「メギド72」はDeNAが2017年12月より提供しているスマートフォン向けRPG。リリース2周年を目前に、「日本ゲーム大賞2019」の年間作品部門で優秀賞を獲得し、一層の盛り上がりを見せているタイトルだ。
コミックナタリーでは前回、「メギド72」をたっぷり遊び込んでいる成田良悟にインタビューを実施(参照:「メギド72」特集 成田良悟インタビュー)。夢中になっている理由をディープに語ってもらった。そこで今回は、まだ「メギド72」をプレイしたことがない人に新しくゲームを始めてもらっての感想を聞くべく、ゲーマーアイドルとして知られる古川未鈴(でんぱ組.inc)に企画を依頼。さまざまなゲームをプレイしてきた彼女の目に、「メギド72」はどう映ったのか。最後のページには撮り下ろし写真も用意しているのでお見逃しなく。
取材・文 / 鈴木俊介 撮影 / ヨシダヤスシ
「メギド72」? あの泣いてるやつか!
──「メギド72」はもともとご存知でしたか?
正直タイトルよりも、キャラクターが号泣しているあのビジュアルが印象に残っていましたね。先日、「日本ゲーム大賞2019」で優秀賞を受賞されたじゃないですか。あの発表があったときに、「スマートフォンのゲームが選ばれるのは珍しいな」と思って調べたんですけど、「ああ! この泣いてるやつか!」となりました(笑)。
──あのビジュアル、インパクトありますよね(笑)。今日はポーズを再現したお写真も撮らせていただき、ありがとうございます。「日本ゲーム大賞」で言うと、スマートフォン向けゲームで受賞した作品は、今年は「メギド72」だけでした。過去に受賞した作品を見ても、「Fate/Grand Order」や「Ingress」、「パズル&ドラゴンズ」と、本当に一世を風靡しているようなタイトルばかりです。
「日本ゲーム大賞」のマークが付いているゲーム、面白いものしかないですもんね。そう、だから「高く評価されるような何かがあるんだろう」と、ある意味ですごく期待して始めたんですよ(笑)。でも、実際にプレイしてみてすごく納得しました。中でも私が一番「新しいな!」と思ったのはバトルです。場にあるフォトンを、状況を見ながら振り分けて戦うというのは、ちょっとカードゲームっぽさもあるというか。
──このバトルは“ドラフトフォトンシステム”というんですが、本作のオリジナルで、特許も取得しているそうです。確かに、これまでやったことがないような戦闘ですよね。
スマホ独特のスワイプ操作が気持ちいいですよね。フォトンを振り分けているだけでもう楽しい(笑)。バトルに限らず、操作周りは全体的にストレスフリーで、スマートフォンでやっている意味があるというか、遊びやすいようにきちんと考えられているなと。個人的には縦持ちゲームなのもうれしかったです。スマートフォンはやっぱり縦向きで使うように作られてるというか、そっちの方がしっくりくるので。
──その一方でバトルは、システムが新しいゆえに戸惑ってしまうというか、ちょっと入りづらく感じられる方もいるかなと思うんですが。
正直に言うと、それもわかります(笑)。最初のチュートリアルがけっこうテンポよく進むので、きちんと覚える前に次の説明が始まってちょっと混乱しちゃうというか……。フォトンっていう言葉も聞き慣れないですし。ただ「そういうことね!」とわかってくると楽しい。私はわからないことがあるとすぐヘルプを読むタイプなんですが、「メギド72」はヘルプもしっかり作られていたので、その部分は安心でした。私からできるアドバイスは、「迷ったらヘルプを読め!」ですね。
──公式ポータルサイトも情報が充実していて、2章までは攻略ポイントも紹介されているので、困ったらそちらをご覧いただくのもよいかもしれません。
お気に入りの戦法は「フライパンで殴りまくる!」
──始めていただいたばかりなので、まだまだメギドが揃ってないとは思うんですけど、みりんさんはどんなパーティを組まれてるんですか?
えーと、メインで使っているのは……(スマートフォンを確認しながら)リーダーがアイムちゃんで、フォラス、モラクス、フルフル、あとガープくんですね。チュートリアルで引ける「10連召喚」で“バースト”を選んだからか、ちょっとわからないんですけど、うちには後列から攻撃する“スナイパー”ばっかりなんです。なのでスナイパーをメインに、防御面が不安なので守りの得意なガープくんに入ってもらって。
──ガープに「かばう」で守ってもらいながら……。
フォラスがアイムを強化して、アイムがフライパンで殴りまくる!というのが基本スタイルです。防御力無視でダメージを与えられるモラクスには、硬い敵が出たときに活躍してもらうんですけど、フルフルちゃんは……正直まだ、使い方がよくわかってないんですよ(笑)。今はまだ使い時じゃないのかもしれない、前衛を入れたほうがいいのかもしれないと思いつつ、見た目がかわいいので入れてます。バーストのメギドは奥義に必要なゲージが多いので、奥義を使えるようになる前に戦闘が終わっちゃうことも多いし……。奥義のモーションもかわいいので、もっと見たいんですけど。その辺りも、まだ考えなきゃダメだなって思っています。
──なるほど。苦労したステージはありましたか?
ありますあります! ステージ4のボス戦で2回全滅しちゃったんです。まだ序盤なのにおかしいなと思って、ここでまたヘルプを読み直して(笑)。それでわかったんですけど、ここの敵はみんな後列を狙って攻撃してくる“トルーパー”(槍タイプ)だったんです。そのせいでザコ敵からもすごく被弾してしまって。しかもボスが全体攻撃をしてくるので、ガープの「かばう」もうまく発動しないんですよ。結局このときは前衛タイプを増やして乗り越えました。「敵との相性を考えなければ!」「闇雲にやってるだけじゃダメなんだ!」って学んだ、私にとって最初の難関でしたね(笑)。
──「メギド72」はスマホゲームの中でも、歯ごたえのあるバトルが楽しめる部類かと思うのですが、ゲーマーのみりんさんとしては、やはりそういうゲームのほうが燃えますか?
そうですね。もちろんサクサク進められる楽しさもあると思うんですけど、このゲームの場合、ザコ戦はあまり苦労しないですよね。なので、ボスで戦略性を求められるっていうバランスはいいなと思いました。
みんな推し!「メギド72」はアイドルに通じる
──みりんさんがパーティに組み込んでいらっしゃる中だと、特にガープは多くの方が育てていらっしゃるようで……。
ゲーマーからすると、「かばう」の重要性はわかりみが強いです。あと普通に見た目もいいですよね(笑)。「カッコいい! スタメンに入れよう!」っていう気持ちもありました。ガープくんはキャラストーリーも読ませてもらったんですが、そうしたら「だから彼はかばうのか……!」っていうのがわかって。ただ“タンク”(パーティの盾役)っていう役割を与えられているだけじゃなく、しっかりバックボーンがあるからなんだというのがわかって、ちょっと感動しました。
──「メギド72」ではすべてのメギドに、読んでくださったような、バックボーンを掘り下げる個別ストーリーが用意されているんです。
本当にすごいと思います。しかもサブストーリーとは思えないくらい作り込まれているし、長さもけっこうあるじゃないですか。「めちゃくちゃ作ってる!」ってびっくりしちゃいました。しかもこれが全員分あるとか、もう……よだれものですよね(笑)。ほかのメギドのストーリーはまだ読めてないんですけど、アイムちゃんがフライパンで攻撃するのにも何か意味があるんだろうなとか、すごく気になっています。
──あとお気付きになられたかもしれませんが、メギドにはSSRなどのレアリティがないんですよね。誰かが特別強いということがなく、スキルなどの使いやすさに違いはあっても、どのメギドもプレイヤー次第で活躍させることができる。
それは素晴らしいですね。みんながちゃんとキャラクターを持ってるのって、アイドルにも通じる部分があると思うんですよ。でんぱ組は6人組ですけど、みんながみんな異なるバックボーンを持っていて、それぞれやりたいことがあって、得意なことがあって。
──ああ、そう言われるとそうかもしれません。
メギドたちもみんな個性が強いですし、役割も明確なので、きっと誰を使ってもいいし、本当に捨てキャラがいないというか。だから「メギド72」にキャッチコピーをつけるなら、“みんな推し!”ですよね。もしかしたらお気に入りの子が目立ちにくいポジションってことはあるかもしれないけど、どの子も運営に推されてないってことはないし、自分が人一倍愛を注いであげるんだ、活躍させてやるんだって思える。そんなことを思いました。
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ガープくんにスーツを着てほしい
2020年3月9日更新