未来、天海春香。

門司 私もその頃、アニメの「THE IDOLM@STER」をよく観直したりしていました。

──門司先生も、コミカライズされる前からアニメがお好きだったんですか?

門司 そうですね。監督とキャラクターデザインを手がけられた錦織敦史さんの絵が大好きで、録画して何回も観ています。

──なるほど。そこからコミカライズの話がいきなりやってきたと。

担当 本当に、びっくりするぐらい偶然でしたね。

ライブで倒れるマンガ家

──それから2014年6月の「アイドルマスター ミリオンライブ!」キャスト陣によるライブで、コミカライズが始動することが初めて告知されましたよね。スケジュール的には厳しいものでしたか?

担当 そうですねえ。話が決まった時点ではバンナムさんも年内に始めてほしいぐらいの感じだったので、まあ秋の新連載とかに入れればと思ってたんですけど。6月の初単独ライブで告知してくれる、っていう話を聞いて。「じゃあ7月発売号からやりますよ、なあ門司さん!」って(笑)。

門司 えっ、そういう経緯だったんですか。バンナムさんが7月からっておっしゃったからだと思ってましたよ。

担当 せめて告知だけでも6月のライブにしたいと言われたんだよね。でも6月に告知して連載開始は9月です、ってなると絶対忘れられちゃうじゃない。

門司 まあ、そうですね……。

担当 でしょ。だからもう、7月の号で始まるって宣言して、そこからはもう、ひたすら毎月「やるよな!」っていう打ち合わせをずっと。

門司 ギリギリまでやれるかやれないかみたいな感じでしたよね。

担当 やれるかやらないかじゃなくて、やれなくても「やるんだ!」と。

──(笑)でもデッドラインが決まれば、あとはもうそこにひたすら向かっていって。

担当 本当にそんな感じでした。告知するって決まったのが4月に入ってからだったんですが、そこから急ピッチで描いていただいて。でも6月のライブの時点では、まだ1話の原稿上がってなかったよね(笑)。

「アイドルマスター ミリオンライブ!」より。ライブ直前のシアター。

門司 1話にライブシーンがあるんですけど、その部分の作画に必要な、ライブ会場の資料写真が撮れなくて……。なので、そのライブの日のリハーサル中に写真を撮らせてもらって、それを資料として使おうということになったんです。だから告知がされた当日は資料写真が手に入っただけで作画ができてなくて。結構精神的にはしんどかったですね(笑)。

担当 門司さん、そのライブ中にぶっ倒れてしまったんですよ。

──ええっ、そうなんですか。

担当 2千何百人が来るっていうライブで、お客さんも独特の雰囲気ですごく盛り上がっていたんですよね。そんな中に自分のマンガが始まるっていう予告が流れるのは結構プレッシャーというか、すごく緊張したみたいで。予告が前半と後半の間の中休み的な時間帯に流れたんですけど、前半は少し体調悪いかな、ぐらいで観てたのに、その予告あたりから顔が真っ青になっちゃって。

門司 すごく胃が痛くなっちゃって……。しかも告知がどんどん流れてるのに、まだ作画は何も終わっていないんですよ!

担当 まあ進行的には最初から、結構危ない橋を渡っていました。全部僕のせいなんですけどね(笑)。いや、ホント申し訳ありません。

門司雪 / バンダイナムコゲームス「アイドルマスター ミリオンライブ!(1)」 / 2015年3月12日発売 / 小学館
オリジナルCD付き特別版 / 2000円
通常版 / 650円

「アイドルマスター」765プロ新企画!
話題のゲッサン×アイマス!
765プロの新たなチャレンジ、765プロライブ劇場。
そこでアイドルを目指す少女たちの物語──。

特別版付属のオリジナルCDには門司雪が書き下ろした作中名シーン&新エピソードたっぷりのボイスドラマに加え、最上静香が歌う「蒼い鳥」、春日未来&最上静香が歌う「GO MY WAY!!」の激レアカバー曲を2曲収録!!

門司雪(モンジユキ)
門司雪

10月28日生まれ。血液型O型。2012年、第70回新人コミック大賞入選。2013年6月、ゲッサン(小学館)の別冊付録に収録された「Mの魔弾」でプロデビュー。2014年7月に同誌でバンダイナムコゲームスのゲームをコミカライズした初連載「アイドルマスター ミリオンライブ!」を始動させた。ゲッサン期待の実力派ルーキー。